洗面台に突然、ひび割れなどのダメージがあった場合すぐにどう対応して良いか答えを出せる人は少ない。
素材が何なのかわかっている人も稀である。
故に、補修方法を知っている人も限られた人達だろう。
今回は、普段使っている洗面台にトラブルがあっても、慌てずに出費を抑えた補修ができるように記事を進めるので、大切な住まいを守るために役立てて欲しい。
洗面台のダメージを放置してはいけない
洗面台は、素材にもよるが想像以上にダメージを受けやすい。衝撃で割れたり、欠けたりすることもよくある事例だ。
しかし、洗面台のダメージを放置してはならない。小さなひび割れでも放置すれば、水が入り込み劣化を早めて水漏れの原因となる。
水分は全ての建材の天敵である。フローリングならフローリング材を傷める原因になる。洗面ボウルの場合も、ひび割れなどに入り込み腐食やカビの原因となる。
洗面ボウル以外の場所にもダメージを受ける場合がある。ボウル同様に欠けたりひび割れしたりすれば早急に補修したほうが良い。
なぜなら、洗面台が設置されている場所のほとんどは浴室に近い場所であり、湿度が高い場所だからである。
どのような素材であっても、ダメージ部分が湿気や水分を吸えば、腐食やカビの被害が発生する。
洗面台は使用頻度が高い建具なので、いつでも安心して使える環境である事が生活満足度のベースとなる。
洗面台の特長とよくあるトラブル
洗面台は、洗面ボウルとそれを設置する建具によって構成されている。もちろん配管や蛇口なども大切な部材だ。
洗面台で最も重要なのが洗面ボウルであり、大きく分けて3つの素材が使われている。陶器・ホーロー・人工大理石である。
素材とその特長を理解していれば、補修時やリフォーム時に役立つことも多いのでここで特長などを解説させていただく。
ポピュラーな陶器の場合
陶器製の洗面台は最も普及されている。故に、デザインが豊富でカラーバリエーションにも富んでいて、綺麗な絵付けされているものも人気が高い。
陶器製のメリットは、種類が豊富なこと以外にも硬度が高いので小さな傷がつきにくい点だ。丼や茶碗などと同様でゴシゴシ洗っても傷はつかないし美しい光沢を長く楽しむことができる。
また、供給が多いのでリーズナブルプライスでラインナップされているのも魅力の一つだ。
掃除さえ怠らなければ、綺麗な状態をキープできるのでメンテナンスも容易である。
デメリットは衝撃に弱いと言うことだ。シェバーを落としただけで、割れたりひび割れたりする場合もある。
陶器製の補修は、優秀なリペア職人以外は修復不可能なので扱いに注意することも忘れないでいただきたい。
高級感のあるホーローの場合
ホーローは鉄や銅などの金属素材にガラス質の釉薬を塗って焼き付けたものである。簡単に言えば金属にガラスを焼き付けたものだ。
メリットは、金属の耐久性を持ちながらガラスの光沢を兼ね備えている点だ。耐熱性が高く、耐水性も極めて高い。また、耐傷性も高いので、メンテナンスが簡単なのに光沢がある。常に清潔感と高級感を感じることができる稀な素材だ。
デメリットは、コーティングの剥がれやひび割れだ。耐久性が高いので簡単に剥がれたりひび割れたりしないが、ガラス質でコーティングなので強烈な衝撃には耐えられない場合もある。
また、経年劣化で剥がれやひび割れが生じる恐れも否定できない。
コーティングの剥がれにひび割れに水や湿気が入ると中の金属にサビが生じる。直ちに使用できない訳ではないが、サビが酷くなると補修に時間と費用を要することになるので早めに補修することを推奨する。
デザイン豊富な人工大理石の場合
人工大理石は「大理石」とついているが天然石は含まれていない。アクリル系かポリエステル系の樹脂でできているのに大理石のような質感が特長だ。
メリットは、樹脂製なので成形や着色が容易であり、豊富なデザインとカラーバリエーションがラインナップされている点だ。また、大量生産できるので、経済的な価格で入手できて見栄えが良いことも評価されている。
割れにくい点も樹脂製の長所であり、陶器やホーローと比べても割れやひび割れの可能性は極めて低い。
デメリットは、傷がつきやすく変色しやすい点だ。防水性に影響が出るほどの傷は、よほどの事がない限りつかないが見栄えが悪くなる。研磨剤の入った洗剤などでゴシゴシ洗うと艶も落ちる可能性が高い。日焼けや毛染め剤などで変色することもある。
洗面台は補修できる
洗面台は基本的に補修可能だ。リフォームで交換するしか方法が無いのかと思われるようなダメージでも補修できる。リフォームと補修では費用に雲泥の差がある。
直せるものは直して使うことが大事だ。エコロジーを求められている時代に産業廃棄物をふやすことは避けたほうが良い。愛着あるものなら尚更のことである。
傷やひび割れ・欠けを補修
