洗面台は住人が毎日使う大切な建具です。大事に使っていてもいつの間にか傷がついているケースも少なくありません。洗面台の傷は補修するか、洗面台を交換するかの2択です。
今回は交換せずにDIYで補修する方法を解説します。自宅の洗面台の補修に役立ててください。
洗面台の素材は主に3種類
洗面台の洗面ボウルには素材がいくつかあります。一般的に使われている素材は「陶器」、「ホーロー」、「人工大理石」の3つです。それぞれに特徴があるため、傷がついた場合の補修方法も異なります。
素材の中には一時的な補修ができても、傷による水漏れのため交換せざるをえないケースも少なくありません。次項で洗面台の傷の補修方法を素材別に解説します。
陶器製洗面台の傷のDIY補修
洗面台の傷を放置すれば、その傷は水漏れの原因となり使えない状態になるでしょう。ここでは3つの洗面台素材の中で陶器製の洗面台の特徴や補修方法などを解説します。
陶器製の特徴
陶器製の特徴は、陶器ならではのツヤ感や美しさです。白やアイボリーだけではなく、大皿のような色彩で絵柄が入ったものもあります。硬度が高いことも大きな特徴であり、お手入れがしやすいこともメリットです。一方で陶器は焼き物であるため衝撃で割れる恐れがあり、細かい汚れが付きやすいことがデメリットもあります。
陶器の傷の補修方法
陶器製の洗面台の傷は基本的にDIY補修では完全に直すことは難しいでしょう。DIY補修することができても、あくまでも一時しのぎでしかありません。本格的な補修は、専門業者に依頼することをおすすめします。
【陶器製の洗面台の傷をDIY補修する方法】
・傷の周辺をきれいに掃除する
・傷も含めて完全に乾燥させる
・ノズルの先が細く防水性の高い接着剤を用意する
・傷に沿って接着剤を塗り込む
・完全に乾燥させる
水漏れの不安がある場合は重ねて接着すると強度と防水力が上がります。接着剤の効果が薄くなる前に、専門業者に補修を依頼しましょう。
ホーロー製洗面台の傷のDIY補修方法
ホーローと聞けば鍋をイメージする人も少なくありませんが洗面台にも使われています。ここではホーローの特徴とホーロー製の洗面台の傷を補修する方法を解説します。
ホーロー製の特徴
ホーローは5mmぐらいの鋳物(鉄)の表面にガラス質の釉薬をかけて高温で焼き上げたものです。耐火性が高いため、鍋などに使われることが多いですが、酸やアルカリに強く、汚れや臭いがつきにくいため洗面台にも適しています。
デザイン性も高く防水力も高いため、水仕事に用いられるケースが多く見られます。尖ったものや重いものを落とした場合に、表面のガラス質に傷が入ったり、欠けたりすることがあります。
ホーローの傷の補修方法
ホーロー製の洗面台の傷の補修には画像のようなホーロー専用の接着剤をお勧めします。
【ホーロー製の洗面台の傷の補修方法】
・補修箇所のゴミや錆、油、水垢などの汚れを紙ヤスリや塗料うすめ液で落とし乾燥させる
・A剤とB剤それぞれ同じ量を絞り出す
・付属のヘラで均一になるまでよく混ぜる
・必要に応じて水性絵の具を加えて色を調整する
・補修箇所に塗布する
・台紙の左上から紙ベラを切り落とす
・紙ベラで表面を掻き落として平らにならす
・完全に硬化するまで待つ(約3時間)
・400番程度の紙やすりで表面を平らにする
ホーローの傷はDIYで補修できますが、完璧な補修を求める場合は専門業者に依頼することをおすすめします。ホーローの傷が深く、ガラス質を破って中心にある鋳物金属部分に水分が達している場合も専門業者に相談しましょう。鋳物金属部分が錆びる恐れがあり、ダメージが広がれば洗面台を交換しなければならない恐れがあります。
人工大理石(樹脂)製洗面台の傷の補修方法
人工大理石とは、大理石に見える樹脂です。よく似たものに人造大理石があり混同される方も多いのですが材質的には全く異なります。
人造大理石は粉砕した天然石を樹脂やセメントで固めたものであり、人工大理石は樹脂です。ここでは人工大理石の特徴と傷の補修方法について解説します。
人工大理石の特徴
人工大理石は、陶器のように割れることがありません。樹脂は成形しやすいため、デザイン性が高くなります。つなぎ目のない一体型の洗面台を製造できるため、隙間がなくなり手入れが簡単です。ただし、陶器やホーローに比べれば硬度が低いため傷がつきやすいのがデメリットです。
