この記事をご覧になっているという事は、毎日踏みしめるフローリングに剥がれやささくれの解決策をお探しかと思います。
リフォームするしかないのかと諦めていませんか?
フローリングの剥がれ補修には、DIYで直せるケースや、リフォーム以外にも経済的なリペアという手段があることをこの記事を通してお伝えします。
日本人の美徳の一つは取替や買い替えでなく、修復やリメイクを選択するように「モノ」を大事にする心があるのではないでしょうか?
今回は、フローリングの剥がれをあらゆる角度から捉えて解説し、自分の家にあったよりよい補修ができる一助になるような記事を載せましたので、最後まで読んでいただければ幸いです。
フローリングの剥がれ症状や原因を知ろう
フローリングは、あらゆる建材の中で最も消耗の激しい建材です。毎日、人間やペットの体重を直接受け、家具・家財の重みを受け続けるので長期間同じ耐久性を保つことが難しいことは容易にわかります。
一般的にフローリングの寿命は10年から20年とされています。フローリングのダメージの中で最も多いのが剥がれです。
表面の塗装が剥がれたり、突板が剥がれたりすることも、10年以上経過すればよくみられる症状です。ここでは、フローリングが剥がれる原因や症状を解説していきます。
経年劣化や自然劣化によるもの
フローリングの剥がれの原因の主たるものは、経年劣化や自然劣化です。壁などダメージを受けにくい場所であっても経年劣化で耐久性が劣ってきます。
フローリングは、常にダメージを受け続ける建材ですので、経年劣化が早まる可能性が高くなります。
次に、フローリングが剥がれる原因となるものは水分です。結露が滴り落ちたり、フローリングそのものに結露が発生したりして放置しておくと大きな剥がれの原因となります。
また、飲みこぼしやペットの小便なども放置しておけば、剥がれの原因となりますのですぐに拭き取るように注意しましょう。
水分に関しては、すぐに拭き取っていても回数が重なれば剥がれの原因となりますので結露対策やペットの小便対策を講じる必要があります。
素材別の特性と剥がれの症状分は
フローリングの存在は大きく分けて、無垢材・突板合板・クッションフロアの3種類に分かれます。それぞれ特性があって、剥がれの症状も異なります。
- 無垢材は、1本の木からつくられているフローリング材です。自然な感触や木の香りを感じることができます。無垢材で起こる剥がれの症状は、経年劣化やメンテナンス不足による塗装の剥がれです。また、水分を吸収し放出することを繰り返した結果、ダメージが蓄積しささくれが起こる場合があります。
- 突板合板は、木材を加工して人工的に作られたフローリング材です。変形が起こりにくく、傷がつきにくい丈夫な建材です。突板合版の剥がれの症状は、接着剤が経年劣化や自然劣化によって効力を失い突板(化粧板)が剥がれたり、めくれたりする症状です。
- クッションフロアは、土台に直接クッションフロアシートを貼ったものを指します。水回りによく使われていて、耐水性が高いのが特長です。クッションフロアの剥がれとは、接着剤の劣化によって土台とシートが剥がれたりめくれたりする症状です。
3つの素材共通した剥がれの症状は、鋭利なもので損傷をうけた剥がれです。いずれにしてフローリングの剥がれは早急に直す必要があります。
住人や来客の怪我の原因にもなりますし、放置すればするほど土台部分にまで損傷が広がり多額の費用がかかるリフォームへと繋がる可能性が高まります。
フローリングの剥がれを100均グッズで直す?
