ドアは家の中で使用頻度が一番高い建具です。毎日使うと知らないうちに傷がついていたり、物をぶつけてしまって傷つけたりすることがあります。
新築のときは、大事に使っていたのに、いつのまにか乱暴に扱ってしまっている。ということはありませんか?
いずれにしても一度、家のドアをよく見ていただき、小さな傷や剥がれ、ささくれなどがないか確認してみてください。
特に、玄関ドアは家の顔である為、傷や劣化があれば当然見栄えは良くありません。
今回は、ドアについた傷を自分で補修する方法や、プロに補修依頼するメリットと費用などを解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、ご自宅のドアの傷を綺麗にしてください。
ドアに傷がつく原因
ドアは、日常生活の中で、最も使用される建具です。そのドアが傷つくのには原因があり、それを理解することで修理することやドア傷の対策が行いやすくなります。どのような原因でドアに傷がつくのか解説していきましょう。
物理的な衝撃
ドアに硬い荷物をぶつけたり、猛烈な勢いでドアを閉めたりすればドアに傷がつく恐れがあります。また、子供がいたずらして傷をつける場合もあるし、バットやゴルフクラブなどをぶつけてもドアに傷がつきます。特に素材が合板の場合は、表面に傷がつくとかなり目立つ他、損傷部でケガをしてしまう事もあるので早めの修理をおすすめします。
ポスターやカレンダーなどの剥がし傷
剥がし傷は、室内ドアの場合によくあるドア傷です。ピンでポスターなどを止めていれば剥がせば穴が空いているし、テープなどで留めていれば、剥がす時にドアの表面が共に剥がれて傷になってしまいます。
犬や猫によるダメージ
ペットによるダメージで代表的なのはひっかき傷ですが、
一番補修の難易度が高いのがマーキングなどの尿による腐食や変色です。
ひっかき傷ならDIYやリペアで割安に直すことが可能ですが、ドアが腐食や変色までしたらドアを交換する必要性も生じてきます。
経年劣化
どんな頑丈なドアでも経年劣化には逆らえません。定期的にメンテナンスしていてもいつの間にかささくれができていたり、表面や表面塗装が剥がれたりする場合もあります。画像のような状態では、ドアそのものを交換する必要があるでしょう。
ドアの種類と特徴を知る
家の中で重要な建具であるドアにも種類があり、基本的には開き戸・引戸・折れ戸の3種類です。ドアの基本情報を知っていれば、現在の家のドアのリペアやリフォーム・新築を立てる際にも役立ちます。
開き戸
前後に開閉する最もポピュラーなドアです。横に小さなドアをつけて両観音開きが可能な親子ドアもあります。ハンドルを選ぶ楽しみがあるのもこの開き戸です。ハンドルは現在のドアからでも取り替えることが可能な場合も多い為、模様替えやリフォームの際は検討すると良い家づくりに役立ちます。
引き戸
左右に開閉するドアで、開き戸に比べてスペースを有効に活用できる利点があります。壁に扉を納める戸袋引き込みにすればさらに有効な空間を作ることができます。
日本では古くからこの引戸が多く使われおり、和室のほとんどは、ふすまやガラスを部材にした引戸です。間口の広さや空間の仕切り方を自在に選択できる利点も大きいので、現在では和室だけでなく洋室やリビングでも多様に用いられています。
折れ戸
開けるときに扉が折れ曲がるドアでクローゼットなどによく採用されています。
開き戸に比べると三分の一の開閉スペースなので狭いスペースでも容易に利用でき、見栄えも良いのであえて折れ戸を選択している方もいらっしゃいます。
ドアの材質と特性
多くの建具の材質は木材がメインに使用されていますが、ドアに限っては多様な建材が使われています。
ワンルームマンションの玄関ドアは、ほとんどが金属で、商店やコンビニなどはガラスが使用されているように使用する場所に合わせて最適な建材が選ばれているのもドアの特徴です。
木材(合板・無垢材)
(左:合板/右:無垢)
住宅の室内のドアに多く使われているのが木材です。建材として使われる木材は大きく分けて2種類あります。
一つ目が合板です。合板とは、薄く切った単板を奇数層に重ねて接着した建材で、安価で加工しやすく化粧板(表面の板)によって全く雰囲気が変わるのが特徴です。
