長年使ってきた大事な浴槽に穴が空いた。とうとう寿命だと諦める人がほとんどだろう。しかし、穴が空いた程度ならその浴槽は生まれ変わる可能性がある。
穴を塞ぎ、どこに穴が空いていたのかさえ判らなくなる技術もあれば、小さい穴なら最先端のDIYグッズを使って自分で治す方法もある。
今回は、浴室の穴を塞ぐ方法を徹底的に解説する。
ぜひ、出費を抑えた補修で快適な温浴タイムを楽しめるようにこの記事を役立てて欲しい。
浴槽に穴があいても補修可能!
画像は洗面台の穴を塞いだものだが浴槽であっても穴を塞ぐことは可能である。
浴槽に穴が空いてしまったら、新しい浴槽にリフォームしなければならないと思いがちであるが、意外にDIYでも浴槽の穴を防ぐことができる。
浴槽などは、長く使っていると愛着が湧くものだ。毎日、同じ風呂に浸かって心と身体を癒すことを喜びと感じている方も多い。
「毎日」や「同じお風呂」という安定したキーワードが人の精神を安定させる効果を生み出すのだろう。
使い慣れた浴槽に穴が空いても大丈夫だ。これから補修する方法を解説していく。
浴槽に穴が空いたり割れたりする原因
物事には原因があって結果がある。浴槽の穴も同様で、穴が開いたりひび割れたりする原因があって、結果として穴やひび割れができるのである。
ここでは、その原因を解説する。DIYするにしても、プロに依頼するにしても原因がわかっているとスムーズに進めることができる。
経年劣化
浴槽の穴やひび割れの原因で最も多いのが経年劣化である。
素材にもよるが、概ね10年以上使われている浴槽は劣化が進んでいると認識していただきたい。
経年劣化で、始めに見られる症状が亀裂である。亀裂が入った段階で補修し再塗装すれば、小さなダメージで済む。
しかし、放置して亀裂が悪化した場所に体重がかかったり、清掃道具などが当たったりすれば、その箇所が割れたり、穴が空いたりする可能性がある。
硬くて重いものがあたる
浴室には、固くて重いものはほとんどない。しかし、健康のためにとラジウム鉱石を入浴時に入れたり、ミネラルストーンを入れたりする人もいる。
また、浴室内の水道補修時に工具を持ち込むこともあるだろう。
近年のシャワーヘッドの中には、マイクロナノバブルを放出させるためにステンレスでできたものもある。
FRPや人工大理石・ホーローなどの浴槽に硬くて重いものを当ててしまったり、落下させたりするとひび割れや割れ・穴開きの原因になる。
製造ミスで気泡が入っていた
浴槽の上部にポツンポトンと小さな穴が空いている場合は、製造ミスの可能性が高い。製造段階で気泡が入り、空気の膨張や収縮、清掃時の摩擦によって気泡が入っていた場所が弾けたと考えられる。
保証期間内ならすぐに販売主に連絡するべきだ。
賃貸住宅なら早急に貸主へ連絡し、当方に瑕疵がないことを説明することが重要だ。そして、早急に対応するようにと伝えておくと良いだろう。
修理前に浴槽の素材を確認しよう!
浴槽の穴を補修する上で、最も重要なのが浴槽の素材を知っているかである。
ステンレスやヒノキなどは誰が見てもわかるが、FRP・ホーロー・人工大理石は素人目ではわかりにくいかもしれない。
浴槽の穴を塞ぐ補修をするためにも、自宅の浴槽の種類をしっておく必要がある。
家の仕様書などを保管していれば確認は容易だ。もし、判らなければ売り主に尋ねると良いだろう。
ここでは、素材別に浴槽の特色を解説する。自宅の浴槽の特色を知っておくと補修以外にも日常生活や新築・改築時に役立つことが多い。
最も一般的なFRPの浴槽
FRPは、最も使われている浴槽素材だ。ガラス繊維強化プラスチック(Fiber glass Reinforced Plastic)の略称である。
軽量な素材で施工性が良く、コストパフォーマンスに優れているので、FRP浴槽を採用するケースが多いのだ。
汚れがつきやすいという難点はあるが、こまめに掃除すればある程度長持ちする。一般的に対応年数は10年から20年とされている。
FRPはお湯を張ると膨張し、お湯を抜くと元に戻るという性質がある。このような状態を繰り返すことにより樹脂が経年劣化し、ひび割れや穴開きにつながる可能性がある。
魅力的な人工大理石の浴槽
人工大理石は、天然大理石のような風合いが魅力的で人気の高い浴槽素材だ。樹脂素材を加工したもので、ポリエステル系とアクリル系がある。アクリル系のほうが高級で肌触りがなめらかで透明感が美しい。
汚れがつきにくいので手入れが楽で掃除もしやすい。また、美しさが長持ちするので、初期投資は高いが長い目で見ると経済的でコストパフォーマンスは高い。
ツヤ感が綺麗なホーローの浴槽
ホーローは、鋳物や鋼板をガラス繊維で加工したもので、肌触りが素晴らしい浴槽素材だ。サビや腐食に強いのも特色である。
鋼板が経済的で鋳物のホーローが高級とされている。鋳物のホーローは、厚みがのあるので、非常に重みがある。1階以外に設置しないほうが良いだろう。