近年は、100円均一ショップでも木製品のDIYグッズが販売されています。中には、フローリングの剥がれの補修に使えるものもありますので紹介します。
- 無垢材の小さなささくれには、木工パテが有効です。ささくれた部分を綺麗にヤスリがけして木工パテで埋めれば完成です。完成後は、オイルフィニッシュなどの塗装をおすすめします。
- 突板の小さな剥がれは、木工用の接着剤で応急補修できます。突板が剥がれてきているということは、接着剤全体がかなり劣化していると考えられますので、あくまでも応急処置として捉えるほうが賢明です。早期にプロに相談しましょう。
- クッションフロアの隅の小さな剥がれは、プラスチック用の接着剤で接着できます。この補修も一時的なものと捉えるほうが良いでしょう。クッションフロアそのものは水に強くても土台の損傷があって剥がれ始めている場合もありますので、様子をみて早めにプロに相談しましょう。
- 100均グッズは、便利で手軽ですが、失敗した場合は費用が倍増する可能性が高くなりますので安易に大きな剥がれにまで手を出さないほうが良いでしょう。パテや接着剤を剥がす手間も請求されますし、場合によってはリペアで済んだものがリフォームにまで発展する可能性もあります。
100均グッズは手軽で便利なものですがあくまでも100均ですので、耐性など考慮して一時的なものとして使うと良いでしょう。
DIYでフローリングの剥がれを補修
空前のDIYブームが到来しています。ホームセンターだけでなくアマゾンなどのネットショップにも本格的なDIYグッズが登場しています。
むしろ、ネットショップのほうが充実したラインナップです。フローリングの剥がれの補修にも適しているグッズがありますので、代表的なものを使用方法まで紹介します。
テープで補修
最も手軽な方法が、画像のような傷隠しテープを貼り付ける方法です。他の建具や家具などにも使える便利さが特長です。
紫外線にも強い丈夫なテープですが、フローリングと色合せしないと剥がれ箇所が目立ちますのでご注意ください。
突板合版やクッションフロアの補修に適しています。
使用方法
1.フローリングの剥がれ部分のほこりや汚れ・水分を拭き取ります。
2.必要な長さにテープを切ります。
3.はくり紙をはがしながら空気が入らないように貼り付けます。
ニスで目立たなくする
油性ニスは着色とニス塗りが同時にできます。カラーが豊富にラインナップされているので自分のフローリングに合わせて選びましょう。
ニスは、フローリングに深みを与え木目を活かして美しく仕上げることができますので、無垢材や突板合板のフローリングに適しています。また、フローリング以外にも使用できますので慣れると便利なアイテムです。
使い方
1.フローリングの凸凹をなくすためにサンドペーパーなどで木目に沿って研磨します
2.ハケでニスを塗ります。重ね塗りしたほうが綺麗に仕上がりますので数回塗りましょう。
注意事項として、塗装中や乾燥中は溶剤臭がしますので充分な換気が必要です。
クレヨンで色をつける
初期段階の無垢材のささくれや合板の突板のささくれなどに適しているクレヨンです。フローリング以外にも柱の傷隠しなど木製製品の傷を隠すときに重宝します。
使い方
1.ささくれた部分をサンドペーパーなどで平らにします
2.ホコリや木くずなどを綺麗に掃除します
3.フローリングと色を合わせて木目と平行に塗り込みます
接着剤で引っ付ける
クッションフロアの剥がれには接着剤が有効です。クッションシートのつなぎ目は、剥がれが生じやすい部分でもあり、初期段階なら接着剤のグッズで修理可能です。このボンドは壁クロス用ですがローラーも付いており、手を汚すことなく手軽に補修できるので、DIY初心者でも使用しやすいでしょう。
使い方
1.クッションフロアの剥がれ部分を綺麗に掃除します
2.蓋に付いたハケで接着剤を塗ります。
3.付属のローラーでクッションフロアを貼り付けます
パテで剥がれ箇所を埋める
無垢のフローリング材や突板のささくれを剥がすとフローリングに傷がついた状態のようになります。その場合は木工パテで埋めて補修しましょう。
クレヨンの場合は傷を隠す補修です。木工パテは傷にパテを埋め込んで修復し、塗装もできるので剥がれそのものが分からなくなるDIYグッズになります。
少しレベルが高いDIYかもしれませんが、フローリングを安全に踏みしめるには、ささくれや剥がれを完全に修復する必要があります。木工パテならそれが可能ですのでチャレンジする価値はあるかもしれません。
使い方
1.ささくれを綺麗に取り除きましょう
2.補修箇所の木くずやゴミを掃除機で吸い取り、水分がないことも確認
3.傷にパテを練り込んで硬化するまで待ちます。
4.硬化後はヤスリなどで平らにします
5.塗装した後で傷がわからないようにペンタイプの補修キットで木目も書き入れましょう
これまで紹介したDIYグッズの中では難易度が高いかもしれません。失敗すれば、その失敗を取り返すことにも時間もかかりますので、DIYに慣れていない方は無理せずリペア業者に相談したほうが賢明です。
賃貸住宅では貸主とのトラブルに注意?
