家を建てて10年以上が経過すると、壁にダメージがついている場合が多くあります。室内の壁は、壁紙であったりタイルを使っていたりと様々です。補修する際に壁材に合ったツールを選ばないと綺麗に補修することはできません。
今回は、室内壁で使われている代表的な4つの素材を紹介し、それぞれの補修方法を解説します。壁の補修の参考にしてください。
室内壁に使われている素材と特徴
室内の壁を修理するためには、壁の素材と特徴を知ることが大事です。素材に適していない補修を施せば、大きなミスの原因となり、大きなミスにより、DIYで補修する意味がなくなるのではないでしょうか。
ここでは、壁に使われている主な素材を4つ紹介します。特徴やメリット・デメリットも解説しますのでDIY補修の参考にしてください。近年では、壁紙(クロス)が多くの人に支持されている傾向があるため、壁紙から紹介します。
壁紙(クロス)
壁紙は、扱いやすいため工期が短くてすむ人気の素材です。加工がしやすくことも特徴となっているため、多種多様な壁紙がラインナップされています。織目調や石目調のものが定番ですが、木目調や花柄はデザインやカラーバリエーションが豊富です。タイル風や珪藻土・漆喰を配合したものもあります。本物の塗り壁やタイルよりも安価であるため、壁紙を選択する人も増えています。
【壁紙のメリット】
・手入れが簡単
・短期間で施行や張替えできる
・DIYしやすくDIYキットも充実している
・機能性を備えた壁紙もある(不燃認定・消臭機能・ひび割れ対策)
・傷や衝撃に強い壁紙もある
・他の素材よりもロープライス
【壁紙のデメリット】
・壁紙の種類によっては経年劣化が早い
・張り替える場合は部屋全体の壁紙を張り替える
塗り壁
塗り壁は、下地の上に自然素材を塗った壁です。使われる自然素材は、水や土、植物などであり、化学物質は基本的使用しません。ただし、機能性をあげるために、少しの化学物質を混入させているケースもあります。
塗り壁は、自然素材を使っているため健康的であり、自然と手仕事が織り成す風合いが魅力的です。自然素材は、化学物質のアレルギーや過敏症を発症させないため、安心して使用できます。
【塗り壁のメリット】
・カラーバリエーションが豊富
・職人の技量によりさまざまな質感とデザインが楽しめる
・防音・防火・断熱性に優れている
・消臭効果・調湿効果・抗菌効果がある(素材による)
・カビやダニを防ぐ塗り壁もある
【塗り壁のデメリット】
・汚れや傷が付きやすい
・経年劣化や地震でひび割れが発生する可能性がある
・手入れやDIY補修が難しい
・職人の技術力により仕上がりや工期が変わる
木材
木材には、無垢材と合板があります。無垢材は、伐採した木を切り出したものであり、天然の木目や風合いがあり、経年とともに色味やぬくもり、肌触りの変化を楽しめる木材です。
合板は、原木を薄くむいた単板を接着剤で貼り合わせた木材です。壁に使われる合板は、表面に天然木を貼り付けた化粧合板が使われたり、印刷加工などを施した特殊化粧合板を使用したりします。見栄えの良い合板を使用すればインテリア性をあげることも可能です。火に弱いため難燃性塗料などの加工を推奨します。
【木材壁のメリット】
・木材特有の質感や立体感を感じられる
・天井にも使用できる
・重厚感や高級感を醸し出せる(木材の種類による)
・調湿作用がある
・防音効果がある
・部分補修や部分交換が可能
【木材壁のデメリット】
・直射日光による日焼けや変色がある
・無垢材は割れたり反ったりしやすい
・湿気が多いとカビが発生するおそれがある
タイル
タイルは、陶器や磁器が主な材質であるため、カラーが豊富で形のバリエーションも豊富な壁材です。大きさも様様であり、多種多様なデザインがあり、オンリーワンのタイル壁にすることも難しくありません。自分の好みのタイルを組みわせて、インテリア性の高い内壁にチャレンジすると楽しいでしょう。
【タイル壁のメリット】
・耐久性に優れている
・耐水性が高く油汚れもつきにくい
・水回りに適している
・温度変化に強く経年劣化しにくい
・長期的にはコストパフォーマンスが高い
【タイル壁のデメリット】
・イニシャルコストが高い
・目地にカビが生えるケースがある
・寒い時期は冷たく感じられる
【素材別補修方法1】壁紙
壁紙のダメージ多いのは、ペットが引っ掻いて破れたり、家具などを移動する際にぶつけてしまって、剥がれたりするケースです。いずれにしても補修するためには、破れた部分を切り取らなければなりません。切り取れば壁紙に穴が空いたように見えるため、壁紙の穴といいます。
ここでの壁紙の穴は、下地にまで達していなくて、壁紙だけに穴が開いている状態です。下地にまで穴が空いているようなら、DIY補修は難しいため、専門業者に補修を依頼しましょう。次に、壁紙の穴を補修する便利なツールと補修方法を解説します。
壁紙の穴をDIY補修に必要なツール
壁紙の穴を補修するために必要なツールは、次のようになります。
・新しい壁紙(既存のものと同じものが望ましい)
・壁紙用接着剤
・ローラー
・マスキングテープ
・タオル
・カッターナイフ
・定規(カッターナイフ対応のものが望ましい)
壁紙の穴をDIY補修する方法
・壁紙の穴の周囲をマスキングテープで四角く養生(穴から10mm離す)
