革のソファーは使用している部分と隅の色を比較すれば、どれだけ色落ちしているかがすぐに分かります。毎日目にする物だと色落ちに気付きにくいですが、色落ちを補修すると見違えるように印象が変わります。
そして、色落ちは自分で補修できる可能性もあります。
今回は革ソファーの色落ちの原因から補修方法・メンテナンス方法を解説します。自分で補修ができないケースであっても、諦める前に信頼して依頼できるプロフェショナルについても紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
革ソファーの色落ちの原因
革ソファーが色落ちする原因はいくつかありますが、主なものは水分や日光、摩擦の3つです。
湿気や水分
革ソファーに用いられる本革は「呼吸する」といわれています。革を構成するコラーゲン繊維が水を吸収し放出します。つまり、湿度が高ければ湿気を吸収し、乾燥している場合は吸収していた水分を放出します。天然木と同じような調湿作用があるのです。
この調湿作用を繰り返すことで表面の色が少しずつ変化し、変色する原因になります。こぼれた水分を放置すれば革が水分を吸収します。また、汗をかいた身体でソファーに寝そべったり、水分を含んだりしたバスタオルを放置しても、革が水分を吸収するため変色の原因となります。
日光
太陽光が革ソファーに当たることも色落ちの原因になります。人間でも海水浴で太陽光に当たれば日焼けします。同じように革ソファーの革も日焼けして色落ちします。違いがあるのは人間の日焼けは軽度の火傷のような症状になりますが、革ソファーの場合は火傷のような症状はありません。紫外線特有の性質によって色を抜き取られてしまうのです。これが日光による色落ちの原因となります。
人間の日焼けは人間がもつ自然治癒力や薬などによって回復しますが、革ソファーは自然治癒力がないため、色落ちは補修しなければ修復できません。
摩擦など
衣服等との摩擦により油分が抜けることも革ソファーの色落ちの原因となります。定期的にメンテナンスを施していれば防げます。革ソファーは摩擦しすぎないことと、乾燥させないことが大切です。
色落ちの補修方法
革ソファーの色落ちを補修する方法は3つあります。「レザーワックスで汚れを落として補修する方法」、「レザーコンディショナーで蘇らせる方法」、「補修カラークリームで着色して補修する方法」です。それぞれについて解説します。
レザーワックスで汚れを落として補修
レザーワックスを使用すれば、汚れを落として色落ちの補修ができます。使用方法は塗るだけです。注意事項はバックスキンやセーム革などに使えないことと、初めて使う場合は目立たない場所で試し塗りして1日様子をみることです。
撥水効果が高いので革の色落ち原因である水分への対応も可能です。無色なのでカラーを合わす必要がないことも大きな特徴です。
レザーコンディショナーで蘇らせて補修
レザーコンディショナーは革の毛穴に深く浸透し、古くなった革を蘇らせる効果があります。革ソファーの色落ちも革を蘇らせることで補修できます。また、革を保護する効果もあるため革の感触や光沢、潤い、柔軟性を保つこともできます。
【使い方】
・クロスにコンディショナーをつける
・目立たない場所で試し塗りを行う
・革をコーティングして乾かす
・余分なコンディショナーを拭き取る
・満足できない状態であればコーティングと拭き取りを繰り返す
カラークリームで着色して補修
革ソファーの色落ちはカラークリームで着色して補修する方法もあります。画像のカラークリームは48色もラインナップされているので、自分の皮ソファーに合わせて選べます。また色が合わない場合は、色を調合して自分の皮ソファーの色を作り出せるのです。試し塗りして色が違うと感じたら、すぐにクリーナーで落として塗り直せます。
【使い方】
・皮ソファーの汚れを落とす
・少量を布に取り薄い膜をつくるように塗る
・乾燥させる
・必要に講じて革専門のクリームなどでツヤ感を出す。
広範囲に使用する場合は水や別売のサフィールユニバーサルレザーローションで薄めて使うことも可能です。
色落ちを防ぐメンテナンス方法
革ソファーの色落ちを防ぐにはメンテナンスが大切です。適切なメンテナンス方法を知っていれば、色落ちだけでなく劣化も防げて長く使えるようになります。長く使えば経年による深い味わいも醸し出すことができ、より愛着を感じられる革ソファーになるのです。ここでは革ソファーのメンテナンス方法を紹介します。
ソファーのホコリを拭き取る
まずは革ソファーのホコリをキレイに取り除きます。ポイントは革ソファーの隅々までホコリやゴミを取り除くことです。場合によっては掃除機を使って隙間までくまなく掃除しましょう。革ソファーに傷を付けないように留意することも必要です。
