フローリングを張替えるとなると、すぐにリフォーム業者を連想する人が多いかもしれませんが実は他にもより経済的な方法があります。
まず、自分でDIYして張替える方法があります。
そして、リペア業者に依頼する方法です。
今回は、フローリングの張替えについて検証していきましょう。本当にリフォームが適しているのか、DIYする場合はどの程度の労力や技術が必要なのか、そしてリペアでどこまでフローリングを修復できるのかなどです。
家の基盤となるフローリングを快適にすることで、暮らしが豊かになるのではないでしょうか。その一助となるよう記事を進めていきます。
フローリングの張替え時期の目安とは
毎日掃除して年に数回ワックスがけしていても、フローリングは生活動線を中心に経年劣化していきます。フローリングがきしんだり、床が沈んだりしてきたらフローリングの張替えのサインです。
フローリングの寿命は、フローリン材や使用場所によって大きく異なります。水回りなど湿気が溜まりやすい場所で木質フローリングを使っていたら、特殊な加工を施していないかぎり寿命は短いです。
寝室などで風通しの良い部屋で広葉樹の無垢のフローリング材を使用していたら一生モノと言っても過言ではないくらい寿命は長くなります。
このように、使用する場所やフローリング材によってフローリングの張替え時期は大きく異なります。ここでは、フローリング材によって違う張替え時期を解説します。
合板の場合
フローリングとして最も多く使用されているのが合板です。合板は、表面に突板という無垢材を薄くスライスした板を貼った突板合板と印刷したシートを貼ったシート合版の2種類が知られています。
フローリングの使用場所に応じて、表面に貼ってあるものを選ぶと良い結果を得ることができるでしょう。
例えば、リビングで使用する合板なら高級感があって木目が美しい天然木の突板合板を選ぶと落ち着いたリビングになります。
また、キッチンには樹脂シートが貼り付けられているシート合板を選ぶと耐水性を発揮してフローリングの腐食を防ぐことが可能です。
合板フローリングの張替え時期は、一般的に新築してから15~20年と言われています。変形しにくい合板フローリングですが、調湿効果を繰り返すことが作用して芯にダメージが蓄積され、経年とともに軋んだりふかふかになったりしていきます。また、生活動線の中で頻繁に人が行き来する場所も傷みが早いです。
部屋全体のフローリングが傷んでいたらリフォームを傷みの激しい部分だけを張替えるならリペア業者に依頼すると良いでしょう。
DIYの自身がある方は、チャレンジして見るのも良いかもしれません。
クッションフロアの耐久年数
水回りに用いられることが多いのがクッションフロアです。コンクリートの床に直接クッションフロアを貼り付ける直床工法ですので、張替える場合は一度に全てのシートを張替える必要があります。
クッションフロアの耐用年数は10年から15年とされています。家具を引きずって傷をつけたりペットが引っ掻いたりなど直接的なダメージがなければ相応に長持ちします。張替える際は、多種多様なプリントがありますので、楽しんで選ぶことができます。
ちなみに賃貸住宅で原状復帰する場合は、経年で価値が下がりますので、クッションフロアの場合は6年以上なら1円程度の価値になります。貸主から法外な金額を請求されることがないように頭の隅にでも入れておきましょう。
無垢材なら1000年?