ホーローのデメリットは、衝撃に弱いことだ。表面がガラス質なので、重めのシャワーヘッドなどを落とすと傷やひび割れが生じる場合もある。
自然な温かみが心地よい木材の浴槽
木質系の浴槽には、ヒノキやヒバ、槇など木材としては腐食しにくいものが使われている。中でも独特の芳香が有名なヒノキは人気が高い。
木ならではの温かみがあり、保温性・耐熱性・耐衝撃性に優れているので、古くから日本人に親しまれてきた。
FRPや人工大理石などの台頭があり、手入れが難しい木質系の浴槽は減少傾向であった。しかし、近年の技術開発で腐食しにくい加工を施された木の浴槽が登場し、再び注目されている。
木の浴槽は、調湿を繰り返すことで経年劣化し、過乾燥になるとひび割れがおこる可能性がある。穴があく場合は、ほとんど腐食が原因だ。
手入れが行き届いた木の浴槽は、年数とともに味わい深くなり、温泉宿のような風情をと自然の芳香をいつまでも楽しむことができる。
錆びにくいステンレス浴槽
ステンレススチールは、耐衝撃性・耐久性・耐腐食性などに優れているので、長く清潔に使える浴槽である。
耐熱性も高いが、熱伝導率が高く、湯が冷めやすいのが難点であったが、裏面に保温材を噴きつけて保温性を確保しているものが普及している。
ステンレスの浴槽は、浴槽自体がダメージを受けることは少ない。つなぎ目や目地などが痛むことはあるので、掃除など手入れの際には、その部分を注意すると良いだろう。
ここまで、代表的な浴槽を5つ紹介したが、自宅の浴槽に当てはまるものはあっただろうか。もし、見極めが難しいなら問い合わせて確認しておくほうが良い。日頃のメンテナンスや次に解説するDIYの役に立つはずだ。
浴槽の穴をDIYで塞いで修理する方法
浴槽に空いた穴をDIYするとなるとかなりハードルが高いように思うかも知れないが、意外と簡単にできるDIYグッズがラインナップされている。
経年劣化や硬くて重いものが当たった衝撃で穴があいたり、製造ミスで気泡が入っていて突然穴が空いたりした場合など、すぐに補修しなければ浴槽を使用できない。
プロの業者に依頼しても予定が合わせられない場合などは、ここで紹介する便利な浴槽補修グッズがあれば応急処置や補修が可能である。
しかし、浴槽のことなので、最終的にはプロにしっかり直してもらうまでのつなぎであるとご認識いただきたい。
浴槽は、お湯をはるだけで約200kgの負荷が浴槽の壁や底にかかることになる。そこに人間の体重が加算されるので、浴槽が受ける負荷は相当なものになる。
毎回、その負荷を受けることを勘案すると、プロに補修を依頼するほうが安心して入浴できるだろう。
応急処置をするならテープで
浴槽に穴があいたりヒビ割れができたりすればとりあえず応急処置を施さなければならない。そんな時に役立つのがこのテープだ。
浴槽に使用可能な片面粘着テープである。あくまでも仮補修だが、耐水性・耐熱性・耐寒性に優れているので、浴槽以外にもタイルや雨ドイ、雨具にも使用可能だ。
切って貼るだけなので、どなたでも使える簡単DIYグッズで、凸凹面にもよく馴染む便利なテープである。
パテでしっかりDIY
テープの応急処置では、心許ない人やプロの業者が補修するまでに日数を要する場合などに対応できるのがエポキシパテである。
金属や硬質プラスチック、木材などに使用できるので、ほとんどの浴室素材に対応可能である。ただし、ポリエステル系の人工大理石は避けたほうが無難だ。
また、体質よってはかぶれる可能性があるので、補修箇所に直接触れないように注意が必要なパテである。
使用方法
- 浴槽の穴の汚れなどを綺麗に掃除して乾燥させる
- サンドペーパーで表面をザラザラにする
- 付属の保護手袋を着用
- プラケースからパテを取り出す
- フィルムを剥がして必要な量だけ切り取る
- 色ムラがなくなるまで練り合わせる
- 補修箇所に埋め込む
- 湿った布やヘラで表面をならす
- 24時間以上乾燥させる
乾燥させた後は、ヤスリがけし塗装すると強度が上がる。水中でも硬化するが、浴槽が乾燥している方が硬化接着しやすいので、お湯を抜いて乾燥している状態で作業するのが望ましい。
不要な穴を塞ぎたい場合
風呂釜を交換した場合や給湯式に変更すると浴槽に不要な穴が空いたままの状態になる。そんな時は、バス用プラグで穴を塞ぐとよい。
サイズを確認し取り付けるだけなので、プロの業者に依頼する必要はない。ステンレス製でサビに強く耐久性があるので対応年数は長いが、浴槽清掃時などにパッキンに腐食が無いかを定期的に確認すると良いだろう。
浴槽リフォームの費用相場
浴室の種類は、在来浴室・ユニットバス・システムバスと大きく分けて3種類である。
在来浴室とは、昔からある浴室で浴槽と浴室の材質が違っている。ユニットバスは、ワンルームマンションやホテルのシングルルームなどで見られる浴槽や壁・床とトイレ一体化されている浴室だが、トイレがないものもあるので、システムバスとの線引きが難しい場合もある。