新品の間は表面がコーティングで保護されているため傷つきにくい状態です。経年や日々の掃除などでコーティングが剥がれると傷が付きやすく付いた傷も目立ちやすくなります。
人工大理石の傷の補修方法
人工大理石は樹脂でできていますがDIY 補修する場合は「石材補修セット」をおすすめします。セットの中には補修で必要なものがすべて揃っているため、 DIY 初心者であっても簡単に補修できるでしょう。
【人工大理石の傷を石材補修セットで補修する方法】
・付属のビニール手袋を着用する
・パテを切り取って練る
・洗面台のカラーに合わせて着色する
・補修箇所にパテを盛り込む
・完全に硬化するまで待つ
・サンドペーパーをかけて平らにする
・洗面台の模様に合わせて大理石らしく描く
洗面台のカラーを合わせたり、人工大理石の模様まで描けたりすることができるため、時間はかかるかもしれませんが、かなり本格的な補修が可能です。
しかし、途中で失敗した場合は無理せず作業を止めて、専門業者に補修を依頼することをおすすめします。
【素材別】洗面台のトラブル
自宅で使用している洗面台の素材を知って、その素材の洗面台に起こりやすいトラブルを知れば洗面台を長く使用できます。ここでは洗面台に起こりやすいトラブルを素材別に解説します。
陶器製洗面台のトラブル
陶器製は洗面台の素材として最も一般的です。デザインが豊富でカラーバリエーションがあり、絵柄が付いたものもあります。小さなキズや汚れがつきにくい特徴があり、仮に汚れが付いてもしっかり拭き取れば綺麗になります。
陶器の洗面台に起こりやすいトラブルは衝撃によるひび割れや傷です。化粧品の瓶や電気式シェーバーなどが落ちただけでも、割れる可能性があります。
陶器製の洗面台で注意すべき点は重さのあるものや尖ったもの、角があるものの取り扱いです。このようなものを洗面台で使用する際は「落としたら割れるかもしれない」と認識しておきましょう。
ホーロー製洗面台のトラブル
ホーローは金属とガラスの長所を取り入れた素材です。金属の強度とガラスの美しさを併せ持ち、耐火性が高く、汚れも臭いもつきにくい特徴があります。中心が金属であるため強い衝撃を受けても陶器のような割れ方はしません。
しかし、表面のガラス質が割れたり、欠けたりする可能性があります。ガラス質は熱湯を使用後すぐに冷水を欠けた場合もひび割れができたり、傷になったりすることがあります。
問題なのは中心の金属の酸化や錆です。水分がダメージ部分から入り込むことで、金属の腐食が進めば穴が開く可能性もあります。ホーローの洗面台は「衝撃や温度差に注意」と認識しておきましょう。
人工大理石洗面台のトラブル
人工大理石は、大理石に見えるようにアクリル樹脂やポリエステル樹脂などで形成された素材であり、石は使われていません。コストパフォーマンスが高く、成形や着色しやすい素材ですのでデザイン性が高く人気もあります。
硬いものや重いものを落としても割れにくい性質があります。しかし、研磨や摩耗に弱いため、ナイロンタワシなどでゴシゴシこすればコーティングが落ちて劣化を早めるでしょう。人工大理石の洗面台に毛染め剤が落ちれば着色してしまってなかなか落ちなくなるケースもあります。人工大理石の洗面台は「化学薬品と摩耗に注意」と認識しておきましょう。
洗面台の傷を完璧に修復するのなら定額リペア
洗面台は、人工大理石を活用した一体型、洗面ボウルを陶器やホーローで仕上げたものが主流です。洗面台の傷の補修の専門業者は大別すれば2つあります。
1つは、洗面台や洗面ボウルを交換するリフォームであり、もう1つは洗面台のダメージそのものを修復するリペアです。
画像のような傷を補修する際に、リフォームを選択すれば洗面台を新しく選んで、洗面台全てを交換することになります。リペアを選べば、画像のように傷がなかったように補修し仕上げます。
リペアは素材を選ばないことも大きな特徴です。建材で最も多く使われている木材をはじめ、ガラスや陶器、金属、樹脂などどのような素材であっても、ダメージを修復できます。リペアには、補修箇所ごとに費用が発生する通常のリペアと、定額制で時間内なら複数箇所の修復を行ってくれる定額リペアがあります。
定額リペアなら、補修箇所が増えても補修費が膨らむことがないため安心して補修を依頼できます。洗面台の修理に限らず家でお困りの不具合があれば、相談すると答えが見つかるでしょう。