窓に結露対策をされていない場合、窓際のフローリングには結露による影響が少なからず起きてしまいます。
例えば、空調を長時間使用するリビングの開口部は外気との気温差により、冬には必ず結露が発生します。雫をこまめに拭き取らなければ、すぐにフローリングに水分が留まり、腐食やカビの発生に繋がります。
また、冷蔵庫下のフローリングには湿気が溜まりやすく、また水漏れによってもカビが発生する可能性があります。
今回は、結露や水分によって損傷を受けたフローリングの補修方法や、対策をお伝えいたします。
結露によるフローリングの損傷を放置してはいけない理由
フローリングに直接結露が発生する場合や。窓や扉などに発生した結露が滴り落ちるとフローリングの腐食やカビ、剥がれの原因となります。
その中で、最も注意しなければならないのがカビです。カビは人体に影響を与えます。
ブルーチーズのカビのような、食物を美味しくしてペニシリンの原材料になるようなカビならば人体に悪影響はあたえません。しかし、フローリングにつくカビは、人体に悪影響しか与えない黒カビと白カビです。
黒カビは、家の中で発生する頻度が最も多いカビです。土壌菌の一種で空気中に浮遊しているので、湿気の多い場所などに付着して繁殖します。
黒カビそのものに毒性があるわけではありませんが、吸い込んで体内に入るとアレルギー反応が起こる可能性が高くなり、気管支喘息の原因にもなります。
黒カビは、強いカビではないのでアルコールや熱で除菌が可能です。ただし、知らないうちに発生し根が生えてしまうと除菌するにも手間がかかり、強力なカビ取り剤を使用したり業者に頼んだりしなければなりません。
黒カビよりも注意が必要なのが白カビです。食べ物や建材など家中のいたるところに発声する厄介なカビです。
白カビの中には強い毒性を持つものがいるので、まず吸い込まないように注意しましょう。除菌の際には、マスクやゴム手袋などで自らを防御してから取り掛かるほうが安全です。
結露によるフローリングの損傷の場合は、高い確率でカビも発生しています。家族や住民が悪い影響を受ける前に気づいたら除菌して補修するように心がけましょう。
結露が発生する原因
結露と聞けば、お風呂の窓やリビングの掃出し窓などを連想しますが、冬などで外気との気温差が激しい場合は、家中のいたるところで結露が発生するのです。
そもそも結露が発生する原因は、空気中に含まれている水分(湿気)が、急激に冷やされることで液化(水になる)するからです。
ですので、気温差が大きくひらいた空気同士(暖かい空気と冷たい空気)が接する場所であれば、壁・床・扉・窓・家具、どこでも結露が発生する可能性があります。
フローリング自体に発生する結露
床下及び、フローリングが冷たくなっている場合、そこに暖房の空気が接すれば、フローリングそのものに結露が発生します。
気づけばすぐに拭き取ればよいのですが、フローリングの結露は気づかない場合が多いのです。フローリングの結露など想定外ですし、見たことがない人もいるのではないでしょうか?
フローリングの多くは木材でできています。木材は、調湿性が優れているので水分を吸収し、結露が発生しても気づかない間に吸水している場合があります。
この行程を繰り返すことによって、無垢材なら表面の塗装が剥がれたり、ささくれてきたりします。合成材なら接着剤の効果が劣化して突き板が剥がれたり芯材にカビが生えたりするのです。
また、夏であれば、フローリング表面ではなく、普段は見えない床下の基礎部分に結露は生じやすく、それによってカビや腐食の損傷が起きれば、床下地からフローリングにも影響を与えます。この「夏型結露」は、地面や木材が抱えていた水分が、冷房等で冷やされた基礎や躯体と接することで発生します。
窓際・壁・扉にも結露は発生する
結露は、空気中の水分が冷やされて発生し、湿度や温度差によってその量が異なります。窓枠や窓際はもちろん、冬に北風が当たる壁などでも発生します。
また、玄関扉は外気に触れますので発生しやすいですし、室内の扉であっても空調などの影響で気温差があると発生します。
ガラスや金属など、保温性が低くて熱伝導率が高い素材ほど発生しやすいことも理解しておくと結露を見つけやすくなり、すぐに拭き取ることができるので利用しましょう。
DIYで行える補修方法
結露によるフローリングの損傷でもDIYで直すことができるものもあります。
しかし、あくまでも初期段階のものと捉えておくほうが無難です。かなり深刻な損傷なのに下手にDIYすると取り返しのつかいないことになる場合もあります。
ここでは、市販されている補修グッズを使ったDIYの方法を説明します。手軽に扱えるものを選びましたので女性でも補修できるでしょう。