・マスキングテープの内側に合わせて新しい壁紙をカットする
・カットした壁紙をマスキングテープの内側に合わせて貼る
・空気が入ればタオルで押し出す
・壁紙が重なった部分をカット(マスキングテープ内側からから5mm)
・不要な新しい壁紙を剥がす
・元の壁紙の不要な部分を剥がす
・新しい壁紙を戻して貼り付ける
・新しい壁紙をローラーで圧着させる
一般的なビニールクロスであれば、ローラーで伸ばすことによって境目が目立たなくなります。
【素材別補修方法2】塗り壁
塗り壁は、使われている素材によって、若干異なりますが基本的な部分は同じです。ただし、DIYでの補修は難易度が高いため、自信のない人や失敗してしまった人は、できるだけ早く専門業者に補修を依頼しましょう。ここでは、漆喰の壁が剥がれたケースを解説します。
3-1:塗り壁をDIY補修に必要なツール
塗り壁の補修は難しいため、必要なツールがセットになったものをおすすめします。セット内容は次のようになります
・漆喰(ベジタウォール)
・コテ版
・仕上げコテ180mm
・柳刃コテ90mm
・レンガコテ
・マスカーテープ
・マスキングテープ
・軍手
漆喰のカラーは9色ありますので、補修部品やお好みのカラーを選びましょう。漆喰は練済みなので、難しい練の調整をしなくてすみます。
壁紙の穴をDIY補修する方法
・剥がれた塗り壁や剥がれかけている塗り壁を取り除いて綺麗に掃除する
・マスキングテープで養生する
・床の養生にはマスカーテープを使う
・漆喰をレンガコテですくいコテ板にのせる
・コテ板の漆喰をコテにのせる
・補修箇所の上部から漆喰を塗る
・乾燥させる
塗り壁の劣化が激しい場合は、壁一面を塗り替えることで補修箇所が分かりにくくなり、仕上がりも綺麗になります。
【素材別補修方法3】木材
木材壁のダメージの多くは、傷や凹み、穴などです。木材は屋内のいたるところに使われているため、木材壁の補修用ツールをフローリングや柱、家具などにも利用できます。カビやシロアリ被害が発生した場合は、DIY補修を避けて専門業者に依頼しましょう。ここでは、木材壁の傷を補修するツールと補修方法を解説します。
3-1:補修に必要なツールは市販の補修セット
木材壁のDIY補修に適したセットです。傷や凹み、小さな穴でしたら、このツールセットで補修できます。セットの内容は次のようになります。
・ウッドパテ
・サンドペーパー
・スクレーパー
・筆6本
・補修クリーム12色
・マニュアル
補修クリームは12色あり、混ぜて木材壁のカラーに調整することも可能です。
木材壁の傷をDIY補修する方法
上記ツールセットの基本的な補修方法は、ウッドパテでダメージを埋めて、補修クリームで色や木目を調整する方法です。
・傷のバリや汚れを綺麗に取り除く
・ウッドパテをスクレーパーで埋めて表面を平らにする
・補修クリームで色や木目を合わせる
・乾燥させる
前述しましたが、この方法で凹みや穴も補修できます。木材壁だけでなく、屋内で木材を使用しているものであれば、大半は利用可能です・
【素材別補修方法4】タイル
タイル壁は経年劣化しにくい特徴がありますが、寒暖差や使い方、衝撃によってダメージを受けるケースも少なくありません。その多くは、ひび割れや欠損です。ここでは、タイル壁のひび割れのDIY補修に必要なツールと補修方法を解説します。
5-1:タイル壁の補修に必要なツール
タイル壁のひび割れを補修するのに必要なツールは次のようになります。
・コーキング材
・ヘラ
・マスキングテープ
・雑巾
タイル壁の補修方法
・タイルのひび割れ周辺を綺麗に掃除して乾燥させる
・ひび割れに沿って3mm程度の間隔を開けてマスキングテープで養生する
・コーキング材をヘラにつける
・ひび割れの内部まで隙間なく埋め込むように塗り付ける
・コーキング材を完全に乾燥させてマスキングテープを剥がす
この方法は、タイルのひび割れ箇所から、下地などへ水が侵入しないための補修です。ひび割れたタイルを復元したり、タイルを交換したりするわけではありません。見栄えまで補修できないため、タイル交換や完璧な修復を求める人は、専門業者に依頼することをおすすめします。
壁の補修の専門業者はリペア
壁を補修する専門業者はリペア業者です。画像は、壁にできた焦げをリペアの技術で修復したものですが、どこに焦げがあったのかが分からなくなっています。
画像は、壁の穴を修復したものです。先の画像同様、穴の場所が分からなくなっています。この壁の穴は、下地にまでダメージがあったため、下地を修復し壁紙を修復しています。
この事例は、角の部分の壁紙が擦れて破れ、下地も削られている状態だったものを修復しています。
このように、壁紙を張り替えたり、下地を取り替えたりすることなく修復できるのがリペアの技術です。DIY補修が難しいケースやDIYが苦手な人、完璧な修復を求める人は、リペア業者への依頼を検討してください。リペアには、補修箇所ごとに技術料が生じるリペアと、定格料金で時間内なら何箇所でも修復できる定額リペアがあります。
壁の補修であれば、壁のダメージ以外も修復できる定額リペアがおすすめです。家の経年とともに、壁にダメージがあれば、フローリングやキッチンカウンターなどにも、何らかのダメージがあるのではないでしょうか。この機会に、まとめて補修することで、気分良く暮らせるかもしれません。