洗面台は、たくさんの部材で構成されている。洗面ボウルをメインにそれを設置する土台や蛇口・排水関連などだ。一体型のものは、鏡や洗面用品・化粧品を置くスペースもあって、非常に便利になってきている。
洗面ボウルや土台などに傷やひび割れ・欠けなどのダメージがつけば補修して使い続ける事が可能だ。リフォームは最終手段と認識しておくと良いだろう。
パーツは交換しよう
排水関係の部材や蛇口などのパーツが損傷した場合は、応急処置を施すことが先決だ。その後、パーツを取り替えれば問題なく使用できる。
パーツはメーカーから購入するかホームセンターで適応しているものを購入しても問題ない。近年は、ホームセンターよりもネットショップのほうが、品揃えなどが充実しているので、交換に必要なものが理解できていたらネットを使うほうが便利である。
洗面台の補修はプロに依頼するかDIYで直すかである。水回りのことなので、失敗すれば洗面台以外にも被害が及ぶ可能性があることを認識して、補修にあたる必要がある。
洗面台のダメージをDIYで直す方法とアイテム
洗面台をDIYで補修する場合は水漏れを起こさないように細心の注意が必要である。部材の交換などは適合するものに取り替えて、テストを繰り返せば良いだろう。
しかし、洗面ボウルとなるとそうはいかない。少しでもダメージが残っていると腐食や侵食がはじまり最終的には、リフォームを選択するしか手段がなくなる恐れがある。
ここで、紹介するDIYグッズはあくまでも一時的な補修と認識していただきたい。完璧な補修を施すにはプロの技術が必要である。
洗面ボウルやカウンターの素材の見分け方だが、金属で軽く叩くとある程度見分けられる。金属音が返ってくるとホーローで、高音なら陶器だ。少し鈍い音が返ってきたら人工大理石である。
陶器製の補修方法
陶器製の洗面ボウルにダメージが生じた場合は、すぐに接着させる必要がある。この接着剤なら耐水性が高く、陶器も接着させることができるので、ひび割れや割れ・欠けなどのダメージに対応できる。
ただし、あくまでも一時的な補修だと知っておいていただきたい。接着剤が劣化する前にプロに依頼していただきたい。
その場合、メーカーやリフォーム業者なら取替となる。リペア業者なら補修が可能だ。
ホーロー・人工大理石の補修方法
ホーローや人工大理石の補修には専用の接着剤が有効である。洗面ボウルやカウンターの傷や欠けを接着するだけで補修できる。
使用方法は画像を参照いただきたい。
この接着剤は着色することも可能である。A剤とB剤を混合した後、10分以内に水性絵の具を加えると着用できるので、補修箇所に色を合わせると目立たなくなる。
補修後にお湯がかかると臭いが発生する可能性があるので、しっかり硬化するまで念の為にお湯は避けたほうが良い。
配管の水漏れはパテで応急処置
配管などの急な水漏れにはパテが有効だ。一時的な補修だが、本格的な補修までのつなぎとして充分な効果を発揮する。
付属の手袋をつけてパテを練り合わせ、補修面に貼り付けるだけなので誰でも簡単に水漏れを防止できる。硬化時間はおよそ15分だ。
水の中でも硬化するので素材を気にすることなく、洗面ボウルなどのひび割れや割れ・欠けにも使用可能だ。
配管の水漏れの場合は、パッキンの劣化や配管のひび割れなどが主たる原因なので、ロックタイトで補修後は、DIYしたりやプロに依頼したりして部材を交換することを推奨する。
完璧に直したい場合はプロに依頼しよう
洗面台のダメージを完璧に補修するには、最終的にプロに依頼するしかない。洗面台の場合、依頼先はメーカー・リフォーム業者・リペア業者となる。
メーカーに依頼した場合は、部材の交換か洗面台一式の交換となり、下請けのリフォーム業者が施工する。要するにメーカーとリフォーム業者は一対であり、リペア業者は単独ということだ。
リフォームは洗面台の取替え
メーカーやリフォーム業者に補修を依頼した場合は、部材や洗面台一式を交換ことになる。例えば、洗面ボウルがひび割れた場合は、洗面ボウルの取り替えとなり、型が廃盤になっていたら洗面台一式を交換ことになる。
まだ、使えるカウンターや引き出し、小物入れや鏡まで取り替えて産廃ゴミになるのは、忍びないと感じる人も多いがそれが現実である。
ホーローや人工大理石なら、極一部だがダメージの補修を承っているメーカーやリフォーム業者もいる。しかし、餅は餅屋なので過度な期待は避けたほうが良い。
リペアはダメージ箇所の修復
リペア業者は、ダメージ箇所を修復するプロである。部材を交換することは基本的にない。画像は洗面カウンターの欠けを修復したものだ。修復した箇所が判別できないほどの仕上がりになっている。
人工大理石やホーローなどどのような素材でも修復可能だ。素材を選ばず修復できる点もリペア業者の特長である。