フローリング材の中でも最も長持ちするのが無垢材です。無垢材は、一本の木から切り出されて加工したフローリング材です。広葉樹と針葉樹によって違いはありますが、一般的に木の寿命は1000年まで強度が上がり、以降徐々に強度が下がるとされています。
では、フローリング材に加工された木材でも1000年の耐久年数があるのかというと、そうではありません。使う木によっても違いますし、使用する場所によっても異なります。
キッチンや洗面所などの水回りに使用されている場合は、調湿を繰り返すことにより耐久性が落ちやすくなります。また、リビングの入口や重い家具の下のフローリング材は、荷重や摩耗によって傷みが早くなります。
しかし、手入れを怠らなければ、長持ちすることに変わりはありませんので、無垢材が経年により自然と深みを増していくさまを楽しむことができます。
DIY・自分でフローリングを張替える方法とは
この記事をお読みの方はフローリングの張替えをDIYでと考えている人も多いでしょう。よほどのダメージでなければフローリングをリフォームするという選択肢はないはずです。
DIYブームで新しいグッズがドンドン開発されています。その中には、簡単にフローリングを張替える方法もありますので、ベーシックな張替えから最新のフローリング材まで紹介します。
持ち家ならチャレンジしても
フローリングの張替えに限らず、DIYするなら持ち家でチャレンジしましょう。賃貸の場合は、必ず貸主の許可が必要ですし、仮に許可がおりても失敗すれば多額の費用を請求されるおそれがあります。
持ち家ならDIYのミスも生活に支障がないかぎり許されます。後で、笑い話に変わることもあるかもしれません。
マンションは賃貸と分譲でかなり違う
マンションは、分譲マンションと賃貸マンションに分かれます。少数ですが分譲マンションの賃貸しもあります。
マンションのフローリングは、裏面にクッションが貼っていて、防振性の高い防振フローリングやクッションフロアが主流です。
フローリングを張替える場合は、賃貸や分譲の賃貸しなら貸主の許可が必要です。分譲と共通しているのは、隣や上下に住む住民に迷惑がかからないように工事することと工事前の挨拶が必要です。
その他にも、マンションによって管理組合の規則が異なりますので、先に確認してからフローリングの張替えを計画しましょう。
張替え時に共用部分を使用する場合も注意が必要です。階段や通路などはマンションの共用部分です。勝手に使用できないことがほとんどです。ちなみにバルコニーなども共用部分になっていて毎月使用料を払っている場合が多いです。
いずれにしても集合住宅でのフローリングの張替えには細心の注意を払いましょう。
DIYでフローリングを張り替える手順
DIYでフローリングを張替える方法は1つではありません。通常の張替えや重ね張り、そして最新DIYグッズを使った重ね張りなどもあります。まず、基本的なフローリングの張替え手順を説明し、DIYに適した難易度が低い重ね張りなどを紹介します。
基本的なフローリング張替えの手順
最も一般的な根太工法によるフローリングの張替え手順を解説します。
- フローリング材を用意します。現在のフローリングと厚みが同じものを用意しましょう。無塗装の無垢材から高機能な塗装を施した合板など種類が豊富なので、その部屋にあったものを選びます。
- 部屋の周囲の巾木などを養生します。
- 根太からフローリングを剥がしていきます。根太に接着されているか釘が打ち込まれているので、ノミなどをコテにして剥がすと剥がしやすいです。
- すべて剥がし終わったらキレイに掃除しましょう。根太に傷みなどないか確認もしておきます。
- 新しいフローリング材をはめていきます。
部屋の端から順にフローリング材をはめ込んでいきます。この時にサネ同士をしっかりはめ込むために当て木をしてハンマーで側面を打つようにするとはめ込みやすくなります。
フローリング材によっては、接着剤や釘が不要のものもありますので、できるだけ再施工しやすいフローリング材を選ぶと良いでしょう。
実際にフローリングを張替えるとなると、この手順のように簡単にはいかないことが多々出てきます。無理だと思ったら躊躇することなくプロに依頼しましょう。それが作業途中であってもプロなら難なく解決してくれます。
重ね張りの場合
重ね張りとは、既存のフローリングを剥がすことなく、その上にフローリングを貼り付ける方法です。DIYでは最も採用されている方法ですが、フローリング材に厚みがあると段差ができるので注意が必要です。
近年の重ね張り用のフローリング材では、3mmの幅があれば床暖房も可能なものも開発されていますのでよく調べて選びましょう。
しかし、すでにバリアフリー化している住宅では、その3mmでも段差になる場合がありますので、その場合のフローリング張替えは重ね張りではなく通常の張替えとなります。
フロアタイルで重ね張りという方法もあり
ここからの2つは最新のフローリング材を利用した張替えです。まずはフロアタイルによる重ね張りです。
