フローリングがひび割れてきたり、欠けができたりすれば一大事です。安心してフローリングを踏みしめることができませんし、赤ちゃんやペットなど自由に遊ばせることもできません。
家族が怪我をする前に、早急に原因を追求して補修する必要があります。
今回は、フローリングの割れやひび割れ・欠けに特化して原因と補修方法を徹底的に解説します。読者のフローリング補修の一助になれば幸いです。
フローリングの割れ・ひび割れ・欠けの原因とは
フローリングには、大きく分けて3種類の素材があります。無垢材・突板合板・クッションフロアですが、木材を使った無垢材と突板合版がフローリング材の大半を占めています。
木材を使用しているメリットは、人間に優しい天然素材で、調湿性や心理的効果が優れている点ですが、デメリットとしてひび割れや欠けなどがあげられます。
なぜフローリングにひびが入って割れたり、欠けたりするのでしょうか?補修する上でも原因を知っておくと補修後の対策にも役立ちますのでここで解説します。
経年劣化
木材は、フローリング材に加工されても呼吸し続けています。日本の四季に合わせて湿気の多いときは湿気を吸い取り、乾燥していたら湿気を吐き出す調湿効果もあります。
その行程を繰り返すことによって徐々にダメージが蓄積されて劣化していくことが経年劣化です。
無垢材では、表面が乾きすぎるとひび割れの原因となります。また、水分を多く含み過ぎて角が腐食すると欠けの原因となり、共に補修が必要です。
突板合版では、表面の突板が劣化に伴って割れてきたり、ひび割れたりすることがあります。接着剤が剥がれて突板が浮いている状態ならさらに、割れたり欠けたりする可能性があがります。
木材の寿命は1000年以上と言われています。適切なメンテナンスや補修を施すことによって長く使うことが可能だということも忘れてはいけません。
温度と紫外線によるダメージの蓄積
日光には乾燥を促進させる働きと、強烈な紫外線が含まれています。また、温度を上げる作用もありますので、直射日光はフローリングの天敵です。
木材がまだ木であれば日光が無ければ育ちませんし死に絶えます。しかし、フローリング材に加工された後に日光に当たり続ければ、塗膜は破壊され表面はひび割れ、寒暖差によって亀裂が生じます。
寸法安定性すぐれた突板合版であっても木材でできていますので同じ症状が発生します。
木材の長所である調湿効果は、湿気を含むと木材が膨張し、湿気を放出すると木材は縮む伸縮効果も伴います。
この伸縮率が大きくなると変形し割れの症状がでるのが無垢材の特徴でもあります。
暖房器具による過乾燥の状態や加湿機などによる過加湿状態は突板合版であっても伸縮します。当然、人間の体調にも悪影響を及ぼしますので注意が必要です。
水分による変形
切り倒されたばかり生木は水分がたくさん含まれています。生木を十分に乾燥させることによって強度や寸法安定性が上がり建材として流通しているのです。
日本農林規格では、無垢材の含水率は15%以下と定められています。しかし、残念なことにフローリング材によっては含水率の検査が行き届いていないものがあり、家の完成後に乾燥し変形から割れにつながる例もあります。
また、水分があっても拭かれずに放置されている状態はフローリング材の腐食に繋がります。例えばペットが尿をしても気づかない場合は、フローリングの一定箇所が尿を吸収して、常に膨張しているので腐食が始まります。
腐食はフローリング材の継ぎ目から始まり角からボロボロと欠けていく場合が多いです。
荷重や摩擦によるダメージから
フローリング材は、ズレを防ぐために長手方向の2辺の端が凸凹の構造になっています。これをサネと呼びます。フローリングを施工する場合は、凹状に凸状を挟み込んで固定します。下の画像を参照ください。
問題は、このサネ継部分に根太がない場合や空間ができている場合です。その部分に極端な荷重や衝撃が加わると凹状のサネが割れてしまうことがあります。
また、ピアノなどの重量物を長く置く場合も同様に割れが発生します。ピアノは必ず補強してから設置するので心配はないのですが、もし補強せずにピアノを設置しているなら早めの対策を推奨します。
家具の移動による強い摩擦やキャスターの繰り返し摩擦は、フローリングのささくれから欠けやひび割れにつながることがあります。
フローリング割れ・ひび割れ・欠けは放置してはいけない!