特に陶器製のボウルやカウンターは、メーカーでも修復できず、洗面ボウルを制作している業者でも修復できない。
この「完璧に直したい場合はプロに依頼しよう」の見出し下画像は、陶器製の洗面ボウルを修復したものだ。陶器製の洗面ボウルやカウンターを補修できるのはリペア業者だけと言っても過言ではない。
洗面台リフォームとリペアの価格相場
洗面台をプロに依頼して補修する場合は、リフォームかリペアの2択になる。この2つの違いは先に解説したので、ここでは価格相場を解説させていただく。
リフォームは10万円~20万円
リフォームの場合は、部材を交換するか洗面台一式を交換することになるので、価格相場の変動が激しい。
洗面ボウルを交換するだけなら出張料や作業代金を含めても10万円程度になる。洗面ボウルが高額になればなるほど価格は上がっていく。
洗面台一式を交換する場合も同様で、選択する洗面台によって価格が大幅に変動する。そこで、どれくらいの価格が主流なのかグラフで表示させていただいた。
多くの人が20万円までで洗面台をリフォームしていることが理解できる。ただし、旧式の洗面台からユニット式の洗面台にリフォームする場合は、単純な交換リフォームではないので、作業費がかさむ可能性がある。
リペアは1箇所15000円~
リペア業者は一つの修復に対して、技術料1万5000円からが価格相場である。リペアは部材を新調しないので、技術料がそのまま請求額となる。しかし、新たに必要となった補修材や出張費は別途請求される。
難易度が高く、広範囲なリペア作業ほど技術料が高額になる。しかし、リフォームと比べるとかなり経済的であることは間違いない。
また、リペアは部材を廃棄することがないので非常にエコロジーだ。ダメージ箇所を修復するだけなので、ほとんどのリペアは数時間で作業が終わる。リフォームのように何日も工期を要することがないことも大きなメリットである。
優良なリペア業者を選ぶポイント
洗面台の補修をリペア業者に依頼するとなった場合、同じお金を出すのならより優秀なリペア職人がいる優良なリペア業者に依頼するべきだ。
そこで、どのリペア業者が優良か判断するポイントを解説させていただく。
- ホームページやブログがあるか
グーグルマップなどで探しているといくつか近隣のリペア業者が見つかるかも知れない。しかし、ホームページやブログがなければ、施工事例を見ることもできず技術力があるのか判断できない。
肝要なのは、技術力があるのかを目で見て判断できることだ。リペア業者の技術力を見ることができるとしたらホームページやブログがなければ不可能だ。逆に言えば、ホームページやブログがない業者は施工事例が乏しく技術力も低いと言うことだ。 - 無料見積もりがあるか
相見積もりをとるにしても、無料見積もりフォームなどがホームページなどに無いとどうすることもできない。 - アフターフォローがしっかりしているか
腕の良い職人を抱えているリペア業者ほどアフターがしっかりしている。理由は、再修復などほとんどないからだ。1回の修復で施主のニーズを満たすのが本当のプロの施工である。 - 安すぎる業者に騙されてはいけない
見積もりが安すぎる業者は技術力がないと断定できる。リペア職人は、技術力だけが売り物である。部材を販売して利益をえたり、建材を交換して差益をえたりすることはない。その技術料が安い=技術力がないからである。
リフォーム業者の中には、経済的なリペアを誘い口にして最終的にはリフォームへと誘導する悪質な業者もいる。そのような類も見積額が安い場合が多いので注意が必要である。 - 電話をかけたときの印象も判断材料になる。会話の中で違和感があれば、その業者とは縁がなかったと割り切ることも大事である。
以上のポイントを踏まえて、問い合わせすると優良な業者を見つけることができるだろう。優良な職人なら施主のニーズをくみ取り、満足できる修復を行うことは間違いない。
水回りを完璧にして安心できる暮らしを
洗面台が使えないと手を洗うにも顔を洗うにも不便である。基礎化粧などを洗面台で行うこともある。
水回りに不安要素があると生活のリズムも乱れがちになりやすい。キッチンで歯磨きしたり、朝のシャンプーができなかったりすれば、一日中何らかの違和感がありながら過ごさないといけないこともある。
洗面台は、常にベストな状態で使えることが、どこの家庭でも当然だからだ。なので、洗面台のトラブルは早急で完璧に補修する必要がある。
パーフェクトに補修された洗面台なら、何の不安もなくいつもの生活リズムでしようできる。リペアはその役目を果たすことができる。
また、調度品としての完成度が高いものや、芸術性が高いものほどリペアに依頼すればきっと満足できる結果を得られるだろう。