フロアタイルは、厚さが1.5mm程度ですので段差が気にならない仕上げになっています。しかも、プリントなのでリアルな木目から大理石調のものまで多種多様にラインナップされているので、自分の好みに合ったフローリングの柄を選ぶことができます。
ただし、このような貼るタイプのものは賃貸では使用できません。
賃貸で利用したい場合には、「貼るタイプ」ではなく「敷くタイプ」のフローリングタイルを使用してください。
フローリングを守る効果もあるので、入居前に予め敷いておけば、退去時にフロアタイルを外すだけで済みます。
もちろん、フローリングがダメージを受けることがないので、原状復帰で貸主からフローリングの張替えにかかる費用を請求されることもありません。
持ち家や分譲マンションであっても転ばぬ先の杖として活躍してくれるDIYグッズです。
イノヴァーフロアで張替える
段差が気にならない洋室の重ね張りや和室をフローリングにするなら、はめ込むだけで簡単に張替えが可能なイノヴァーフロアがおすすめです。
衝撃や摩擦に強くワックスがけも要らないのでお手入れが簡単です。
釘や接着剤を使わない重ね張りなので賃貸住宅でも使用可能。退去時に取り外せば良いだけです。施工しておけば、入居中に既存のフローリングを傷めることもないので原状復帰の必要もなく安心して暮らせます。
リフォームで張替える場合の費用相場と工期
根太や捨て貼り、下地まで損傷を受けている場合はリフォームとなります。特にシロアリ被害など出ていれば躊躇している暇はありません。すぐにでも被害が拡散しないように手を打たなければなりません。
近年では、建材の加工技術の向上や建築技術の向上で、よほど悪列な環境でない限りシロアリ被害の事例を聞かなくなりました。テレビのCMでも一時期は旺盛に流していましたが、ほとんど見なくなりましたし、よく走っていたシロアリ駆除業者の車も最近では見たこともありません。
ともあれフローリングの張替えをリフォーム業者に依頼するとなると対象の部屋のフローリングを全て張替えることになります。
部分張り替えを依頼しても
- 既存のフローリングの完全再現は難しい
- 交換した部分があとから浮いてくる可能性がある
- 仕上がりにこだわるなら、全面張り替えをするほうがおすすめ
などと理由をつけて全面張替えを勧めてきます。これは、部分張り替えの技術を持っていない証拠で、仮に部分張り替えしても施工不良をおこす技術しか持っていないということです。
部分張替えならリフォーム業者に依頼しても無駄という可能性が高いです。全面張り替えは、傷んでいないフローリング材も張替えますので、建材費が嵩み張替える部分が多いので工期も長くなりがちです。
工法によって費用は激変
フローリングの全面張り替えは、工法によって費用が激変します。フローリングの工法は大きくわけて2つあります。
・張替え工法…既存フローリングを全て外して新しいフローリング材に張り替える。
・重ね張り工法…既存フローリングの上から新しいフローリング材を張る
です。
一般的に重ね張り工法よりも、張替え工法の方が高くなります。8畳であれば張替え工法が10~20万円程、重ね貼り工法で8~18万円程です。
根太部分や直床のコンクリートまで傷みがあるようなら、フローリングの張替えだけでなく土台からのリフォームとなりますので、その分が上積みされます。
床下の工法の種類は主に4つあります。
・根太工法…根太→床材
・捨て張り工法…根太→捨て貼り合板→床材
・直床工法…コンクリート下地→モルタル→緩衝材→床材
・二重床工法…コンクリート下地→支持脚→木質ボード→合板→床材
です。
戸建ての場合は、根太工法か捨て張り工法です。
マンションの場合は、直張り工法か二重床工法です。
根太(床板に直角に配した水平材)や大引き(根太を支える部材)などの木材を補修しなければならないケースでは大掛かりな工事が必要となり費用は高くなってしまいます。
広さと材質による価格相場を解説
フローリングの張替えは、広さとフローリング材によっても大きく価格が変わってきます。合板系と無垢材では無垢材が高くなります。無垢材の中でも針葉樹と広葉樹では広葉樹のほうが高額になります。特に世界三大銘木と呼ばれるような堅木はとても高価です。
ここでは、一般的な合板フローリングと杉(無塗装)の無垢材を使った場合の相場をお伝えします。張替え工法と重ね張り工法で全面張替えです。
合板フローリング(単位:万円)
4.5畳 | 6畳 | 8畳 | |
張替え工法 | 12~13.5 | 14~16.5 | 18~21 |
重ね張り工法 | 8.5~10 | 10~12.5 | 13~15 |
杉の無垢フローリング(単位:万円)
4.5畳 | 6畳 | 8畳 | |
張替え工法 | 13~15 | 15~18 | 18~23 |
重ね張り工法 | 9~12 | 12~14 | 14~17 |
無塗装の無垢材はおすすめできませんが、塗装によってかなり価格が違うため、あえて無塗装のもので相場を解説しています。
リペアでできるフローリングの張替え
リペア業者でもフローリングの張替えは可能です。DIYで簡単にできるフロアタイルや重ね張りを依頼してももったいないので、一部張り替えをする場合にリペア業者を選びましょう。
リペアなら一部張替えが可能!