フローリングの割れ・ひび割れ・欠けを放置してはいけない理由は損傷が広がるからです。
フローリングに割れ・ひび割れ・欠けがある。
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その部分にホコリ・砂・水分が入る。
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腐食が始まりカビも生える
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根太や下地も腐食が始まる
このように小さなダメージが肥大化していくのが割れや欠けの現象なのです。最も重大なのは腐食が始まれば、シロアリが発生する可能性が高くなることです。
シロアリが発生すると根太や下地にとどまらず知らない間に家の構造体に大きな被害を与える可能性があります。
フローリングの割れ・ひび割れ・欠けの初期段階であればDIYも可能ですし、難しいものはリペア業者に依頼すれば補修してくれます。
シロアリ被害が発生している場合は、シロアリ駆除から始まってリフォームとなりますので、莫大な費用を準備し長期間の工事を覚悟しなくてはなりません。
DIYのメリットとデメリットを知って補修しよう
昨今のDIYブームは、ブームが去るどころかますます加熱しています。マスコミがとりあげるだけでなく、専門書まで発刊されていて動画も配信されています。
フローリングの割れ・ひび割れ・欠けの補修なども取り上げられているようです。しかし、どのようなものにでもメリットがあればデメリットもあります。ここで、DIYの補修について考察してみましょう。
DIY補修のメリット
フローリングの割れ・ひび割れや欠けをDIYで補修する場合どのようなメリットがあるのでしょうか。
- 安価な費用で修理できる
- 応急処置ができる
- 経験値が増えて勉強になる
- 家に他人が入ってこない
- 暇つぶしになる・趣味が増える
- 家族や隣人に褒められる
などが挙げられます。
DIY補修のデメリット
それでは、逆にデメリットはどのようなものでしょうか
- 完全な補修に至らない場合が多い
- 時間を要する
- 労力を要する
- 失敗すると損傷が酷くなる
- 深い割れや広範囲のひび割れは補修できない
- 欠けの補修はプロ級の技術が必要
小さな割れを補修するだけでも、練れていなければかなりの労力と時間を要します。また、失敗すると時間と労力が無駄になるだけでなく費用も倍増する可能性がありますので、迷ったらプロに相談しましょう。
最新DIYグッズでフローリングの割れを補修する方法
DIYのメリットとデメリットをご理解いただけたでしょうか。それでは、少しでもDIYが簡単に上手にできるようにフローリングの補修に適した最新のDIYグッズを紹介します。
カラースティックで補修
カラースティックは、割れやひび割れ部分に樹脂を溶かして流し込み補修します。欠けの部分は樹脂を溶かして成型して補修しますが難易度があがります。今回は、割れとひび割れについての補修方法を説明します。
使用方法
- フローリングの割れやひび割れのバリや埃・汚れなどをきれいに掃除する。
- 付属の電熱コテを予め温める。
- フローリングに合ったカラースティックを選び、温めた電熱コテのヘラ部分で溶かす。
- コテを傾けてフローリングの傷や割れ部分に樹脂を流し込みます。このとき少し樹脂が盛り上がる程度まで流し込むほうがきれいに仕上がります。
- 補修箇所とその周辺に付属のカラースティック耐熱保護剤を多めに塗る。大熱保護剤を塗ることで余分な樹脂をコテで取り除きやすくなります。
- 電熱コテを向こうから手前に引き埋めた部分を平らにする。コテに付着した樹脂はその都度拭き取る。
- 付属のペンで、周囲と合わせた木目を描く。濃く書いてしまった場合は付属のスチールウールで軽くこすって濃さを調整する。
