長年親しんだ大切なソファーにペットが引っかき傷をつけたりや、不注意により傷をつけてしまった場合は、わずかであってもその部分がとても気になってしまいます。
「わずかな傷だから修理に出す程ではないけど、直したい…」そんな場合はDIYにトライしてみてはいかがでしょうか。
今回はダメージを受けた革ソファーを補修するにあたり、自分で補修が可能かどうか?方法は?プロに依頼する場合はどこに頼めばいい?の疑問にお答えいたします。是非最後まで読んでいただき、大切なソファーの補修に役立ててください。
補修の前に本革か合皮かを確認しよう
革ソファーを補修する前に革の素材を確認しましょう。革ソファーは「本革」か「合皮(合成皮革)」を使用しています。そのどちらかを見分けないと誤った補修をするおそれがあるため、タグや購入時のリーフレットなどで確認しましょう。
タグなどが分からない場合は、以下の3つの方法で確認します。
①【革の断面を見る】
断面を見て塗料が厚く塗られているようなら合皮です。毛羽立っていれば本革が使われています。
②【匂いを嗅ぐ】
本革なら革製品独特の匂いがします。無臭であったり、ビニールの匂いなどしたりすれば合皮です。比較するためには本革の財布やバッグなどの匂いを嗅いでから試みるとよいでしょう。
③【ソファーを押す】
ソファーを指先で強めに押す方法もあります。ソファーの表面にシワができれば本革であり、ソファーが押した分だけ凹むだけなら合皮と判断できます。
本革とは
本革とは本物の革のことです。牛や豚、羊などが主に使われていますが、ソファーでは牛革が一般的です。天然皮革と呼ばれることもあります。動物の革ということに抵抗がある人もいますが、食用肉の副産物として利用されているため環境に優しいことも特徴です。
合皮とは
合成皮革の略語で、動物の革は使われていません。技術の進歩により、本革に近い質感のものが増えています。ポリウレタンや塩化ビニールなどが一般的に使われています。
浅い引っかき傷の補修方法
革ソファーの補修は素材によって異なりますが、傷の深さによっても補修方法が異なります。ここでは浅い引っかき傷の補修方法を本革と合皮に分けて紹介します。
本皮ソファーの場合
ペットの爪で引っかいたような浅い傷であれば、馬毛のブラシで表面を整えるだけで補修できる場合があります。
【馬毛ブラシ】
馬毛のブラシは、日常のメンテナンスでも役立ちます。革ソファーの掃除やペットの毛を掃う際にも使用可能です。
【保湿クリーム】
革用のオイルを塗って、傷をなじませる方法もありますが、部分的に色が濃くなり、ソファーに色むらができるかもしれません。革製品専用の保湿クリームであれば色むらを気にすることなく、引っかき傷も馴染みやすくなるため補修も簡単に済みます。
普段のメンテナンスに使えば皮革に潤いと栄養を与えるため自然なツヤがでます。表面についた汚れも落としてくれるので便利です。画像の保湿クリームであれば、動物性油脂ラノリンが配合されているため革ソファーの柔軟性も維持も期待できます。
合皮ソファーの場合
合皮ソファーの場合は人工的に作られているため、本革のように傷を馴染ませて補修することができません。合皮ソファーはカラークリームで着色して傷を目立たなくします。
【合皮のキズ隠しカラークリーム】
合皮のカラークリームは合皮に色を合わせなければならないため、カラーラインナップが48色と豊富なカラークリームを紹介します。
【使用方法】
・傷部分の汚れを落とします。
・少量を布や指にとり薄く膜を作るように塗ります。
・24時間程度乾燥させます。
・必要に応じて革素材に適したツヤ出しクリームなどで周囲と馴染ませます。
複数のカラーを混ぜ合わせることによって、お好みのカラーを作り出すことも可能です。革製品全般に使用できる着色クリームですが、自然な仕上がりで色落ちの心配はありません。またクリームの重ね塗りや他の色と調合した色調整も可能です。だたし、スムース革(毛羽立ちや凹凸のない革)以外は使用できません。
深めの引っかき傷の補修方法
深めの引っかき傷の場合は基本的にDIYでは補修できません。それは本革も合皮も同じです。DIY補修ができたとしてもプロフェッショナルの業者に依頼するまでの一時的なものになります。その場合も本革と合皮では補修方法が異なりますので、それぞれの方法を解説します。
