煙草の火などでフローリングを焦がしてしまった場合は、まずは火が残っていないか確認しましょう。ほとんどのフローリングは木材ですので火種が残っていては大変です。
次に、焦がしてしまったフローリングの補修ですが、火事レベルでない限りDIYかリペア業者に依頼することになります。後にも述べますが焦げ跡の放置は危険です。
今回は、フローリングの焦げの補修について、DIYの方法からリペア業者に依頼する場合や費用まで詳細に解説します。
ぜひ最後までお付き合いいただいて、出費を抑えた焦げの修理を実現しましょう。
フローリングの焦げを放置してはいけない!
フローリングの焦げを放置していないでしょうか。センターラグやカーペットなら買いかえれば済む問題ですが、フローリングが焦げたとなると補修方法や補修金額を判らない方が多いので、ついつい放置してしまっているとの声を聞くことがあります。
しかし、フローリングの焦げを放置してはいけません。理由は、焦げによる損傷範囲が広がるだけでなく、危険性を伴うからです。
焦げを放置すると症状は知らないうちに悪化していきます。焦げた個所は強度が低くなっているので、固いものが当たって焦げた部分が崩れる恐れがあります。崩れた箇所が、ささくれなどの状態になれば小さな子供やペットが怪我をする可能性が高くなります。
また、美観が悪くなるので、来客などがあった時に恥ずかしい思いをしてしまうかも知れません。
フローリングの焦げを放置して得することは何もありませんので、早急に補修することをお勧めします。
フローリングが焦げる理由
フローリングが焦げるにも理由があります。例をあげると、アロマキャンドルを使っていて、アロマ効果でうたた寝してしまった。そして、気付いたらキャンドルが倒れていてフローリングに大きな焦げを作ってしまったという事例がありました。
別の例では、勉強中にお香をたいていていつの間にかお香がフローリングに落ちて焦げ付いてしまったという事例もあります。
この二つの事例は少数派です。ここでは、フローリングに焦げをつくる原因のナンバーワンとナンバーツーについて解説します。
ナンバーワンはタバコ
フローリングを焦がす最も多い理由はタバコの不始末です。火事の原因にもなっています。寝タバコや飲酒中などくつろいでいる時のタバコほど焦げの原因となることが多いのです。
なぜなら、タバコを吸う理由の1位が「リラックスしたい」からです。タバコを吸ってリラックスできれば、タバコを吸う効果があるのかもしれません。しかし、フローリングに落としてしまって気付かなかったら焦げになりますし、最悪の事態を招くおそれもあります。喫煙される方はくれぐれもご用心なさってください。
次点はアイロン
画像は、昔のアイロンです。昔は、中に炭や木炭を入れてアイロンがけしていたようです。つまり、現在のアイロンであってもそれに近い温度が必要だということです。
具体的に、一般的な家電メーカーのアイロンは、低温で80度、中温で160度、高温で200度程度に設定されています。
フローリングの焦げを作ってしまう原因の2位がこのアイロンです。アイロンの温度が
160度から200度となると天ぷらも上がる高温です。お肉も焼ける温度なので、フローリングにうっかり置いてしまっては、塗膜が焼かれて焦げになります。
塗膜がない無塗装やオイルフィニッシュのフローリングでは、アイロンをフローリングに置いてしまった場合、一気に水分が飛んでしまってフローリング材そのものが焦げになります。
うっかりミスがあってもフローリングが焦げないように高温対応のフローリングマットやシートなどを利用してからアイロンがけを行うように心がければ安心です。
フローリングの焦げ跡をDIYで補修する方法
どのような理由であってもフローリングに焦げがついてしまった場合は、補修しなければなりません。その場合の手段は2つで、自分で直すか、プロに依頼するかのどちらかになります。
あまりにも深い焦げや広い範囲の焦げ、そしてDIYに慣れていない方はプロに依頼するほうが賢明です。
DIY慣れしている方やチャレンジ精神旺盛な方、そして、時間をたっぷり使える方はフローリングの焦げも自分で直せるかもしれません。
ここでは、DIY初心者でも焦げの修理ができるように最新のグッズを使った補修方法を解説します。
解説するフローリング材は、無垢材か突板合板の場合です。クッションフロアやシート合板は焦げるというより表面が溶けているので補修は基本的に不可能です。それでもDIYする場合は、張替えや部分張り替えになります。
しかし、プロのリペア業者なら素材を問わずに補修し、焦げ跡が判らないぐらいの仕上がりを実現します。また、部分張り替えも問題なく施工し張替え箇所が判らないレベルまで施工しますので安心して任せることができます。
小さな焦げはサンドペーパーとマニキュア
比較的に小さな焦げでしたら、サンドペーパーと住まいのマニキュアで補修可能です。小さな焦げとは、例を挙げるとお香でつけてしまった焦げなどです。
手順の説明
- サンドペーパーで焦げを削る
- フローリングの色に合ったマニキュアを選択
- マニキュアで色付けする
- 乾燥したら重ね塗りする
サンドペーパーは240番程度がおすすめです。サンドペーパーで削るときに焦げ跡を広げないことが綺麗に補修するコツなので、丁寧に削ってください。
マニキュアが乾燥すれば色が薄くなることがあります。しかし、何度か重ね塗りして調色すれば焦げ跡はほとんど目立たなくなります。
