愛する家族として飼われるペットの屋外飼育は少なくなってきています。特に犬や猫は、ほとんどが室内で家族とすごしています。
室内飼育のペットには問題がつきものです。猫の爪とぎや犬の穴掘り、どのペットにも共通するオシッコ問題などです。
中でもペットがつけるフローリングの傷は、何度でも繰り返される頭が痛い問題です。
今回はペットによるフローリングの傷を修復する方法を徹底的に解説します。
また、防止策も完全解説しますので、是非お役立てください。
ペットが傷つけたフローリングをDIYで修復する方法
ペットがつけた浅い傷や小さな傷ならDIYで修復できる場合もあります。
もちろん、犬が掘ってしまったような深い傷や広範囲の傷になればプロに依頼するしかありません。
DIYする場合でも賃貸住宅にお住まいなら契約書を見直しましょう。貸主に無断で勝手な修理をすれば契約違反になる場合がありますのでくれぐれもご用心ください。
無垢材の場合はアイロンでもOK
無垢材とは1本の木から製材されたフローリング材です。木の種類によって特徴がありますが、木の基本的な性質を利用して修復する方法があります。
必要なものは、針とアイロンと乾いた布です。
使い方
- 傷の状態をじっくりみて凹んでいるだけなら凹みに針を指します
- ささくれがあれば取り除いてきれいにしましょう
- アイロンのスチームを傷にあてます。フローリングにはスチームだけあてて、アイロン自体はあてないようにしてください。
- 乾いた布で拭き取って状態を確認
- 傷が回復していないなら再度スチームをあてて拭き取ることを繰り返します
この方法は、木の吸水性を利用することで、傷を膨張させて回復させる言わば自然療法です。無垢のフローリングや厚みのある突板を使用した合板なら試す価値があります。ただし、ウレタンやUV塗装などコーティング系塗料を使用している場合には、塗装が剥げる恐れがある為、浸透系塗装の場合にのみ有効です。
突板合板&無垢材なら補修グッズ
突板合板や無垢材など木材の傷をDIYで修復するのに便利なグッズです。傷を隠すのではなく傷にパテを埋め込みますので傷口がわかりにくくなります。修復後は塗装もできますので、塗装すればフローリングの傷はほとんど分からなくなります。
使い方
- 傷口のバリや汚れを取り除く
- スティックのカラーを選び、ホットナイフで溶かして傷に埋めこむ
- 埋め込んだスティックが硬化するのをまつ(約15秒)
- ゴシゴシスクレーパーのギザギザ面を下にして表面を平らにする
- ゴシゴシスクレーパーの先端を利用して更に平らに仕上げて完成
スティックの色を混ぜて使用できるので、フローリング色とスティックの色が合わない場合はチャレンジしてみましょう。ホットナイフで自分やペットが火傷しないように注意してDIYしてください。
クッションフロアは接着剤
クッションフロアそのものが破れてしまえば張り替えるしか方法がありません。
しかし、ペットが走り回る衝撃や劣化で、クッションフロアを接着している接着剤の効力がなくなればつなぎ目が剥がれてきます。
その時は、クッションフロア用の接着剤で接着すれば修復できます。
使い方
- 接着部分の汚れやゴミを拭き取りきれいにする
- 専用ノズルをチューブ先端に取り付ける
- ノズルを目地部分にさし入れチューブを軽く押しながら、つなぎ目を移動させる
- 最後に液がつなぎ目の上に5mm~2.0mmほどしみ出す程度に流し込む
- つなぎ目の上にはのらないで15分ほど放置する
- 1時間で完全に乾燥し完成
クッションフロアは、耐水性が高いのでオシッコには強いです。しかし、人間には優しい塩化ビニル系素材のやわらかさが仇になりこともあります。爪で引っ掻けば表面が破れる被害がでますので転ばぬ先の杖として、ペット用のコーティングを施しておくことをおすすめします。
爪だけではないオシッコによるフローリングの被害
ペットの諸問題の中でも最も大きなウェイトを占めているのがオシッコ問題です。早く上手く躾けることができれば問題にはなりません。
しかし、大半の子犬や子猫から飼われる方は、失敗を繰り返しながらなんとか躾けられたというパターンが多いと聞きます。
また、屋内のペットシーツや砂場でオシッコできるように躾ても、はみ出してフローリングが濡れているなどということもあります。
クッションフロアの場合は耐水性が高いので、つなぎ目にダメージがないなら拭き取ればオシッコは浸透しません。しかし、フローリングの大半を占める木材の場合は、特殊な加工をしていないかぎり染み込みます。これが最大の問題であります。
オシッコ放置でフローリングがふやける
木材は、吸水性が高く調湿性のある建材です。すなわち、オシッコをされたら吸水します。たとえすぐに拭き取っても染み込んでいる確率が高いです。
犬も猫も同じ場所にオシッコをする習慣があります。犬の場合は、マーキングで部屋のあちらこちらにオシッコする場合もありますがある程度決まっています。