ですが、賃貸住宅ではDIYする前に賃貸契約書をよく読んでからにしてください。もし、分からなければ貸主に相談し、許可を得てからDIYしましょう。後々のトラブルにならないように細心の注意が必要です
初期段階のフローリングの変色
初期段階のフローリングの変色をDIYするなら色や柄、木目なども再生できるスティックタイプでクレヨンのようなものがオススメです。使い方も難しくありませんし、危険度も低いのでファミリー向けともいえます。
使い方
- もともとのフローリングのカラーに合わせたものを選びます
- ドライヤーなどで「かくれん棒」を柔らかくなるまで温めます
- 木目や傷に対して直角に塗り込みます。
- はみ出た分をヘラですき取ります
- 布で拭けば完成です。
初期段階のフローリング突板の剥がれ
初期段階の突板の剥がれとは、化粧板である突板が、芯材などから剥がれかけている状態をさします。突板合版のフローリングが、結露の水分を吸収し吐き出すことを繰り返した結果(調湿性)、化粧板である突板が浮いてきているので接着剤で固定してあげれば補修できます。
突板がささくれたり傷ついたりした場合は、サンドペーパーなどで平らにして先程紹介した「かくれん棒」で補修しましょう。
プロに依頼すべきフローリングのダメージ
結露によるフローリングの損傷は、傷やへこみなどと違って素人が簡単に補修することが難しいものばかりです。腐食が始まっていたり、カビが生えていたりする場合も多いですしシロアリの被害が発生している場合も少なくありません。
フローリングの補修をプロに依頼する場合のプロとは、2種類の業者がいます。
1つは、現在あるフローリングを修復するリペア業者。
もう一つは、フローリングを取替えて新品にするリフォーム業者です。
価格もまったく違います。リペアは、建材を取替えないので、塗装やパテなどの材料費と技術料や出張料で済みますが、リフォームは、フローリング材の費用から日数分と人数分の人件費がかかり、出張料も請求されるのでリペアの数倍以上に膨れ上がる場合もあります。
フローリングの現在の状態と補修にかかる費用、そして何年間この家に住む予定かなど考慮して業者を選びましょう。
リペアが適しているダメージ
上の画像は、リペア業者がフローリング腐食とカビをリペアしたものです。このようにフローリングを取替えずに修復できるものならリペア業者に依頼するほうが良いでしょう。迷った場合は、費用を抑えることができるリペア業者に相談して、リペアが無理ならリフォームへという手段を取り入れましょう。
リフォームが適しているダメージ
リフォームしなければいけないフローリングのダメージは、フローリングが抜け落ちそうな感じがしたり、構造体まで腐食したりしている場合です。シロアリの被害が発生している場合もリフォームが適しています。
また、リペア業者が修復不可能と判断してからでもリフォームは遅くありません。なぜなら、リペアなら腐食やカビの繁殖をできるだけ早く抑える必要がありますが、リフォームはフローリングそのものを新品にするのですからしっかり確認して判断するほうが賢明と言えます。ただし、カビだけはアルコールなどで除菌しておきましょう。
信頼できるリペア業者の選び方
経験豊富な業者であるか
経験豊富な職人がいない業者では、望んでいるリペアを受けることが難しくなります。ホームページなどで施工事例を確認したり、口コミを見たりして信頼できて納得できるリペア業者を見つけましょう。
電話で相談するのも手段の1つです。電話応対が悪ければ断わることもできますし、プロ目線の提案があれば優良業者であることの裏付けにもなります。
遠慮することなく、電話で問い合わせてみると思いもよらない収穫があるかも知れません。
適正価格であるか
リペア業者は、修復1箇所につき1万円から2万円(技術料)が価格相場になっています。もちろんリペアの難易度が高い場合や、大掛かりな修復ではこの相場よりも高くなる場合があります。
例えば、フローリングに深さ3ミリ程度長さ5cm程度の傷があって修復する場合、技術料が、1万円以下なら安すぎますので未熟な職人がくる可能性が高まります。また、2万円以上であれば、なぜ高いのか確認する必要があります。
適正価格を知って、相見積もりをとることが信頼できるリペア業者探しの近道になります。
なお、当サイトでは技術料1万3000円からでリペアを承っています。また、補修箇所ではなく作業時間による定額サービスも用意しています。
定額サービスであれば、時間内なら何箇所でも補修することが可能ですのでご検討ください。
ホームページやSNSを開設しているか
情報を収集しようとしても業者がホームページやSNSなどで発信していないと何も得ることができません。
タウンワークでは、住所と電話番号なら載っていますが、近いのか遠いのかさえあやふやなので始めから選考除外していても問題ありません。
おすすめしたい結露対策!
