クローゼットのドアも間仕切りドアと同様に、家具が当たって凹んでしまったとか穴が空いてしまった、開閉がしにくくなったという不具合が多く発生します。
クローゼットは毎日使用するものなので、スムーズに開閉できなくなったり凹みや穴が空いたりすると気になるだけでなく、怪我につながることもあります。
ここでは、クローゼットの傷や凹み・穴などの補修方法や補修やリフォーム費用の相場をご紹介します。
クローゼットのドアは凹みや穴が空きやすい!
クローゼットのドアも住宅で多く採用される間仕切りドアと同じく、フラッシュ構造になっているフラッシュドアです。
フラッシュドアとは、框と桟で作った骨組みの両面に薄い化粧板を貼ってつくられ、中が空洞になっているドア。
そのため、軽く操作性に優れることがメリットですが、衝撃に弱く硬い物がぶつかっただけでも凹んだり穴が空いてしまったりすることがあります。
そのままにしておくと部屋の印象が悪くなるだけでなく、小さなお子さんがいる場合は穴に手などを突っ込むと怪我をする危険性があるため、なるべく早く補修することをおすすめします。
クローゼットドアの傷や凹み・穴の補修方法
クローゼットドアの傷や凹み・穴などの自分でできる補修方法を以下にご紹介します。
擦り傷や小さな凹み・穴は補修キットで!
表面的な擦り傷や小さな凹みや穴の補修は画像のような市販の補修キットを使用して簡単に補修することができます。補修方法や手順を以下に解説します。
➀ 傷周辺のバリをサンドペーパーなどで整え、汚れをきれいに取り除く。
➁ ドアの色に近いネオスティックを選び、傷に直角に擦り込む(調色も可能)。
➂ はみ出たネオスティックを付属のヘラで取り除き、スチールウールで軽く拭く。
※調色する場合や、穴に埋め込む際は必要量のネオスティックを削り指先で練り合わせてから傷に埋め込み、傷と同様にはみ出たネオスティックを付属のヘラで取り除き、スチールウールで軽く拭く。
比較的大きな凹みや穴はパテで補修
比較的大きな凹みや穴には木部用パテを使用して補修します。
補修の手順は以下の通りです。
➀ 補修面のバリをサンドペーパーで取り除き、埃や油汚れなどをきれいに拭き取り乾燥させる。
➁ 付属の手袋を着用し、パテの保護シール・保護フィルムを剥がし必要量のパテをカッターなどで切り取る(残ったパテは保護シールを貼って保管)。
➂ 色ムラがなくなるまで、手早く練り合わせる(化学反応で高温になるが異常ではない)。
➃ 色ムラがなくなった時点で補修箇所に埋め、手やローラーで密着させる。
➄ 湿った布や、水で濡らしたヘラで表面を均す。
➅ 24時間以上経過してから、サンドペーパーで表面を平滑にして塗装をする。
※この商品はパテを練り合わせてから5分以内(20℃)で作業を終えるようにします。
折れ戸の注意点と部品の交換方法
クローゼットの扉には、開き戸・引き戸・折れ戸などの種類がありますが、比較的幅の広いクローゼットに多く採用されているのが折れ戸です。
ここでは折れ戸の注意点と部品の交換方法を解説します。
折れ戸の注意点
折れ戸は全開にすると開口幅が大きくなるため、クローゼットの中が一目で見渡せることや収納物の出し入れがしやすいことがメリットです。
しかし、扉を折りたたむために複雑な動きになり、金具に負担がかかりやすく不具合が発生しやすいというデメリットがあります。
折れ戸の上下に隙間が出来たり、折れ戸同士がぶつかったりする不調は、折れ戸タイプによって(調整可能タイプの場合のみ)、吊車の調整だけで済む場合もあります。
しかし、金具そのものが破損した場合は部品の交換が必要です。
折れ戸に使用されている主な部品は、レール・吊り車・蝶番・スライダー・スライダー用ピボット・仮固定用ストッパーなどですが、いずれかが破損している場合は交換部品を用意しなければなりません。
部品はメーカーによって違いがあるため扉のメーカーを確認し、できれば同じ部品を探しましょう。
古いドアで部品が合わない場合やメーカーがわからない場合は、ドアそのものを交換しなければならない可能性も出てきます。
折れ戸金具の交換方法
ここでは、折れ戸の蝶番の交換方法をご紹介します。
①.クローゼットの扉を外す(外し方は折れ戸のタイプやメーカーによって異なるが、上下にレールがある場合は、まず下のピボットをマイナスドライバーなどで上に持ち上げレールから外し、上部はピボットを押し下げて扉を外す。)
②既存の蝶番のネジを外し、蝶番を取り外す。
➂新しい蝶番を取り付ける。
④折れ戸を折ったままで、外した時と同様にピボットを押しながら下のレールの溝(またはピボットの受け皿にはめ込む。
⑤上部も同様にはめ込み扉をゆっくり滑らせて扉を閉じ、スムーズに開閉可能か確認する。
クローゼット扉の修理費用・リフォーム費用の相場は?