リフォーム業者には難しい一部張り替えもリペア業者なら何の問題もなく行ってくれて、難しいとされる既存のフローリングとのギャップ埋めを行い、どこを部分的に張替えたかがわからない程に再現することができます。
同じフローリング材がなくても調色する技術があるリペア業者であれば、既存のフローリングと同じように仕上げることが可能です。
リフォーム業者の場合なら特注のフローリング材だったり、今ではほとんど見られないタイル状のフローリングだったりすれば全面張替えとなるところです。
同じフローリング材がなくても部張り替えが可能だということと、フローリングの凹みや傷・剥がれも経済的に修復できるということを、ぜひ覚えておいてください。きっと思った以上の仕上がりを叶えることが可能です。
参考までにフローリングのへこみなどの記事を掲載していますのでご一読ください。
フローリングのへこみ・えぐれ・凸凹を補修!方法や業者価格を解説
https://teigakurepair.com/the-dents-of-the-flooring-and-the
研磨塗装で生まれ変わるフローリング
画像は冷蔵庫から水分が漏れて黒カビが生えて変色しているフローリングをリペアで復元したものです。
リペアはあらゆる技術を用いて復元するのですが、この場合は一部張替えに加えて、凹みの補修や研磨塗装を用いています。
研磨塗装とは、塗装前に建材を研磨し木地調整を行います。研磨することによってむらなくキレイに塗装ができるのです。周りのフローリングとの調色の際にも重要な下準備となります。この技術があるからこそリペア業者はフローリングの一部張替えが可能なのです。
リペアなら巾木も張替えられる
フローリングの周囲にあるのが巾木です。傷や凹みなどなら簡単にリペアできます。深いダメージや変色などでどうしても張替えたいということならリペア職人にお任せください。
巾木なので全てを交換する必要はないはずです。一枚だけ交換することも可能なので安心して相談してください。
フローリング同様に張替えて、既存の巾木を再現しますので違和感などありません。
引越し前にリペアで修復する際の注意事項
賃貸物件から引越しする前に、原状復帰を逃れるためにリペア業者に依頼する際は、リスクを伴う可能性があることを考慮して判断してください。
まず、修復したことが全くわからないレベルのリペア職人を探す必要があります。補修したことが判らなければ、原状復帰の代金を請求されることはありません。
ただし、多くの場合、フローリングを含めた建具を補修する際は貸主の合意が必要という契約になっています。そして、貸主が合意することは稀なことです。
賃貸の場合、フローリングの張替えなら一部張替えではなくリフォームで全面張替えを貸主側は選択します。理由は、次の入居者を早く決まるためとその入居者に快適な暮らしを提供し家賃を下げさせないためです。
借り主としては、理不尽に思われるケースがあるかも知れませんが、賃貸契約内容を事前によく確認し、トラブルにならないように賢明な判断が必要です。
リペアの費用相場と所要時間
リペア業者の費用は簡単明瞭です。傷や凹みなどの損傷1箇所につき技術料1万~2万です。修復の難易度によって技術料は変化します。それに、出張料と新規で必要となった補修剤が請求されます。
当サイトでは1箇所の補修技術料は13000円~(損傷状態により変動)ですが、
他にも【定額制リペア】というサービスがあり、時間内ならどのような損傷でも同一価格で修復しますので、価格が膨れ上がることはなく安心して依頼できます。
フローリングの一部張替えの際でも、その状態によって1箇所単体補修か、定額制で他の損傷と併せて補修か、どちらが経済的に行っていただけるか見積りを出させていただきます。
リペアの作業時間は、基本的に当日内です。リフォームのように何日もかかることはありません。時間単位で作業が終わるので、日程の都合もつけやすくなっています。
フローリングの張替えは慎重に
フローリングの張替えは、下調べして計画的に行いましょう。
特に張り替えを検討される際には、全面張り替える方が良いのか、リペアで部分張替えが良いのか、慎重に判断してください。傷んでいないフローリング材まで張替えてゴミにしてしまうのは、よほどのことがない限り避けるべきではないでしょうか。土台部分に損傷がなければ、一部張替えまでで済むようにプロに相談することをおすすめします。
安易に全面張替えを提案してくるようなサイトや業者には注意が必要です。ご自宅のフローリングの状況も判らずに高額でリフォームを勧めるようならハッキリと断っておくことが賢明です。