問題は、留守中などで気づかない間に何度も同じ場所にオシッコされることによってフローリングの木材が吸水しきれなくなってふやけてしまうことです。
こうなりますと大掛かりな修復が必要になりますので、ペットのオシッコには注意が必要です。
フローリングのアンモニア臭がとれない
ペットのオシッコはたとえすぐに拭き取っても染み込んでいる確率が高いです。そして、木材の調湿効果で放湿するときにアンモニアが伴っているので、部屋がオシッコ臭くなるのです。
では、どうすればよいのでしょうか?答えはアンモニアを中和させるしかありません。アンモニアはアルカリ性ですので、酸性の中でも人体やペットに悪影響がほとんどないクエン酸を利用しましょう。
クエン酸をぬるま湯や水にとかしてスプレーで散布するのです。そうすると木がクエン酸の入った水を吸収し、木の中で中和反応を起こしてクエン酸三アンモニウムに変化します。
その物質は無臭なので消臭することができます。ただし、あまりクエン酸を多く撒きますと酸が残ります。酸は、フローリングにダメージを与えますのでご注意ください。
とれない尿シミで悩んでいる方はプロに相談
猫のオシッコは草木も枯らすと言いますが、猫のオシッコには「フェリニン」という硫黄を含むアミノ酸と「コーキシン」というたんぱく質の1種が含まれていて、強烈な刺激臭を放つようです。
これにアンモニアも混じることを考えると草木も枯らすというのも分かる気がします。
フローリングの尿シミは猫だけでなく犬や他のペットでも同じです。まだ、初期症状で無垢フローリングなら表面を丹念にサンドペーパーで削ればきれいになる可能性もありますが、その後の臭い消しや再塗装などかなりの労力と時間を要します。
尿シミの症状がすすんでいれば、たとえ無垢材であっても根太ごとリフォームか、高度な修復が必要です。リフォームとなれば高額な費用も必要ですので、早急にプロに相談することをおすすめします。
リフォームする場合と費用相場
犬・猫などのペットのためにフローリングをリフォームすることがあるとすれば、ペットがフローリングに修復不可能な傷をつけてしまった場合が大勢を占めます。
また、犬・猫などのペットがフローリングで滑るなどがないようになど快適に暮らせるために改修するリフォームがあります。
新しいフローリングに交換
犬や猫がフローリングを傷だらけした場合や、尿シミやアンモニア臭が酷くて修復不可能なら新しいフローリングにリフォームしたほうが良いかもしれません。
この場合のリフォームは、新しくフローリング材を交換するだけで済む場合と根太や捨て張りまで作り直し、新しいフローリング材に交換するリフォームがあります。
どちらにせよ、多額な費用と日数がかかりますので、ある程度、金銭的な余裕と時間の余裕が必要です。
ペットが滑らず傷つきにくいフローリング材を選べる
リフォームする場合は、フローリング材を選ぶことができますので、この際にペットが快適に暮らせるフローリング材を選ぶことをおすすめします。
少し高価になるかも知れませんが滑りにくいフローリング材は、結果として子供やお年寄りの方にも優しいフローリング材になります。
例えば、ワンラブフロア2です。
老犬や小型犬の足腰の負担を軽減し、爪の音も抑える合板フローリングです。表面の防滑オレフィン化粧シートにより滑りにくくなっています。
この他にもペットに適したフローリング材や直張り工法向けのクッションフロアがたくさんラインナップされていますので、最適なフローリング材を選びましょう。
リフォーム費用の相場
フローリングのリフォームは、工法やフローリング材により価格がかなり変動しますが大凡の相場を以下に記します。
広さ | 金額 |
1畳 | 3~6万円 |
4畳 | 7~14万円 |
6畳 | 9~18万円 |
8畳 | 10~20万円 |
この相場は、フローリング材の張替えを想定していますので、根太や捨て張りまでリフォームする場合は、この金額よりもさらに上がると認識してください。
リペアでできること・費用相場
ペットがつけたフローリングの傷に対してリペア業者ができることは修復です。例えば爪で引っ掻いた傷や尿シミです。また、犬が穴を掘ってえぐれたフローリングも修復できます。
既存フローリングを部分補修
リペア業者は、リフォームと違いフローリングを交換しません。既存のフローリングのダメージを受けた部分を修復しますので、傷んでいないフローリングまで交換するリフォームとはかなり違いがあります。
また、リペアは基本的に数時間で作業を終えます。日をまたぐこともほとんどありませんし、費用も抑えられるメリットがあります。
一例をあげますと
上の画像は、賃貸住宅で冷蔵庫の水漏れが原因でフローリングが腐敗した状態です。ペットの件であれば尿シミでフローリングが腐った状態と同様です。リペア業者ならこのような酷い状態でも元の状態に戻すことができます。