次に、濡れたタオルで革ソファーの汚れを落とします。人の汗やペットの分泌物などが付着しているので、確実に落とすことを心がけましょう。叩くように拭くことがコツです。その後はすぐに乾いたタオルで拭きます。本革ソファーは水分に弱いため水分を残さず拭き取ってください。
レザークリーナーで汚れをとる
次に、レザークリーナーで汚れをとります。レザークリーナーの役割は革ソファーの汚れをとるだけではありません。クリーナーにもよりますが以下のような効果があるレザークリーナーもあります。
・皮ソファーの油分・水分の補給
・カビを落とす
・ツヤ出し効果
・柔軟性の復活
・傷に対する保護
注意事項はソファーの革の種類に合わせたレザークリーナーを選ぶことと、クリーナー以外の効果を確認することです。
レザークリーナーを使った一般的なメンテナンス方法は、しっかりと泡立ててから汚れている部分を拭くことです。ポイントはゴシゴシと力を入れないことと、優しくまんべんなく拭くことです。強く拭けばシミや色落ちの原因になりかねません。
革製品用のクリームで保護
レザークリーナーで汚れを落とせばキレイになった革ソファーを保護しましょう。革製品専用の保護クリームは、革の表面を乾燥や水分などから保護します。特に乾燥は色落ちやひび割れの原因になりやすいため、しっかり塗って革に表面を保護することをおすすめします。
革製品専用の保護クリームは、レザークリーナーが完全に乾いたあとで塗ります。乾いた布などで保護クリームを全体にすり込むように塗るのがポイントです。塗り終わったら乾くまで待ちましょう。
最後はきれいに乾拭き
革製品専用のクリームが乾いたら、最後に柔らかい布で革ソファーを乾拭きして仕上げます。乾拭きの目的はメンテナンスの途中でついたホコリやチリを取り除くことと、余計な油分を取ることです。ポイントはポンポンと軽く叩くような感覚で拭くことです。隙間や手の届かない場所は革製品で使われる馬毛のブラシの使用をおすすめします。
日頃の手入れで色落ちを防ぐ
革ソファーの色落ち防止には大掛かりなメンテナンスも大切です。日頃の手入れが行き届かなければ気づかない間に色落ちが発生している場合もあります。ここではメンテナンスの頻度や日頃の手入れについて紹介します。
定期的なメンテナンス
先に紹介した革ソファーのメンテナンスは2ヶ月に1度程度が最適ですが、難しいようであれば1シーズンに1回のメンテナンスをおすすめします。本革は呼吸し、調湿効果がありますので季節が変わるごとにメンテナンスすれば、使い心地が良く、お気に入りの革ソファーを長く使えます。
水気はすぐに拭き取る
革ソファーにとって水気は天敵です。濡れたらすぐに拭き取るようにしましょう。革に染み込む前に拭き取ることが大事です。もし気付かずに放置してしまったら、色落ちしたり、シミになったりする原因となります。
直射日光は厳禁
直射日光にはたっぷりの紫外線が含まれています。窓際や掃き出し窓などの近くに革ソファーを配置する場合には、カーテンなどで直射日光を当てないように工夫しましょう。太陽光の勢いが強い夏季には、ソファーカバーを利用する手段も効果的です。
暖房器具に注意
本革は乾燥しやすく温度変化にも強くありません。暖房器具の近くに配置すれば、乾燥からのひび割れが起こるかもしれません。また温度変化によって劣化を早める可能性もあります。リビングのレイアウトや寒さ対策で、どうしてもストーブ近くに革ソファーを配置する場合もあります。その際はメンテナンスの頻度をあげるなどの工夫で、色落ちなどの劣化を少しでも防ぐようにしましょう。
DIY補修が難しい場合はリペア業者に相談
革ソファーの色落ちを補修しても、直らない場合は専門業者に依頼するか、買い替えることになります。専門業者に依頼する場合は、革を張り替える家具店と色落ち部分の修復を行うリペア業者のどちらかを選ぶことになるのです。
DIYで補修しようとした革ソファーということは、お気に入りのソファーだということになるのではないでしょうか。そうなら、ダメージ部分のみを修復するリペア業者に補修可能かどうかを相談することから始めることをおすすめします。
革を張替えれば、これまでの気に入っていた質感が全く違ったものになります。買い替えれば、お気に入りのソファーは粗大ごみとなるのです。リペア業者の技術力で色あせが補修できればこれまで通りに革ソファーを使えます。
革ソファーも定額リペアで賢く補修
リペア業者には2つの料金形態があります。1つの修復箇所につき料金が発生する通常リペアと時間制で料金が発生する定額リペアです。
例えば、希少価値が高くお気に入りのソファーの色落ちのみのリペアでなら通常のリペアを選ぶとよいでしょう。
定額リペアであれば、ソファーの色落ち補修だけでなく、フローリングの凹みやキッチンの人工大理石の焦げも同時に修復してくれます。定額リペアは時間内であれば、革ソファー以外の家具建材・建具・家電・シンクなど家のトラブルを相談できるのです。興味のある方は下記の無料見積りをご利用ください。