「キズなおしま専科」は、フローリングのキズを補修するための小道具が全て揃えてセットになっていますので、DIY初心者の方でも比較的に取り付きやすいグッズです。
電熱コテで火傷したり、割れやひび割れ以外の塗膜を溶かしたりしないように注意して使用しましょう。
木工パテで補修
木工パテは、すぐに乾いて木材に近い色調なので、割れやひび割れ部分に埋め込んで補修します。
使用方法
- フローリングの割れやひび割れ部分の埃や汚れを取り除き、きれいに掃除する。
- 割れ・ひび割れ部分に押し込みようにパテを埋め込む。このとき盛り上がるように多目に埋め込むのがポイントです。
- 完全に硬化するまで待ちます。
- 硬化後はサンドペーパーで表面を平らにする。
- フローリングの色に合わせた塗装やカラーワックスで仕上げる。
ポリマー樹脂製ですので、念の為に手袋をして使用することをおすすめします。また、使用時や使用後は十分に換気してください。
エポキシパテを利用する
割れだけでなく、欠けも成形して補修できるのがエポキシパテです。10分程度で木のように硬化し、硬化後は、釘打ちや穴あけができますので使い勝手が良いパテです。
使用方法
- 割れやひび割れの埃や汚れをきれいに取り除きます。
- よく乾燥していることを確認しサンドペーパーで表面をザラザラにします。
- 付属の手袋を着用しケースからエポキシパテを取り出す。
- パテのフィルムを剥がし必要量切り取ります。
- 色むらがなくなるまで練り合わせます。
- 練り合わせたものを割れやひび割れに埋め込みます。
- 硬化後にヤスリなどで平らにしてフローリングに合った塗装を施す。
ヤスリがけや塗装などは完全硬化後(24時間)に行ってください。欠けの補修は、練り合わせた後で成形してフローリングに埋め込んで硬化を待ちます。
作業中や作業後は十分に換気しましょう。
無垢フローリングならではの補修法
無垢材のフローリング限定の補修方法があります。無垢材は、目割れと言われる木目に添って割れが生じる場合があります。
原因は、乾燥しきれていない無垢材を使用したか、湿度や温度の急激な変化などです。
目割れであっても、割れであっても放置すると怪我の原因にもなりますし、フローリングの損傷を加速させます。
そこで、無垢材ならではの簡単な補修方法で応急処置を施すことをおすすめします。
作業手順
- 無垢のフローリングの割れ部分の埃などきれいに取り除く。
- 割れた部分に液状の瞬間接着剤を流し込みます。
- 割れ目付近をサンドペーパーで擦り、出てきた木くずを瞬間接着剤と混ぜながら割れ目を埋めていきます。
- 割れ目にしっかり埋まり瞬間接着剤が乾いたらサンドペーパーで平らにします。
- 補修箇所が目立つようならフローリングに合った塗装を施しましょう。
この方法なら、最低限必要なものは瞬間接着剤とサンドペーパーだけなのでとても経済的ですし、短時間で応急処置を施せます。
割れが酷くなるようなら早めにプロに相談しましょう。美しい無垢材のフローリングを長持ちさせる可能性が大きくなります。
リフォームする前にリペアの技を確認
テレビのタレントさんやモデルさんが、リノベーションで古民家などの再生している企画をよく目にします。構造体を生かして新しい息吹を家に吹き込む姿勢は見ていて気持ち良い感じがする方も多いのではないでしょうか。
ここで整理したいことは、リノベーションやリフォームとリペアの違いです。
簡単に言えば
リノベーション=古民家などの再生・再活用
リフォーム=建材や建具などの交換
リペア=既存のものを修復
となります。
大切なものほどリペアする傾向となっています。しかし、費用はリペアが最も経済的でリノベーションが最も高額というのが一般的です。
リフォームしなくてはいけないフローリングの症状
フローリングの割れ・ひび割れ・欠けの症状でリフォームしなくてはいけない症状は基本的にありません。
