「家具を壁にぶつけて傷を付けてしまった」
「ペットが壁にひっかき傷を付けた…」
こんなことは日常でよくあることですが、そのときに付けた壁クロスの傷はどうしていますか?
補修もしないで、そのままにしている人も多いかと思います。
壁クロスは小さい傷なら、自分で修復することも可能です。
ここでは、自分でできる壁クロスの傷の補修方法や隠し方とともに、リペア業者に依頼するという選択肢があることをご紹介します。
壁クロス(壁紙)の傷は小さなうちに補修しよう!
壁クロスの傷は、できるだけ小さいうちに補修することをおすすめします。
放置しておくと、やはり部屋の印象が悪くなり、また、小さな子供がいる家庭では、いたずらでクロスの破れを広げてしまうこともあるでしょう。
壁の傷を付けてしまったときはできるだけ早く補修する方が、より簡単で安価に修復すことができます。
また、賃貸住宅の場合はうっかり付けてしまったクロスの傷や破れ、釘穴やネジ穴なども原状回復義務が発生するため、特に注意が必要です。
放置したままで退去することになると、補修費用が借主負担となり、敷金から差し引かれることになります。
そんな場合は小さな傷でも一面分の張り替え費用となるため、思わぬ高額な修理費を差し引かれてしまうことがあります。
ひっかき傷・小さな傷は補修キットを使って簡単修復!
壁クロスに付いた傷が小さい場合は市販の補修キットを使用して自分でも簡単に補修可能です。傷のタイプによっていくつかの補修キットとその使用方法や手順、注意点などを紹介していきます。
ペットの引っかき傷は「クロス転写シール」で簡単に隠す!
ペットがカリカリしたクロスの引っかき傷には、擦って剥がすだけの簡単作業でできる「クロス転写シール ニャンパッチ」を使用して補修しましょう。
①補修するクロスの傷部分のささくれや細かい捲れを除去し、布で拭いて汚れや水分を取り除く(ささくれが多い場合はクロス専用のり(別売り)で固めておく)。
②傷の周囲が1cm程度隠れるように「ニャンパッチ」を切り、傷に当てる。
➂傷に当てた「ニャンパッチ」の上から付属のヘラを使用してなぞるように擦って転写させる。
④転写された「ニャンパッチ」を押さえ、クロスとよく密着させると完成(上から着色も可能)。
※注意:布製のクロスや水分・油分・汚れが付着している場合は転写できません。
表面の破れは「クロスの型取りキット」を使用!
凹凸のあるクロスに傷を付けて破れてしまった場合は、パテと型取り材がセットになった「クロスの型取りキット」を使用して補修しましょう。
①破れた箇所の凹凸とよく似た部分を探す。
②紙コップなどにお湯(80度以上、沸騰したお湯でもOK)を入れて、その中に「型取り材」を入れる。
➂2分程度入れておくと、「型取り材」が青から半透明に変化し、完全に半透明になると柔らかくなる。
④箸などを使って「型取り材」を取り出し、乾いた布で水分を取る(「型取り材」は熱くなっているので火傷に注意)。
⑤「型取り材」が半透明の間に、探しておいた傷部分とよく似た凹凸箇所に押し付けて型を取る(この時均等に力が入るように平らな定規などで押さえると容易に行える)。
⑥そのまま、5分程度放置する(固まってくると青色に戻る)。
⑦完全に青色になれば、ゆっくり慎重に剥がす(失敗しても②~⑥を繰り返せばOK)。
⑧破れた部分(補修箇所)の、埃や汚れ・水分などをきれいな布で拭き取る。
⑨「クロス用のり」を付属のハケで補修箇所に塗る(薄く均等に)。
⑩「壁紙の素」を適量取り、補修箇所に指で広げる(クロスの厚みと同程度になるように。全部使用すると、2mm厚で8cm×8cm程度に広が
る)。
⑪型を付けておいた「型取り材」を、広げた「壁紙の素」に押し付けて型を付ける(壁紙の素は2~3時間で乾燥する)。
⑫補修部分が回りの色と異なる場合は、別売りの「クロスタッチ」を塗って色を付ける。
クロスのヒビや亀裂は、「クロス壁のヒビふさぎ」で補修!
