多くの人から愛される布ソファの弱点は汚れやすいことです。革系のソファよりも水分を吸い込みやすく、布の織り目にチリやホコリも入りやすいのが難点となっています。
今回は、布ソファの弱点である汚れについて、原因ごとに落とし方を詳しく解説します。ぜひお掃除の参考にしてください。
布ソファが汚れる原因
ソファの素材は大別すると本革・合皮・布に分かれます。布のソファは本革や合皮と比較して汚れやすく掃除しにくい点があります。革系のソファであれば拭くだけで済むような汚れでも、布であれば生地に染み込むかもしれません。まずはソファが汚れる原因を考えてみます。
【布ソファが汚れる原因】
・チリ・ホコリが生地の織り目に入りこむ。
・家族の皮脂汚れなどが生地に付着する。
・食べこぼしや飲みこぼしが浸透しシミになる。
・子供などが落書きする。
・ペットがオシッコをする。
今回は、布ソファの汚れの中で上記のあげた項目の対策を1つずつ解説していきます。
チリやホコリは掃除機やクリーナーを活用
チリやホコリは布ソファの天敵です。生地の織り目に入り込むため、気付かない間にダニなどの発生原因を蓄積している可能性があります。布団たたきなどで軽く叩くだけでもホコリが出るようなら要注意のサインです。
布ソファに蓄積するチリやホコリは、掃除機や粘着クリーナーで除去することをおすすめします。折り目まで入り込んだチリやホコリは掃除機で吸い取るようにしましょう。
【掃除機はハンディクリーナーが使いやすい】
掃除機は本体やノズル、コードなどがあって使いにくい印象があります。現実的にも一般的な掃除機で布ソファの隅々まで掃除することは一苦労です。ハンディクリーナーを使えば、充電式なのでコードをつなぐ必要がなく、付属のアクセサリなどを使い細部まで掃除することができます。チリやホコリにはハウスダストが含まれていますのでアレルギー対策にもなります。
・髪の毛やペットの毛なら粘着クリーナーも効果的
粘着クリーナーも布ソファの汚れを除去する効果が高いツールです。布ソファの手入れをするのであればハンディタイプが使いやすいでしょう。コロコロを転がすだけで、ホコリやチリだけでなく、ペットの髭や髪の毛が除去できます。難点は、布の織り目にまで入り込んだチリやホコリなどのゴミを取り除くことは難しいため、掃除機と併用して使用することをおすすめします。
皮脂汚れは重曹を活用
重曹は、自然界に存在する「炭酸水素ナトリウム」の別名「重炭酸ソーダ」の略称です。弱アルカリ性で、人体に無害なため精製されたものは食用としても使われます。
ただし、洗浄用は純度が低いため、食用に重曹を使う場合は食用を必ず使うようにしましょう。
重曹を使うメリット
ソファの皮脂汚れに重曹を使うメリットは無害であることです。子供やペットに優しい化学物質ですので安心して使えます。弱アルカリ性であるため油汚れや皮脂汚れを落とすのに効果があり、消臭効果も高いためソファについた臭いを取り除くことも可能です。
粉末のままで使えて、水に溶かしても効果を発揮するため、万能型の洗浄剤とされています。
重曹を使った汚れの落とし方
それでは、重曹を使った布ソファの皮脂汚れを落とす方法を解説します。掃除機や粘着クリーナーを準備してください。
【重曹での布ソファのクリーニング方法】
・本体と座面が分かれているタイプは座面を取り外します。その際、外せるものは全て外してください。
・ソファや座面などのゴミを掃除機や粘着クリーナーで取り除きます。
・ソファや座面などにまんべんなく重曹を撒きます。汚れが酷い部分は重点的に撒きましょう。
・時間があれば半日放置しましょう。短くても3時間程度は放置してください。
・掃除機で丁寧に重曹を吸い取ります。ゆっくりと吸い取ることがポイントです。