ただし、割れ・ひび割れ・欠けが原因となって水が溜まったり、汚れが溜まったりして腐食が始まるケースはあります。その腐食を放置して年月を経ると根太や下地が腐っている状態になりますのでリフォームの出番です。
つまり、割れ・ひび割れ・欠けの段階から根太が腐食する手前までは、リフォームの必要が無いということです。
まだ築浅なのにフローリングが割れやひび割れだらけになっている場合は、施工不良の疑いが強いので、販売・施工業者に連絡して責任をとってもらうようにしましょう。
リフォームより経済的なリペアとは
リペアと聞いてもどのようなことができるのかピンとこない方もいるでしょう。リペアとは修復することです。直訳しても修復です。
では、どのようなものを修復できるのかというと、基本的に家で使われているものなら全て修復できます。テレビの故障や割れたガラスなどは専門外ですが、テレビの外枠の割れや窓枠の凹みなどは復元できます。
フローリングの割れ・ひび割れ・欠けなどは、最も得意とする分野です。画像のように抉れて欠けていても木目まで再現して見事に修復します。
他にもフローリングの施工事例を載せていますのでご参考ください。
https://teigakurepair.com/flooringjirei
フローリングの悩みについては、最も経済的なリペア業者から相談すると費用を抑えられて解決への近道となる可能性が高いです。
リフォームは、リペア業者が修復不可能と判断してからでも遅くありません。思い入れがあればなおさらです。今あるものを修復して大事に使うことはゴミの削減につながります。また、日本人が世界に誇る美徳の一つでもあります。
リフォームの相場
上のグラフは6畳のフローリングをリフォームした場合の価格相場です。概ね15万から20万円程度かかります。このリフォームの基準は、フローリングの張り替えだけです。
リフォームのデメリットは、この予算の確保とまだ使えるフローリング材まで張り替えてしまうことです。
また、もし根太や下地までリフォームする場合は、かなりの予算を準備して工事期間も確保する必要があります。
共働きが増えている社会の中で予算とともに悩ましいのがこの工事期間です。鍵を渡してお任せするのは不安が残ります。しかし、何日もリフォームの為に仕事を休むのも難しいのではないでしょうか。例えテレワークでも何日も工事されると仕事に支障をきたすでしょう。
フローリングの割れ・ひび割れ・欠けなどのダメージを早めに補修しておけばリフォームなど必要ないかもしれません。1-1でも述べましたが木の寿命は1000年以上です。
リペアの相場
リペアの相場は、1箇所の補修につき技術料が1万~2万円です。修復の難易度によって若干上下しますし、新規の部材を購入した場合などはプラスされます。
当サイトでは、1箇所につき1万3000円から承っています。
また、フローリングに複数の割れやひび割れがある場合は定額リペアをご利用ください。時間内であれば何箇所でも修復いたします。
リフォームと違って時間単位で作業を終えますので、何日もお邪魔することはありません。
優良なリペア業者の選び方
リペア業者にフローリングの修復を依頼するならできるだけ優良な業者に依頼したいと思うのは当然のことです。
選考基準は
- ホームページがある
- 見積りが無料で簡単にとれる
- 施工事例があって技術力を確認できる
- 見積りが安すぎない
- 家から遠すぎない
- 保証体制が整っている
などです。
この中で、最も注意しなければいけないのが見積りの安い業者です。技術力なくて保証がない場合がほとんどです。リフォームの片手間にやっている可能性もあります。
そのような業者は、状況をみてすぐにリフォームすることを提案してきますので、納得できなときはきっぱりと断りましょう。
フローリングのダメージは、生活に支障をきたします。より良いDIYやリペアなどで早めに修理しましょう。それが結果的にお財布に優しく、家や家族を守ることになります。