地震による壁クロスのヒビや亀裂は、「クロス壁のヒビふさぎ」で補修することができます。以下は補修の手順です。
①補修箇所の汚れや油分・水分などを取り除く。石膏ボードの粉は掃除できれいに吸い取っておく。
②補修箇所の周囲にマスキングテープを貼る。
➂「ヒビふさぎ」のキャップを外しノズルの先端をカッターなどでカットする。
④ノズルを外しボトルの中栓を取って、再度ノズルを取り付ける。
⑤ヒビや亀裂部分にノズルの先端を当て、ゆっくり押しながらはみ出さないように塗り付けヒビ部分に埋める。
⑥付属の「スポンジヘラ」で埋めた部分をならし、マスキングテープを剥がす。
⑦はみ出した部分は少し水を含ませた「ふきとりスポンジ」ときれいな布などで拭き取る(乾燥後は拭き取れなくなるため注意)。
⑧色が異なる場合は別売りの「クロスタッチ」でクロスに合った色を塗る。
大きな傷や下地まで届く深い傷はリペア業者に相談しよう!
小さな傷の場合は自分で補修することもできますが、硬い家具などをぶつけてしまった場合の比較的大きな凹み傷や穴が開いた場合は、やはりプロのリペア業者に依頼することをおすすめします。
クロスの損傷だけでなく下地まで補修が必要な場合は技術的にもかなり難しく、DIYでは満足できる仕上がりにならない可能性が高いからです。
そもそもリペア業者ってどんなことをする業者?
リペアとは「修理する」「修繕する」といった意味で、リペア業者とは修理・修繕の専門業者です。
リフォームは、損傷した建材を新しいものに取り替えて、新築の状態に戻すことですが、その場合は古い建材を剥がすため廃材が出ます。
当然ながら、廃材を処分するための費用が発生し、環境にも悪影響を及ぼすことに可能性もあります。
リペアは、損傷した建材を修理・修繕するため廃材を出すこともなく、既存の建材を長く活用させることができる方法です。
リペア業者とは、住宅の床や壁・ドア・サッシなど、あらゆる住宅建材の損傷部分を新品のように修復させることができるプロです。
リペア業者に依頼するメリット
リペア業者に依頼するメリットは、第一に低コストなことです。リフォームと比較しても1/2程度の予算で修復することができます。
もちろん、DIYなら材料費だけで済むためDIYに自信のある人は自分で補修するのが最も安上がりです。
しかし、DIYは手間や時間がかかるだけでなく、失敗することも多いでしょう。それは建材に関しての知識や修復のノウハウがプロとは比較にならないためです。
その点、プロのリペア業者は住宅建材に精通した職人が手掛けるため、建材の特性を十分に把握した上で修復します。下記の画像のように、仕上がりも素人の修復とは全く違ったものです。
また、部分的な傷がなければまだまだ使用できる建材を新しいものに取り換えるのは、エコロジーの観点からも大変勿体ないことです。
まとめ
壁クロスの小さな傷の補修方法をご紹介しましたが、ペットや小さい子供がいる家庭では壁に傷が付かないように防止しておくことも大切です。
特に、コーナー部分はペットが噛んだり、子供が物をぶつけたりしやすいでしょう。
市販されている、壁クロスの「コーナー保護材」を貼るなどの対策も検討してみてください。
しかし、うっかり付けてしまった大きい傷や凹み、壁の穴開けなどは、リペア業者に相談してみましょう。
相談は無料のため、予算と出された見積もりを検討してから依頼することもできます。
まずは、気軽に相談してみることをおすすめします。