巾木は壁と床の隙間を埋める重要な建材です。巾木がなければ床と壁に隙間ができ、そこにゴミやチリが溜まっていきます。そしてフローリングと壁を保護するためにも不可欠なアイテムです。
巾木は掃除機や自動掃除機などによってもダメージを受けやすい建材ですが、傷ついた巾木を補修することで部屋が引き締まり印象は変わります。
今回は巾木の基本的な知識や役割、種類から巾木の交換方法などを解説します。
巾木(はばき)とは
巾木とは、床と壁の接着面に設置する建材で主に木製とビニール製があり、部屋に巾木があるのとないのとでは雰囲気がガラリと変わります。
巾木には部屋のインテリア性を高める効果もあるため、主張が強い巾木を選ぶ場合はインテリアコーディネーターなどに相談してから決めると納得できるコーディネートになる。
壁紙や床を張り替える際には巾木とのコーディネートまで検討しまとめて張り替えましょう。イメージした模様替えに近くなり満足感がアップします。
巾木の役割と種類
巾木を利用することでインテリア性は上がるだけでなく、巾木には大事な役割があります。もし巾木がなければ糊付けされているだけの壁紙は剥がれやすくなります。
掃除機をかけていても巾木により壁に直接ノズルが当たることはありません。飲み物がこぼれても巾木が壁紙に浸透することを防いでくれます。巾木は床と壁の緩衝材として、また床と壁の間の微細な隙間も埋めてくれています。
巾木のデザイン
巾木のデザインはシンプルなものからゴージャスなものまで幅広くラインナップされています。主流のデザインは無地のものからラインが入っているものです。
彫刻を施した高級な巾木もあり、海外では意匠性の高い巾木を取り付けてゴージャスな演出やアンティークに見せるツールとして活用しています。
天井が高い部屋では、高さがあるデザインの巾木を活用するのもコーディネート手段の1つです。あえて床材や壁紙と異なるカラーを用いれば巾木がアクセントになります。
近年では、海外に引けをとらないようなスタイリッシュな巾木やアンティークな巾木も人気があります。モールディングを施した巾木であれば意匠を凝らした部屋への模様替えに役立ちます。
巾木の色は白か木目が多い
巾木はデザインや取り付け方次第で部屋の雰囲気を大きく変える効果があります。しかし巾木の色とフローリングの色を合わせた場合、特に濃い色目のフローリングに同色の巾木を合わせると巾木の主張が強くなります。
巾木の色を壁紙と同じ白色にすれば巾木の主張を抑えられます。巾木を目立たなくするコツは壁紙の色に合わせることです。ただし、白色の巾木は汚れが目立つため、掃除を定期的に行うことを心がけましょう。
巾木の種類・サイズ
巾木はサイズも多くラインナップされています。巾木を大きく分けると「木巾木」と「ソフト巾木」に分かれます。
木巾木は天然の木を加工したもので自然な風合いが特徴です。どちらもサイズは自在に調整できますが既製品ではなく、オリジナルのサイズを発注する場合は割高になります。
木巾木はフローリング材と同じものを使えば一体感を出すことができます。フローリング材と異なる木材を使用した場合は、色調や厚みなどで強い存在感を出すためクオリティの高いコーディネートが必要です。
ソフト巾木は塩化ビニルでできた巾木であるため自在に加工ができて、アール形状にも簡単に対応できます。
デメリットは、天然の質感を出せないため見栄えが木巾木よりも安っぽく感じることです。防水性が高く耐久性もあり、生産コストが低く安価で施工が容易なため幅広く普及しています。
ソフト巾木のサイズは自由自在ですが、一般的な高さは4~5cmであり基本的に長さに制限はありません。木巾木・ソフト巾木どちらも既製品の長さは90cm程度が多く、つなぎ合わせたり切りそろえたりして使用します。
巾木の補修方法
巾木は経年劣化やペットのいたずら、掃除機のノズルなどでダメージを受けます。巾木の補修は軽度なものならDIYでも可能です。
ここでは、軽度な傷や凹みの補修方法と剥がれの補修方法を解説し大きなダメージを受けた場合の対処方法を紹介します。
巾木に限らずDIYで建具などを補修する際は自己所有物件なら自由にDIYできます。しかし、賃貸住宅の場合は貸主に無断でDIY補修することは契約で禁止されているケースが多いため注意が必要です。賃貸住宅に住んでいてどうしてもDIY補修する際は、後で責任を問われる可能性があることを認識しておく必要があります。
木巾木の傷や凹みはキットで補修
木巾木のダメージの多くは傷や凹みなどです。ペットが引っ掻いたり硬いものを当ててしまったりすれば、木巾木はダメージをうけます。木巾木は木製ですので画像のような木製品のダメージを補修するセットがあれば簡単にDIY補修できます。
【木巾木の傷や凹みの補修方法】
・ダメージ部分のバリやほこりなどを綺麗に取り払う
・付属のヘラを利用してパテでダメージ部分を埋める
・パテを硬化させる
・硬化したパテに周囲のカラーに調色したペイントを刷毛で塗る
・乾燥をまって木目を書く
・ツヤが足りない場合はつや出しを塗布する
小さなダメージならこのようなセットで補修可能です。しかし、角が削れたり割れたりしている場合は専門業者に依頼するようにしましょう。
ソフト巾木の剥がれは接着剤