賃貸住宅において、フローリングの剥がれが生じた場合、経年劣化でしたら貸主の負担で補修します。
しかし、借主の過失や故意によるものは借主が負担して補修しなければなりません。
その場合、勝手にDIYすることはトラブルの原因になる可能性があります。理由は、賃貸契約にあります。契約書に家の修理についての決めごとが書かれているはずです。貸主に報告せず修理したり、業者に修理を頼んだりした場合、契約違反になることが多いのでよく読んでからフローリングの剥がれを修理しましょう。
フローリングをリフォームする
フローリングの剥がれが酷い状態で、シロアリの被害があったり、剥がれをめくればカビが蔓延したりしている場合はリフォームでフローリングを取替えないといけません。
また、損傷が根太や大引などの構造体やモルタルなど下地まで達している場合は、構造体から作り直すリフォームが必要です。
フローリングのリフォーム方法
フローリングのリフォームは、フローリング材を交換するリフォームと土台から作り直すリフォームがあります。損傷の程度によってどちらかを選択する必要があります。
土台からリフォームする場合は、工法を理解しておくとリフォーム業者とのやり取りに役立ちますのでここで説明します。
フローリングの工法は、大きく分けると3つに分類されます。
1.根太工法:大引と呼ばれる最下階の水平材に根太を組み、その上にフローリング材敷き詰める工法です。簡素で最もよく使われています
2.捨て張り工法:根太工法の根太とフローリング材の間に捨て張りを挟む工法です。捨て張りを挟むことで遮音性や断熱性があがり安定性も上がる工法で、捨て張りの素材によっては調湿効果もあがります
3.直床工法:クッションフロアに用いられる工法でコンクリート下地の上にモルタルや緩衝材を敷き、その上にフローリング材を敷き詰める工法です。緩衝材やフローリング材によって床の固くさや冷たさが異なるので、クッション性がよくて断熱性の高いものを選びましょう。
リフォームの相場
リフォームの価格相場は、工法や建材によって大きく異なるので一概に説明することが難しいです。しかし、フローリングのリフォームを考えている方にとって最も知りたい情報ですので目安として紹介します。
- 根太工法によるフローリングの張り替え
4.5畳 | 6畳 | 8畳 | |
突板合板 | 12~14万円 | 15~18万円 | 19~22万円 |
無垢材 | 13~16万円 | 16~20万円 | 20~25万円 |
- 捨て張り工法によるフローリングの張り替え
4.5畳 | 6畳 | 8畳 | |
突板合板 | 16~18万円 | 20~23万円 | 25~29万円 |
無垢材 | 17~20万円 | 21~24万円 | 26~30万円 |
この目安は、フローリング材の張り替えのみです。土台から作り直すリフォームは、土台分が上乗せされます。また、直床工法は、緩衝材やフローリング材によって価格がまったく異なります。コンクリート下地までリフォームする場合は相見積もりをとって比較することをおすすめします。
フローリングの剥がれをリペアする
フローリングの剥がれのリペアとは、剥がれたフローリングを修復し、剥がれが無かったことになることです。
土台まで損傷を受けていないならリペアのほうがリフォームよりも経済的に補修できます。しかも、愛着あるものを交換する必要もありません。
木材の寿命は1000年とされています。木を伐採して無垢材として加工されてから1000年まで強度があがり続け1000年以降は強度が下がり始めます。
メンテナンスが行き届けば、何代にわたって使えるものを剥がれ程度で交換してはもったいないと思われる方は多いのではないでしょうか。
リペア職人の技とは?
この画像は突板合板が剥がれをリペアしたものです。剥がれの箇所が見分けられなくなっています。プロのリペア職人ならではの出来栄えです。
このようにリフォームを選択しなくてもリペアで対応可能なフローリングの剥がれはたくさんあります。リフォームかリペアで迷ったら、まずはリペア業者に相談しましょう。
リペアが無理ならリフォームすればよいのです。取替えたものは、元に戻すことができません。
リペアの相場
リペア業者の相場は、補修1箇所につき1~2万円(技術料)です。出張費や新規の材料費などは含まれていませんので別途になります。損傷の程度によっては、この価格より高い場合もあります。
当サイトでは、1箇所につき1万3000円(技術料)から承っています。
また、損傷箇所が多い場合は、定額で補修できるサービスを活用してください。決まった時間内であれば、損傷箇所が多くても修復しますので安心して依頼できます。
フローリング材のメンテナンス方法
ここからは、無垢材・複合材・クッションフロアのメンテナンス方法をお伝えする。
無垢材の場合
無垢材はフローリング材の中では高級な建材です。木目や木の風合いを損なわないメンテナンスを心がけましょう。
普段の掃除は、掃除機やモップ、乾いた雑巾などを使ってホコリを除去するのが基本です。1ヶ月に1回~2回は、固く絞った雑巾で水拭きをします。
フローリングの状態によりますが、1年に1~2回程度はワックスアンドクリーナーなどを乾いた布で塗り広げると風合いを損なわず深みを感じられるフローリングになっていきます。
突き板合板の場合
突板合板は、衝撃や摩耗に強いものが多いのでメンテナンスが容易です。掃除も掃除機だけでなく、固く絞った雑巾やモップであれば水拭きも問題ありません。突板(化粧板)の塗装が剥がれてくる前に再塗装することをおすすめします。
クッションフロアの場合
クッションフロアは、汚れにも強く傷や薬品などに対する耐性も優れています。一般的な掃除方法であれば問題がなく掃除できます。唯一の弱点は薄い表面に傷が入ることですので、鋭利なものや重い物の移動に注意しましょう。