クローゼットの扉の修理を専門業者に依頼する場合、部分的な修理や部品の交換などはリペア業者に依頼することになります。
リペア業者に依頼した場合の費用相場は、損傷の程度にもよりますが凹みや穴の修理1箇所につき13,000円~です。
折れ戸の扉から引き戸にしたい、または開き戸から折れ戸や引き戸にしたいなどといったクローゼットの扉自体を交換する場合は、リフォーム業者に依頼することになります。
リフォーム(扉の交換)には、以下のような費用がかかります。
・新しく取り付ける扉:4万円~20万円(商品のグレード、開口部の大きさによって異なる)
・取り付け工事費:1万円~2万円
・部屋の簡易養生費:5000円程度
・既存扉の撤去費:5000円程度
できるだけ無駄な費用をかけないためにも、問題なく使用できるドアならば部分的な修理で長く使い続けることをおすすめします。
以下に、当サイトの補修事例をご紹介します。
いかがでしょうか?
補修前は大きく目立っていた傷や穴も、どこに傷があったのかさえも全くわからなくなっています。
DIYでの補修とリペア業者の補修とでは、何といっても仕上がりが違います。
DIYで補修した箇所がまったくわからなくなるほどの仕上がりにするのは、DIYの達人でない限り難しいでしょう。
DIYが得意でない人や、きれいな仕上がりを求める人は最初からリペア業者に依頼することをおすすめします。
賃貸住宅の場合の注意点
賃貸住宅でも家具の搬入の際にドアにぶつけて凹みや穴が空いてしまったということがよくあります。
賃貸住宅の場合も費用をできるだけ抑えたい場合はDIYで補修することですが、無断で修理しても、退去立会いのチェック時に修理したことがわかると結局は原状回復費用を支払うことになるため、補修費用が二重にかかかります。
ただし、貸主に修理を任せると部分的な補修で行えるところを、扉の交換とされてしまい、想像以上に高額な請求となる可能性もあります。
この場合は、補修したことがわからないレベルの腕の良い業者であれば、自分で直接補修業者に依頼する方が経済的です。
但し、賃貸契約内容によっては契約違反となる為、リスクを考慮してご判断ください。
さらに、ドアの損傷は、原因が「うっかり事故」であれば火災保険が適用されることもあります。
加入している保険内容に「不測かつ突発的な事故」とう項目があるかどうか確認してみてください。
また、クローゼットの折れ戸は普通に使用していても突然部品やドアそのものが外れることがあります。そんな場合も速やかに管理会社や大家さんに連絡して直してもらいましょう。
乱暴に扱ったり無理に引っ張ったりして故意に壊したのでない場合は、無料で直してくれるでしょう。
まとめ
クローゼットのドアも間仕切りドアと同じように、いつまでもスムーズに開閉でき、美しさを保つためには、定期的なお手入れが必要です。
ドア表面の埃や手垢は定期的な拭き掃除を行い、金物(部品)も埃を取り除き、定期的に以下のような潤滑油を注しておきましょう。
また、ドアにもたれたり取っ手などに重いものをぶら下げたりすると、ドアの開閉に支障が生じることがあるため注意しましょう。
それでもうっかり物をぶつけて凹んだり穴が空いたりした場合は、是非リペア業者にご相談ください!