ソフト巾木のダメージの多くは剥がれです。ソフト巾木は塩化ビニルでできているため、傷や凹みがつきにくい特徴があります。傷や凹みなどのダメージがある場合、凹みは放置するかドライヤーなどで温めれば回復するかもしれません。塩化ビニルの傷は補修が難しく、仮に補修できたとしてもコストパフォーマンスを考慮すれば多くの場合で交換となります
【ソフト巾木の剥がれの補修方法】
・補修箇所の汚れなどを綺麗に取り除く
・ソフト巾木の曲がりぐせを直しておく
・ヘラやブラシ、ローラーなどで接着剤を塗布する
・圧着する(夏季は15分以上、冬期は30分以上)
剥がれ部分が大きいとソフト巾木に巻きグセがついて上手に圧着できないケースがあります。その場合は専門業者に依頼することを検討してください。
ソフト巾木の破れや木巾木の大きなダメージは交換
ソフト巾木の剥がれが酷かったり、尖ったものを引っ掛けたりした破れた場合は交換することになります。周囲と同じソフト巾木を見つけて購入しましょう。
ソフト巾木の交換は古いものを剥がしてから剥がし跡を綺麗に掃除します。新しいソフト巾木を適切なサイズに切って、シールを貼る要領で貼り付けるだけです。
ポイントは剥がした部分の丁寧な掃除と乾燥です。なお、木巾木の交換は次項で詳細に解説します。
木巾木をDIYで交換する方法とデメリット
木巾木は、経年劣化やダメージの蓄積で画像のように大きな損傷となる場合があります。ダメージが小さい場合はDIYでも対応できますが、このような状態になれば、専門業者に補修を依頼するか、交換するかを検討しなければなりません。
ここでは木巾木の交換について、その方法とDIYで交換する場合のデメリットを解説します。
木巾木の交換方法
木巾木を交換するためには必要なツールがあります。まずはそれを揃えましょう。
【木巾木に交換に必要なツール】
・新品の木巾木
・釘
・のこぎり
・コーナーキャップ
・ハンマー
・釘締め
・木工用ボンド
【木巾木の交換方法】
・古い木巾木を取り外す
・取り外した部分を綺麗に掃除する
・乾燥させる
・木巾木を必要な長さにカットする
・木巾木の裏に木工用のボンドを塗る
・木巾木を壁に貼り付ける
・木巾木を釘で固定する(釘の間隔は30cm程度)
・締め釘を使って見栄えを良くする
・角にコーナーキャップを取り付け釘で固定する
古い木巾木を取り外した跡にカビやシロアリなどの被害があれば、DIYでの補修を止めることも検討しましょう。カビはアルコール消毒やカビ取り剤などで綺麗に取り除けば問題ないと思われるかもしれません。
カビが発生している原因を取り除くためには専門業者の知識と技術が必要です。シロアリ被害の場合は早急にシロアリ駆除の専門業者を呼びましょう。被害が拡大していれば土台からリフォームしなければならないケースもあります。
巾木の交換をDIYするデメリット
木巾木の交換はDIYでも可能ですが、3つのデメリットがあります。
1つは、慣れない作業と姿勢で膝や腰、背中などに負担がかかることです。かがんだ状態の作業になるため屈伸運動などを取り入れる必要もあります。
2つ目は、木巾木を交換するDIYは意外と時間がかかることです。特に初めて行う場合は確認しながらの作業になり、釘打ちで指を打ってしまったり、巾木のカットが歪んだりすることもあります。何度も失敗すれば木巾木を再購入しなければならなくなり、作業が1日で終わらなくなるかもしれません。
3つ目は、仕上がりが悪くなることです。木巾木と壁の間に微細な隙間ができたり、歪みがでたりすればカビやシロアリが発生する原因になります。結果として失敗したあとで専門業者に依頼すると費用がかさむだけでなく、DIY用に購入した木巾木やツールが無駄になります。木巾木の交換は専門業者に相見積りをとってからでも遅くはありません。見積書を見てよく検討してからDIYすることをおすすめします。
巾木の交換を専門業者に依頼する場合の費用相場
巾木を交換する際には目安となる費用相場を知っておくと見積もりと比較に役立ち、DIYするかどうかの検討材料になります。
ここでは、6畳の洋室の巾木を全て交換する際の目安を解説します。
【6畳の巾木交換の費用目安】
・材料費(木巾木):5,000円程度
・工事費(木巾木の交換):2万5,000円程度
・諸費用(交通費・廃材処理費など):1万円程度
専門業者が6畳の巾木を交換する費用の目安は4万円程度です(ソフト巾木の場合は若干安くなります)。遠方の場合は出張費を請求されるケースもあるため、地元で腕の良い良心的な業者を探すようにしましょう。工期は半日程度が標準です。
定額リペアでコストを下げて補修する方法
巾木のダメージが気になるが、すべて交換するのはもったいない気がするといった悩みをもつ人も少なくありません。家のダメージはどのようなものでも放置すれば、そこから被害が広がるものです。例えば、ネジ穴を放置すれば穴に水分が集まり腐食の原因となります。
巾木も同じで、傷を付いたり穴を開けたりすれば早めに補修するか交換しなくては、なりません。交換するのがもったいないと思われる人はリペアをお試しください。
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