せっかくフローリングを修理・修復しても原因である結露が発生しているままなら、またフローリングを損傷します。
お金をかけて、家の窓や扉を複層ガラスに変えても結露は発生します。しかし、有効な対策もありますのでここで紹介します。
家全体で考える対策
- 石油ストーブやファンヒーターの使用を抑える
石油が燃える際に水蒸気が発生しますので、それが結露の原因になります。また、石油ストーブの上にヤカンなどを置いておくと水蒸気が大量に放出されます。火傷や火事の原因にもなりますのであまりオススメできません。 - 部屋干しでも湿度があがる
洗濯物を部屋干しするとその部屋の湿度は一気にあがります。エアコンをつけるなど調湿しましょう。 - こまめに換気を心がける
換気することを心がけるだけでも湿度を下げて結露防止に役立ちます。しかし、梅雨から夏は外の湿度が100%なんて日もありますので乾燥している時期を選びましょう。 - 除湿器をつける
湿度が高い日や、湿気が溜まりやすい部屋は除湿機をつけると良いでしょう。外気との気温差も気をつけると結露を抑えることができます。
バスルームでは使用後に換気扇を使うだけでもかなりの除湿効果が得られます。 - 空調設定を調整
結露は外と内の温度差が広がる事で発生します。よって夏であれば、部屋を過剰に冷やしすぎない。冬であれば過剰に温めすぎない事です。
特に外と室内で温度差が広がり、結露発生が多い冬は、エアコンの室温設定を上げすぎないことは大きな結露対策になります。しかし、あくまでも身体に影響が出ないことが前提としてのことです。
冷えは、新陳代謝を下げますし、自律神経の乱れの原因にもなりますので無理してまで室温を下げる必要はありません。
結露対策グッズによる対策
結露防止のグッズが多種多様に開発されラインナップされています。貼るだけのものから設置(工事不要)するものまで、それぞれに特色があります。自分の家に合ったものなら使わない手はありません。代表的なものを紹介しますのでご参考にしてください。
- コルクマット
フローリングの結露対策にはコルクマットがおすすめです。特に素材が、突板合板やクッションフロアであれば、高い効果が望めます。
理由は、複合材やクッションフロアは無垢材に比べて保温性が高くないので、結露が生じやすい材質だからです。コルクマットを敷くことで、フローリングの保温性が上がり温かみも感じられるようになり結露対策にもなります。
- 除湿シート
フローリングに直接布団を敷いている人は布団の下が、ベッドの人はマットやすのこ部分、そしてベッド下に湿気が溜まりやすく結露も発生しやすい箇所です。
除湿シートを布団の下やマットレスの上などに使用すればフローリングの結露対策になります。保温性の高いタイプもありますので冬に重宝します。
- 断熱フィルム
外からの熱を遮断し、室内の暖気を逃さない断熱効果が高いフィルムです。
結露は温度差が大きく異なった空気同志が触れ合う事で発生する為、遮断と断熱、この2つの効果が結露対策になります。このタイプは紫外線もカットしてくれるので、フローリングの日焼け防止にも役立ちます。
- 結露吸水窓ピタモップ
結露を吸収するモップを窓や扉に貼る結露対策グッズです。結露がフローリングや床に落ち難くなるので、カビや腐食を防止できます。
取り外して窓拭きモップとしても活用できます。また、汚れたら水洗いできるので衛生的です。
- 結露防止ラジエーター
窓の下に設置するヒーターで、室内の暖気を逃さず室外の冷気をシャットアウトします。結果として結露対策にもなり、暖房効率もアップさせることが可能です。
窓やリビングの掃出し窓の下に設置するだけで工事は不要です。スライド式なのでこの画像のタイプなら120cmから190cmの幅まで対応できます。
ここまで紹介したグッズよりは値段が張りますが、部屋を暖めることによって発生する結露のメカニズムに対抗できる手段なので取り上げました。
このウィンドーラジエーターなら、暖房の設定温度も下げなくて良いし、石油ストーブやファンヒーターを使用しても結露の発