一方は無垢材です。1枚の木板を使用している為、独特の深い味わいや肌触りは、他の建材では出すことができません。
また、無垢材は、経年劣化がおきにくい特性があります。木材の寿命は、構造体に使われているものを除けば、1000年以上といわれています。経年変化による風合いの変化はむしろ歓迎すべきもので、年数がたてばたつほど魅力を増していく建材でもあります。
金属
玄関や屋外に面したドアの建材に多く用いられるのが金属です。
セキュリティ面などをで安心できる建材であり、主にアルミ・銅・ステンレススチールが用いられています。表面の仕上げによってさまざまなドアになるので、趣向を凝らした金属ドアも魅力的です。
樹脂シート仕上げ
樹脂シートとはフローリングなどにも使われるシートで、合板や集成材などを下地にして樹脂シートを貼り付けたドアです。
樹脂シートは木目だけでなく、さまざまな模様やイラストなどもプリントできるので、豊富なデザインが特徴です。表面に防水加工や防カビ加工を施しているシートも多いのでメンテナンスが容易であることもメリットの一つです。
ガラス
ガラスの特性は光を取り入れ室内を明るく開放的な空間にできることです。
木材と組み合わたり金属と組み合わせたりすることも可能なのでデザインも幅が広がるメリットがあります。ガラスは割れると人を傷つけることもあるので割れにくくて割れても飛び散らない加工がしてあるものや強化ガラスを採用すると良いでしょう。
現在、家にガラスのドアがあって加工が施されていないなら、ガラスフィルムなどで補強しておくと日々の暮らしに安心をプラスできます。
ドアの傷を自分で直す方法
小さな傷であってもドアについた傷は気になるものです。特に玄関ドアなどの傷は、すぐにでも直したいところです。
しかし、小さな傷であれば、業者に依頼するのも躊躇われることもあるので、自分で直したいと考える人もいるかと思います。小さな傷なら市販されている補修アイテムで目立たなくすることや直すこともできます。
木工家具補修マーカー
木製ドアなどの傷や色はがれ、色落ちなどに効果的なマーカーです。速乾で浸透が早いので後で汚れがつきにくいのも特徴です。その他の建具や家具などにも応用できます。使い方はいたって簡単です。
①傷の表面に塗る
②しばらく放置して拭き取る
これだけで傷が目立たなくなる便利なアイテムです。
木工パテ
木製ドアの傷を埋めるのに適しており、ニスや塗料による塗装が可能なものを選ぶことをお勧めします。
使い方
①キズ部分のゴミや水分、油などの汚れを取り除く
②チューブから直接木工パテを傷部分にしぼり出し、付属のヘラで空気を押し出すように埋め込む
➂木工パテを埋め込み後すぐに付属のヘラで余分なパテをかき取る。表面を平らに仕上げることが肝要だ。
④完全に木工パテが硬化したことを確認する。その後、必要に応じて研磨や切削加工を施す。塗装を行えば傷はほとんど目立たなくなる。屋外ドアなどは、必ず塗装処理を行う必要がある。
キズかくしテープ
ドアの傷に貼るだけで簡単に補修が可能な便利なテープです。UV加工で紫外線に強いタイプもあります。色目や木目を合わせて購入することが肝要です。
ソフトワックス
木製ドアの補修に適しており、ドアの傷に合わせてソフトワックスをこねて貼るだけで補修できます。密着性や成形性が良いので初心者でも簡単に利用できるのがメリットです。また、メーカーによって異なりますが、カラーが豊富にある為、ドアのカラーに近いものを選ぶと良いでしょう。
使い方
①傷のバリやごみ取り除き平らにする。
②ブラシペンなどで、傷の周りに近い色を着色する
➂ソフトワックスを埋め込む。
④周りに着いた余分なソフトワックスを綺麗に拭き取る
⑤充填部分の面だしの調整を行う
⑥必要であればブラシペンなどで木目の再現や周囲をぼかすようにする
キズ消しクレヨン
木製ドアの傷に塗るだけで、簡単に小さな傷を補修できるので重宝するアイテムです。
①キズ口の汚れやバリを取り除いて掃除する
②補修箇所の色に合わせて円を描くようにキズを補修する
➂乾いた布で周囲だけを拭き取る。
ドアの修理はプロに!リペア相場とは?