重曹が皮脂汚れや臭いの元を吸着してくれるので、掃除機で重曹を吸い取れば、布ソファはキレイになり臭いもなくなります。もし汚れや臭いが残っているようなら、再度同じ作業を繰り返しましょう。
飲食のシミは重曹・洗剤・漂白剤を活用
布ソファは食べこぼしや飲みこぼしを生地が吸収するため、シミができやすい特徴があります。すぐに対応すればシミにならない場合もありますが、基本的にシミになると認識しておくほうがよいでしょう。ここでは2つのシミ取り方法を解説します。
重曹+中性洗剤でのシミ取り方法
食べこぼしや飲みこぼしのシミには、重曹と中性洗剤を混ぜ合わせた「自家製シミ取り剤」が有効です。この洗剤の配合は、ぬるま湯100mlに対して、重曹3gと中性洗剤3ml程度です。この比率で落ちない場合は、重曹や中性洗剤の量を増やしてください。ただし、10%を超えるような濃度にならないように注意しましょう。
【自家製シミ取り剤の使い方】
・自家製シミ取り剤を布に染みこませます。
・シミ取り剤が染み込んだ布で、シミの外側から円を描くように中心に向かって表面をトントンとたたきます。シミの外側から始めるのは輪ジミを防ぐためです。
・シミが取れたことを確認します。
・洗剤が入っていないぬるま湯を含ませた布を固く絞りましょう。
・その布で自家製シミ取り剤を拭き取ります。洗剤が残っていれば新たなシミになるかもしれないため、入念に拭き取ることを心がけてください。
・水分を乾いた布でトントンと拭き取ります。
・乾燥させますが、ドライヤーの熱風は避けてください。
この方法で落ちないシミは、次に解説する塩素系漂白剤を使います。
上記で落ちなければ塩素系漂白剤
【塩素系漂白剤でのシミ取り方法】
・ぬるま湯1Lに大さじ2杯の塩素系漂白剤を溶かします。液体タイプの場合はまぜるだけです。
・布に薄めた塩素系漂白剤を染み込ませます。
・輪ジミにならないようにシミの外側からトントンと叩きましょう。
・約1時間放置します。
・ぬるま湯を含ませた布を固く絞って、塩素系漂白剤を取り除きます。漂白剤が残らないように入念に取り除いてください。
・乾いた布でトントンと叩いてから乾燥させますが、ドライヤーの熱風は避けてください。
塩素系漂白剤の濃度を上げて濃くすることは危険です。下手をすると布の色素が落ちて、補修できなくなる場合もあるので注意しましょう。塩素系漂白剤でも落ちないシミは、シミ取りのプロに依頼するしかないためリペア業者に相談してください。
落書きはペンの種類によって落とし方が異なる
布ソファにペンで落書きしてしまったら、落とすのが大変と思われるかもしれませんが、意外と落としやすい場合が多いのです。ペンの材質によって落とし方が異なるため、水性ペンと油性ペン(クレヨン)の落とし方を解説します。
水性ペンの落書きの落とし方
水性ペンで落書きを落とす場合は、石けん水が有効です。
【石けん水での落書きの落とし方】
・落書きの上から石けん水を吹きかけてください。
・石けん水の上にキッチンペーパーを置き、落書きをキッチンペーパーに染み込ませます。
・落書きが落ちたら、石けん水をきれいに拭き取りましょう。
・落書きが落ちていない場合は作業を繰り返します。
・石けん水が残らないように水拭きし、石けん水がシミの原因にならないように残らず拭き取ることがポイントです。
・乾いた布で水分を拭き取ってから乾燥させます。
キッチンペーパーや布でこすって、落書きを広げないことがポイントです。
油性ペンやクレヨンの落書きの落とし方
油性ペンの場合は、水性ペンに比べて落書きが落ちにくいため、中性洗剤から始めて、落ちない場合はクレンジングオイルを使います。クレンジングオイルでも落ちない場合はベンジンを使って落とすことになります。
・中性洗剤
【中性洗剤での落書きの落とし方】
・水で薄めた中性洗剤を布に含ませ落書き部分を叩くように拭き取ります。
・落書きが落ちれば中性洗剤を拭きとり、中性洗剤が残らないように水拭きしましょう