仕上げに全体をワックスがけすれば、補修した箇所がさらに見立たなくなり、プロ並みの仕上がりも目指せます。
中ぐらいの焦げはサンドペーパーとクレヨン
タバコなどの焦げで、この画像のクレヨンの半分程度のならサンドペーパーと補修セットのクレヨンで補修可能です。
手順の説明
- サンドペーパー(240番程度)で焦げを綺麗におとす
- フローリングの色にあったクレヨンを焦げ跡に塗り込む
- 乾いた布やペーパータオルで拭き取る
焦げを落とした跡をよく見て深さがあれば、パテのほうが良いので次に説明する「大きく焦げた・・・」を参照してパテを埋め込んで調色してください。
大きく焦げた場合は彫刻刀とパテ
大きく焦げたと言ってもDIYですので、アイロンのような焦げではありません。タバコ1本分程度なら彫刻刀とこのウッドパテで補修可能です。もし、アイロンで焦げを作ってしまった場合は躊躇することなくプロに依頼しましょう。
手順の説明
- 彫刻刀で焦げ分を焦らず彫る
- 仕上げにサンドペーパーをかけるとなお良い
- 補修部分に少し盛る程度までパテを埋め込む
- 硬化したらサンドペーパーをかけて平坦にする
- 着色するとより綺麗に仕上がる
予め色を合わせて購入しましょう。予算があれば、補修ペンを同時に購入し着色すると焦げのあった場所も判らない程度にまで仕上げることが可能です。
賃貸住宅でのDIYは要注意
賃貸住宅では、DIYだけではなくあらゆる補修に注意が必要です。安易にDIYしたり、プロに頼んだりしたら後にトラブルを引き込むことにつながる恐れがあります。
一例です。
ちょっとした不注意でフローリング小さな焦げ跡を作ってしまいました。小さな焦げなのでDIYしても大丈夫だろうと思いDIYしました。2年後に退居。その後に検査にきた管理会社がDIYの跡を発見します。相手はプロなので些細な違和感も見逃しません。結局、フローリングのリフォームとなり約20万円の請求がきたという事例があります。
負の連鎖といって良い事例ですが、貸主に無断でDIYした結果です。小さな焦げを削っていて着色もしているので貸主はフローリングの張替えを決定します。
小さな焦げが発端ですが、貸主としては早く次の入居者が決まるように綺麗にしたいと考えます。そして、その入居者が快適に暮らせるようにすることも勘案しますと張替えとなるのは普通のことです。
フローリングの張替えは、リフォーム業者が行い、貸主が手数料などを上乗せするので通常の補修よりも高額になりがちです。借り主は、勝手にDIYしてしまっているので反論の余地がありません。
まずは賃貸契約内容を確認しましょう
貸主と借主の間には必ず賃貸契約があります。先程説明した事例では借り主が契約内容を理解していなかったことや契約書を軽視したことが要因です。
ほとんどの賃貸契約において、借り主は退去時に原状復帰の義務が生じます。また、入居中に補修などを行う際には貸主の許可が必要となっています。
賃貸住宅に住んでいて、この記事などを読んだ後にDIYを考えている方は、まず契約書を確認しましょう。そして、契約内容に添って行動することが大事だと認識してください。
プロに依頼する場合もリスクを理解しておきましょう
フローリングの焦げの補修をプロに依頼する場合であってもリスクがあることも知っておく必要があります。
高額になりがちなリフォーム費用を抑えるために優秀なリペア職人を見つけて、貸主に無断で退去前に補修しようと考える方も少なくはありません。
確かに補修したことが判らないならば、貸し主がリフォームを選択することはありません。しかし、その行為自体がリスクを負う可能性がある事を認識しなければなりません。
火事レベルならリフォームへ
フローリングの焦げであっても火事レベルであれば、リフォームを選択するしか余地がありません。
一部張替えで済む程度であれば、リペア業者に依頼する方が経済的です。なぜなら、リフォーム業者は基本的に一部張替え後の調色などは行いませんので全面張替えになるからです。リペア業者であれば、一部張り替え後に調色し、周囲と同調させることは難しくありません。
フローリングの全面張り替えリフォームについては、多額の費用を準備しなければなりません。参考までに張替えリフォームの価格相場を示しておきます。
合板フローリング
4.5畳 | 6畳 | 8畳 | |
張替え工法 | 12~13.5万円 | 14~16.5万円 | 18~21万円 |
重ね張り工法 | 8.5~10万円 | 10~12.5万円 | 13~15万円 |
杉の無垢フローリング
4.5畳 | 6畳 | 8畳 | |
張替え工法 | 13~15万円 | 15~18万円 | 18~23万円 |
重ね張り工法 | 9~12万円 | 12~14万円 | 14~17万円 |
当サイトでもフローリングの張替えに詳しく解説しておりますのでご参照ください。
「フローリングを自分で張替える?時期や工期・費用も徹底解説」
https://teigakurepair.com/change-flooring-by-yourself
フローリングの焦げを補修するプロのリペア方法
自分では直すことができないフローリングの焦げやフローリングの部分的な張替えであればリペア業者が役に立ちます。
画像は、フローリングに角の尖った重いものを落としてしまって大きく抉れた状態をリペしたものです。補修箇所が全くわからないように修復する技術をもっている職人がリペア職人なのです。
リペア業者とは?