システムバスは最新の機能が導入されているユニットバスを指す。トイレが一体化されていないユニットバスと差別化する為にシステムバスと呼ばれていることが多い。
浴槽をリフォームする場合、在来浴室であれば浴槽だけを取り替えることになる。ユニットバスやシステムバスでは、浴槽を含めて、浴室をまるごと交換することがリフォームだ。
使えるものまで交換するので無駄があると思う人もいるが、浴槽と浴室が一体化されているのがユニットバスやシステムバスなので部分的な交換は難しい。
そのことを踏まえてリフォームの相場を解説する。あくまでも一般的な相場なので、目安程度と認識してもらいたい。
- ユニットバス(トイレなし)からシステムバスへリフォームする場合
1坪タイプ60万から110万円 - 在来浴室からシステムバスへリフォームする場合
1坪タイプ68万から125万円 - 在来浴室の浴槽をリフォームする場合
FRP | 49万から52万円 |
人工大理石 | 55万から60万円 |
ホーロー(鋼板) | 60万から65万円 |
どのような浴槽や浴室であってもリフォームするとなれば最低50万円の予算を確保する必要がある。
また、愛着のある風呂を交換することになるので、補修できる範疇ならできるだけ補修して長く使いたい考える人も少なくない。
自分で難しい場合はリペアのプロに!
https://www.youtube.com/watch?v=9-_eksYluSQ&feature=
浴槽が受ける負荷については先程解説とおりだ。DIYでは難しい補修をするためにリペア職人をはじめとするプロの職人がいる。
動画は、浴槽が剥がれ、穴が空いたものをリペア職人が埋める作業を収めたものだ。見事な技術で穴を埋め、周囲と同化するように塗装して仕上げている。
これならば、浴槽に穴が空いても安心して補修を依頼できるのではないだろうか。ここでは、あまり聞き慣れない方もいるリペア業者についても解説する。
リペアとは
リペアとは直訳すれば修復である。当サイトでは、家中のありとあらゆるものを修復できる技術がある。
モーターやパソコンの内部など精密機械や駆動部などは専門外だが、材質を問わず外側ならほとんどのものを修復できる。
今回は、浴槽の穴をテーマに記事を進めてきたが、ほかにも、ドアの穴や家中の壁の穴、フローリングの穴などもリペアで元に修復する技術がある。リペア業者とは、大切なものを修復し、使えなくなったものを使えるようにする業者である。
どの浴槽でも穴を塞ぐリペアの技術力
リペア業者の技術力があれば、どのような素材の浴槽の穴やひび割れであっても修復することが可能である。
また、ひび割れや穴のリペアだけでなく、傷や欠けなど浴槽のトラブルのほとんどをリペアすることができるので、安心しておまかせいただきたい。
ダメージの修復が完了したら、再塗装もリペア業者に依頼することをお勧めする。再塗装によって浴槽は生まれ変わる。再塗装すれば、新品の浴槽に浸かったことを思い出すような仕上がりなり、バスタイムがより充実させることができるだろう。
リペアの費用相場と優良な業者の選び方
リペア業者の費用相場は、1箇所の補修につき技術料が1万5千円からである。損傷のサイズや出張費、新規の補修材などは別途請求する形式だ。
修復の難易度が上がるものほど技術料が高くなり、簡単なものほど安価になる。また、再塗装など広範囲のものは無料見積りをとっていただく形式がほとんどである。
優良なリペア業者の見極める方法は
- ホームページやブログがあるか
- 無料見積り可能か
- 適正価格であるか
- 充分な経験や技術力があるか
- 距離が遠すぎないか
などをチェックすることである。ホームページやブログが無いことは論外であって、無料見積りが取れることは当然である。
その上で、安すぎる業者は要注意だ。技術力に問題があるケースが多く保証体制も充実していない場合が多い。
施工事例などを見て判断すると良いだろう。また、施工事例を見ることによって技術力の高さや経験の深さなども見えてくる。
リフォームの傍らでリペアに手を出している業者もいる。そのような業者は技術力がないので、すぐに難癖をつけてリフォームを提案してくる。
要するにリペアをリフォームの呼び水程度に扱っている輩だ。知識をもって賢明な判断を下すことが肝要だ。
また、あまりに遠すぎる業者だと出張料が跳ね上がるので、その点も注意が必要である。
リペアで穴を塞いで快適な入浴を
浴槽に穴があいたり、ひび割れができたりすれば、安心して入浴できない。
かと言って、リフォームをするとなると相当な費用を準備しなければならず、工期の間、浴室を使えない不自由な暮らしとなる。
リペアで完全に穴を塞ぎ、ひび割れを修復すれば、費用を抑えることができて安心して入浴できる。
さらに再塗装まで依頼しておくと浴槽は生まれ変わり、より快適な入浴タイムを楽しむことができる。