・乾いた布で水分を拭き取ります。
・ドライヤーの熱風は避けて乾燥させましょう。
・クレンジングオイル
【クレンジングオイルでの落書きの落とし方】
・らくがきにクレンジングオイルを垂らして布で叩くように汚れを落とします。
・落書きが落ちたらクレンジングオイルを拭き取りましょう。
・クレンジングオイルがシミの原因とならないように、丁寧に水拭きしてクレンジングオイルを取り除いてください。
・乾いた布で水分を吸収させ乾燥させます。
クレンジングオイルで、油性ペンやクレヨンが広がらないように落とすのがポイントです。
・ベンジン
【ベンジンでの落書きの落とし方】
・ベンジンを布に染み込ませます。
・輪ジミにならないように、落書きの周辺から中心に向かって、叩くように汚れを落としていきます。
・落書きが落ちたらベンジンを拭き取りましょう。
・ベンジンが残らないように丁寧に水拭きしてください。
・乾いた布で水分を取り除きよく乾燥させます。
ベンジンを使用すると、布ソファに使われている染料に反応して色落ちや変色の可能性があります。まずは目立たない場所でテストしてから使用するようにしてください。
ペットのおしっこはクエン酸スプレーを活用
ペットのおしっこによる汚れを落とすには、クエン酸スプレーが有効です。ペットのおしっこから発生する臭いの原因は尿素であり、弱アルカリ性となります。クエン酸は酸性であるため、中和させることで汚れや臭いを解消する働きがあります。紹介しているクエン酸水は泡タイプですので、使いやすくペットのおしっこにすぐ対応できます。
ただし、クエン酸自体が酸性の中でも強酸性なので、汚れや臭いが落ちた後は、よく水拭きしクエン酸を除去してください。ペットは同じ場所でおしっこをする習慣があります。乾燥後はペットの臭い消しやペットが嫌がる臭いなどを利用して、ソファでおしっこをしないような対策を講じましょう。
布ソファの汚れ防止方法
布ソファは、革系のソファに比べて、汚れやすくシミができやすいのが難点です。ソファの汚れ防止方法を知っておけば神経質にならずに使用できます。ここでは、3つの対策方法を紹介します。
ソファカバーで本体を守る
簡単に布ソファを守るためには、ソファカバーを付けることが手っ取り早いです。汚れたらソファカバーを外して洗えば済みます。伸縮性が良いタイプはソファにぴったりフィットしてずれにくいため、布ソファの長所を活かして利用できます。
防水・撥水スプレーで予防
ソファカバーを付けるとお気に入りのソファの風合いやデザインが崩れるという人には、防水スプレーで布ソファを防御することをおすすめします。変色の心配があるため、まずは目立たない場所でテストしてください。
防水スプレーをすれば食べこぼしや飲みこぼしでシミになる心配もなければ、ペットのおしっこによる被害も軽減できます。紹介している防水スプレーはUVカットタイプなので、日焼けによる色あせを軽減することも可能です。
そもそも汚れが目立たない色を選ぶ
布ソファは色が薄ければ薄いほど汚れが目立ちます。純白の布ソファなどは、ほこりがついただけでも変色する恐れがあります。初めから汚れが目立たない布ソファを選べば汚れが目立たないため気にせずに使用できます。もちろん定期的に掃除しなければホコリやチリがたまるため注意しましょう。
どうしても落ちない汚れはリペア業者へ依頼する
布ソファは汚れが付きやすくシミもできやすいです。 DIY で落ちる場合もありますが、無理をして汚れを落とそうとすれば、生地を傷めたり汚れが拡散したりする場合も少なくありません。落ちない汚れは修復のプロフェッショナルであるリペア業者に相談しましょう。上の画像のように、大きなシミも無かったことになるような技術力を有しています。気になる方は、下記の「無料見積もりフォーム」を利用してください。