リペアとは修復という意味です。リペア業者は修復屋さんです。リペア業者は、あらゆる素材を扱い、家の中から戸外までほとんどの建具や家電、家具などについたダメージを修復できる技を持ち合わせています。
リフォームの場合であればフローリングの修復は全面張替えになり、金額も高く、日数もかかります。
リペア業者ならフローリングの焦げ程度であれば、ピンポイントのリペアで終わらせるため非常に安価で済み、ほとんど場合、当日中に作業を完了します。簡単に言えば、リペアであれば安価&時短で修復が可能ということです。
ただし、フローリングの全面張り替えなどはリペアの範疇ではありませんので、基本的に承っているリペア業者はほとんどありません。餅は餅屋、リペアはリペア業者ということです。
リペアなら焦げ跡さえも消す
今回の主題であるフローリングの焦げですが、リペア業者の技術を以てすれば痕跡さえ残さずに修復することが可能です。修復にかかる時間も画像のようなタバコ1本程度の大きさであれば 2時間程でほとんど終了します。
もし、画像のようなダメージを DIYで補修するなら、サンドペーパーをかけてから、パテを埋め込み乾燥後に何度も何度も着色します。その後、塗装して乾燥させた後に周囲と同化させるまで磨き込まなければなりません。
それでも成功すれば良いですが、失敗してダメージを広げる可能性もあります。また、休日を一日返上させる以上の時間が必要となりますので相応の覚悟が必要です。
慣れないDIYで休日返上が徒労に終わるなら、最初からプロのリペア業者に依頼する方が賢明な判断です。
リペアの修理費用相場
リペア業者の価格相場は、修理1個所につき技術料が 1万円~2万円程度です。技術料のほかには、出張費や新たに必要となった補修材などが、別途請求されます。
また、当サイトが行っている定額制リペアでは、時間内であれば焦げのリペアだけでなくフローリングのへこみや傷などもリペアすることが可能です。フローリングに限らず、家の中や戸外にあるものであれば建具であっても家具であってもリペアできますので気軽にご相談ください。
なお、弊サイトの技術料は1万3000円から承っております。
優良なリペア業者を賢く選んで焦げ跡を消す
リペア業者に何度も依頼したことがあるという方は少ないでしょう。リペア業者に依頼することが初めてという方のほうが多いかも知れません。
そこで、最後に優良なリペア業者の見抜くポイントを解説します。
①実績がある業者であるか
②適正価格の見積もりがでているか
➂自宅から離れすぎていないか
④プロ目線の提案があるか
⑤保証体制が整っているか
この5項目に適したリペア業者であれば、概ね優良な業者だといえます。
詳しく解説すると、
①は、ホームページやSNSをチェックすれば施工事例などが紹介されていますのでそれらをチェックしましょう。
②では、安すぎる見積もりに注意が必要です。安い=技術力がない&経験不足の可能性が高いと判断できます。
③は、出張料を請求されますのであまり遠距離だと代金が嵩みます。
④は、見積もり中や見積もり後に、プロならではの提案があればさらに安心してリペアを任せることができます。
⑤は、アフタフォローや再修理の体制です。安価な見積もりをあげてくる業者ほど、この部分の体制が整っていません。
リペア後にミスを発見してクレームを入れても「後で電話します」や「日程の都合がつかないので別の職人を行かせます」など逃げともとれる返事がくる可能性もあります。
保証体制が不明であれば、見積もりから施工の間に必ず、アフタフォローについての確認をしっかりしておきましょう。
フローリングの焦げは、優良なリペア職人を選んで速やかに綺麗に修復しましょう。家の中の安全を守る秘訣は足元からです。毎日踏みしめるフローリングの状態が最適であれば安心して暮らせる重要な土台になります。