ドアの傷が深い場合や広範囲になれば、修理はプロに任せたほうが良いでしょう。目安としては傷の長さが15cm以上ある場合や、傷の深さが1mm以上ある場合は、プロに修復を依頼することをおすすめします。
もし、DIYで失敗してしまってから依頼をすると、代金が上がる場合もあるので、決断は潔いほうが良い結果が得られます。
傷が完璧に直る
プロのリペア職人に任せれば、傷が無かったことになるほど綺麗に修復してくれるので安心です。
また、DIYでは難しい建材であっても難なく対応してくれ為、自分ではこのドアの修理は無理だと感じたら迷わず依頼することをおすすめします。業者を選ぶ際には下記の3つのポイントを抑えると良いでしょう。
①技術と経験がある
②保証や再修理に応じてくれる
➂適正料金の業者である
賃貸住宅の退去時こそ要注意
賃貸住宅に住んでいてドアに傷をつけてしまった場合は要注意です。
管理会社や大家は退去時に家の中や外を念入りに点検します。次の入居者のためには当たり前の行為ですが、ドアの傷を放置していれば、最悪の場合ドアの交換などを行う可能性があります。
そうなれば、敷金や保証金から差し引かれる金額が増える、または実損契約ならばドアの交換代金を請求されます。
このような事態になる前にリペア業者にドアの修理を依頼しておけばドアの傷は無かったことになる為安心です。ほとんどのケースでドアのリペア代金はドアの交換代金よりも安価です。
リペア費用の相場
ドアの傷の修理をリペア業者に依頼した場合、費用は1箇所13000円~(技術料)です。もちろんドアの材質や傷の種類、大きさによって変動はあります。注意しなければならないのは、想像以上に安い場合と高い場合です。
安すぎる場合は、市販されている小道具などでごまかす程度の補修であったり、逆に高額な場合はぼったくりの可能性があったりと注意が必要です。
いずれにせよ、リペア業者と相互理解を深めて納得できる価格でドアの修理を依頼しましょう。
ドア傷の再発防止グッズ
せっかくDIYやリペア業者に依頼してドアの傷が直っても、また傷をつけてしまったら、何をしているのかわからなくなります。ドアに傷をまったくつけないことは日常生活の中では無理がありますが未然に防ぐグッズがあるので紹介します。
ソフトクッション
ソフトクッションの特徴は、ゴムのような弾力性で衝撃を吸収することです。ドアの開閉時の衝撃は意外と大きい為、ドアに与えるダメージ軽減に役立つアイテムです。接着剤がついているので簡単に取り付けられます。
戸当りパッキン
戸当りパッキンは別名「すき間ふさぎテープ」ともいわれ隙間風を防ぎ空調効果を上げるアイテムですが、開閉時の衝撃を吸収する役目もあります。
ダメージの蓄積は合板表材の剥がれなどにつながる恐れがあるため、ドアにすき間が生じていれば利用すると良いでしょう。
戸当りクッション
戸当りクッションは、ドアやドアノブが室内の壁に当たる場所に貼り付けるのが効果的です。弾力性があるので衝撃を吸収し、傷や衝撃音の防止に役立つアイテムです。
ペット用ドア
ペットのひっかきや噛みつきが治らない場合は、ペット用のドアの設置を考えるのも一つの手段です。
設置には技術がいるため業者に依頼する場合もありますが、ペットも出入りが自由になるとストレスが減ってドアを引っ掻く必要がなくなる為、長くペットと暮らしていくならば一考の価値ありです。