本皮ソファーの場合
本皮ソファーについた深めの引っかき傷は、革製品の補修のプロフェッショナルに依頼することをおすすめします。一時的であっても補修をする場合はコンシーラーなどで傷を埋めることになります。
【革製品のコンシーラー】
この革製品用コンシーラーは29色あるため、自分のソファーの色に合わせて商品を選びます。
【使用方法】
・ブラシやクリーナーで軽く汚れを落とす。
・コンシーラーを布に少量取りキズの部分に乗せるように塗る。
・約10分乾燥させる。
・乾かしてから乾拭きをして革に色を定着させる。
・色馴染みを良くするために無色の乳化性クリームなどで手入れする。
このコンシーラーの注意事項は2つです。
・定着後にコンシーラーを完全に落とすことはできないので注意する。
・スムース革専用のコンシーラーですので、起毛革、エナメル、爬虫類などの革には使用できません。
合皮ソファーの場合
合皮ソファーに深めの引っかき傷がつけば、そこから破れの原因となるため早急に補修したいところです。しかし、本革と違ってコンシーラーなどは使えないため、補修箇所が目立ちますが、合皮の上から補修シートを貼って補修します。
【合皮用補修シート】
シートは必要な長さに切って補修箇所に貼り付けるだけなので簡単に補修できます。カラーの種類が少なく、カラークリームのように混ぜて調合できないため補修箇所は目立ちますが、被害を抑えることは可能です。
革ソファーの補修はリペア業者に!
革ソファーの補修のスペシャリストは家具屋かリペアです。家具屋の多くは革の張替えとなりますが、リペアはダメージを受けた部分だけ補修します。
家具屋で補修のみを受付けている場合もその多くはリペア業者への仲介です。革ソファー補修のプロフェッショナルはリペア業者なのです。ここではリペア業者について紹介し、本革ソファーを補修する工程を解説します。
リペアとは
リペアとは英語では「repair」となります。修理や修繕、復旧作業などを意味します。日本では車のリペアの認知度が高く、車体の凹みなどを修復する技術などが知られています。
家具のリペアも、家具を修復する技術や技術者のことです。ダメージを受けた部分を修復し、ダメージがなかったかのように仕上げます。アンティークな家具やお気に入りの家具が少しのダメージを受けただけで、大掛かりな補修となるのは避けたいことではないでしょうか。
リペアの大きな特徴はダメージを受けた素材が木材であってもステンレスであっても補修可能ということです。屋外や屋内の建材であっても修復できます。例えば、次のような家具のダメージであっても綺麗に修復できるのです。
もしも、壁に穴があいても次のような修復ができます。
このようにリペアの技術を活用すれば、革ソファーであってもダメージがなかったかのように修復できることが分かります。
本皮ソファーのリペアの工程
では、実際に本革ソファーのダメージを修復するリペアの手順を解説します。
【本革ソファーのリペアの工程】
・施工範囲をキレイに清掃してゴミやホコリを取り払う
・引っかき傷やひび割れ部分に充填剤を埋め込む
・ダメージ部分との違和感が生じないようにサンディングする
・革ソファーのカラーに調色した塗料をスプレーガンで調色する
革ソファーのダメージの深さやリペア業者の工法によって異なりますが、おおまかな流れは以上のようになります。
定額リペアで賢くソファーの補修を
リペアの料金形態は2つに分かれます。
1つはダメージを1つ修復するごとに料金が発生する「通常リペア」と、もう1つは時間内であれば革ソファーだけでなく、クライアントの気になる部分をすべて修復する「定額リペア」があります。
高級なソファーの一部だけの修復を望むであれば通常のリペアが適しています。ソファー以外にも気になるフローリングの黒ずみや、ダメージも同時に修復したいと思われるのであれば定額リペアにご相談ください。
無料見積もりフォームを利用することでお気に入りの革ソファーの補修費用が分かるだけではなく、気になっている家のトラブルも相談できます。