綺麗にカビも腐敗も無くなっています。何もなかったことにするのがリペア業者の技術です。先程述べた高度な技術が必要な尿シミも修復することが可能なのです。
フローリング以外の補修も同時に頼める
リフォーム業者のとの違いは、小回りが効く点にもあります。ペットによる壁紙損傷などもフローリングの修復と同時に承ることが可能です。
建具や建材を交換しないで修復するので、必要な部材や工具があれば家中のいたるところを修復できます。
例えば、猫が引っ掻いたテーブル脚や犬が噛んだ柱の傷などの木製品から電話機やテレビの枠などのプラスチック製品もリペアで修復できます。
ペットによる損壊に限らず、買い換えようか迷っていたり、思い入れのある物の修復で悩んだりしていたら、まずは相談すると解決の糸口になる可能性が広がります。
リペア費用の相場
リペア業者の相場は、1箇所の修復につき1万~2万(技術料)が相場です。この相場は、技術料ですので別途に出張料や新規の材料費がかかる場合がありますし、補修箇所の広さや難易度によって価格が上がるため見積りをとるように心がけてください。
当サイトでは、修理1箇所につき1万3000円から承っています。また、時間内であればどのような修復でも承るサービスもありますので、複数の修復で悩んでいる方はご相談ください。
ペットによるフローリングのダメージ防止策
ペットがフローリングに傷をつけるなどのダメージを与えなければ修復する必要はありません。
また、せっかく修復しても犬や猫を始めとするペットが同じダメージをフローリングに与えれば、費用や時間がまったく無意味なものになります。
そこで、必要なのがペットによるフローリングダメージの防止策です。
ここでは、最新のフローリングへの傷防止グッズを紹介します。
フローリングワックスを施す
ペットが走り回ってもフローリングに傷がつきにくくなって、ペットも滑りにくくなるコーティング剤とワイパーのセットです。
立ったまま簡単にワックスが塗布できる使いやすさも嬉しいポイントです。
フローリングの塗膜によっては使えないので、購入前に必ずチェックしてください。
カーペット・タイルマット・保護シートを敷く
カーペットや保護シート・タイルマットをフローリングに敷くと傷や尿からフローリングを守ることができます。
中でも洗えるタイルマットが便利ですので紹介します。
吸着力に優れ、裏面の凹凸を利用して真空状態を利用し貼りつくタイプです。厚みがあるので防音効果もあり、フローリングに直接爪が当たることもありません。
消臭・防臭・抗菌・防炎効果もあって、爪がひっかかりにくいのでペットの足音もしなくなります。
汚れても、汚れたタイルだけ剥がして洗濯すればよいので、カーペットよりも便利です。もし、オシッコされてもすぐに剥がしてフローリングを掃除すれば尿シミも防げます。また、オシッコを洗い流して洗濯すれば再使用できるので経済的です。
ペット用靴下を履かせる
フローリングを守る方法の中で、最も経済的なのがペットに靴下を履かせる方法です。
画像の靴下は、保温効果もあるので秋冬におすすめですが、底にシリコンが貼ってあるので柔らかい無垢のフローリングでも爪で傷をつけることがなくなります。
また、犬の肉球を乾燥やヒビから守るので、犬にとっても嬉しいグッズです。
汚れたら洗濯機で洗えて、何度でも繰り返し使えますのでさらに経済的です。
オシッコの躾を徹底する
フローリングにとって傷よりも深刻なダメージは尿シミです。保護シートなどで守ることも可能ですが、躾を徹底することが最も重要です。
屋内でトイレの躾をしているなら、トイレのサイズにも注意しましょう。サイズが適していないとトイレからはみ出る可能性があがります。
屋外でトイレの躾をする人は、屋内で失敗したときに徹底して臭いを消しましょう。同時にしっかり注意を与えることも重要です。
犬や猫などのペットはもともときれい好きです。そのことを理解して部屋を清潔に保つことも躾に役立ちます。
ペットによるフローリングのダメージはDIYよりリペアに相談
ペットとの暮らしには充実感があったり、癒やされたりします。犬は、全ての動物の中で唯一人間と喜びを共有できる動物ですし、猫も太古の昔から人間に寄り添って生きてきました。
その犬や猫も屋内飼育が当然の世の中です。当然、オシッコや排便・爪とぎなどの問題が起こります。
フローリングの傷やダメージも初期ならDIYでこまめに修復できても、状態が酷くなればリペア業者に相談したほうが改善されることが多いでしょう。
なぜならプロのリペア業者はプロの技術で修復し、状態によってはプロの目線で再発防止策も提案してくれる可能性があります。
大掛かりなリフォームになる前にペットによるフローリングの悩みは早めに相談することをおすすめします。
参考までに弊サイトのフローリング修復事例も御覧ください。
フローリング修復事例
https://teigakurepair.com/flooringjirei