タイルや石材は耐久性に優れ、見た目も美しいため住宅の内外装で多く採用されており、
特に汚れに強く掃除も簡単なことから、風呂場や洗面スペース・玄関の床・エクステリアなどで多く使用されています。
しかしながら、タイルや石材は衝撃によってひび割れたり欠けたりすることがあります。
ここでは、タイルの小さな傷やひび割れ、石材の欠けなどの自分でできる補修方法や、業者に依頼した場合のメリットや費用などを解説していきます。
タイルの損傷を放置するのは危険
タイルの損傷は見た目だけの問題だから気にしなければ問題ないと思われるかもしれませんが、そこには大きな落とし穴が潜んでいます。
なぜなら場所によってはタイルの損傷によって建物の構造などを損傷させかねないからです。
タイルが損傷するとそこのところから水が入ります。
タイルの下地はモルタルが塗られているため吸水性があり、タイルの損傷部分から入った水がモルタルに浸透し、さらに奥深くまで水が流れ土台などの構造体を腐食させてしまいます。
以下にはタイルの損傷により起きる症状について記載しましたので、損傷を放置してしまう危険性についてぜひ知っておいてください。
【木材の腐食・カビ・シロアリ】
損傷したところから水が浸透し、土台などの木材を濡らしてしまうと腐食を起こします。
木材は水に弱いため、なるべく濡らさないことが重要ですが、浴室やキッチン、洗面所などの水まわりでは水の侵入により腐食を起こしてしまうことが多くあります。
腐食した木材は強度を落としますので、土台や柱などの構造体の場合は耐震性などの性能が低下させてしまうでしょう。
また、木材が水に触れることでカビが発生する可能性があります。
カビは部屋の中を浮遊するため健康を害する可能性があり、アレルギーの原因にもなります。
建物の性能を著しく落とし、修復する規模も大きくなりやすいのがシロアリです。
シロアリは木材を餌にし、湿気の多いところを好みます。
水に濡れた木材は多湿になり、シロアリを寄せ付ける要因となりますので、注意しましょう。
【タイルの剥がれ】
タイルの剥がれで気をつけなければいけないのが、外装材にタイルを使っている場合です。
もし、人がいるところにタイルが剥がれて落下すると怪我をさせてしまう恐れがあり非常に危険です。
また、床タイルの剥がれの場合は足をつまずく可能性があり、高齢の方は転倒する危険があります。
タイルが剥がれてしまう原因は経年劣化によるものが多く、水の侵入、接着剤の劣化などがあります。
タイルの損傷が怪我や事故を起こす可能性があるということを知っておき、このようなことが起こらないように事前にメンテナンスを行っておきましょう。
タイルの種類と形状
タイルの種類は大きく分けると以下の種類に分けられます。
・内装タイル
・外装タイル
上記のように用途別で種類があり、各タイルには壁用と床用があります。
また、タイルの素材はいろいろありますので、以下をご覧ください。
【磁器質タイル】
吸水性が低くほとんど水を吸わない性質があるため、水まわり、外壁、商業施設の床などに使われています。
硬く汚れにくい特徴があり、叩くと金属のような硬質な音がします。
【せっ器質タイル】
磁器質タイルよりは吸水性があり、硬質で耐候性に優れます。
このタイルは外壁材として用いられ、釉薬をかけない無釉タイルが多いです。
【陶器質タイル】
表面に小さい穴がある多孔質なタイルのため、給水率は22%以下と他のタイルよりも水を吸いやすい特徴があります。
打撃音は鈍く、外装タイルには適さないため内装タイルによく用いられます。
陶器質タイルは釉薬をかける施釉タイルが一般的です。
【塩化ビニール系】
上記で挙げたタイルとは性質が異なりますが、Pタイルやフロアタイルといった、タイルと名前がつけられている建材もあります。
これらは塩化ビニールを原料とする建材で、主に内装床として使われています。
Pタイルとフロアタイルは、どちらも塩化ビニール系のため特徴は類似しますが、柄や構造に違いがあります。
Pタイルは単層構造に対し、フロアタイルは基材とプリント層でできる複層構造になります。
【タイルの形状】
タイルの形状は正方形の形をした角タイプと長方形の形をした二丁掛けタイル、小口タイルなどがあります。
角タイプには以下のサイズがあります。
・100mm角
・150mm角
・200mm角
・300mm角
など
・小口タイル:108mm×60mm
・二丁掛けタイル:227mm×60mm
その他にも三丁掛けタイル(227mm×60mm)、四丁掛けタイル(227mm×120mm)などもあります。
タイルが使われている場所
タイルが使われている場所は主に外壁、床、水まわりです。
タイルそのものは傷や汚れがつきにくく耐久性に優れていますが、メンテナンスが不要なわけではありません。
状態を維持していくためにも定期的にメンテナンスが必要なため、適切な手入れを日頃からできるようにタイルが使われている場所を把握しておくことが大切です。
屋外の場合は前述した外壁の他に玄関ポーチ、門塀などに使われています。
内装だとまず目に入るのが玄関タイルです。
玄関タイルは屋外の玄関ポーチの延長として仕上げられていることが多く、人の移動も多いため損耗や汚れには注意しておきましょう。
また、内装の壁や床にタイルが使われていることもあります。
ペットのいるご家庭の場合は床に傷がつかないようにタイルを貼っているケースもあり、現在では臭いを吸収する機能タイルも販売されています。
浴室のような水まわりにもタイルはよく使われます。
前述したように水まわりは水が侵入しやすい場所のため、タイルの損傷には注意しておきましょう。
風呂など水回りのタイル補修は早急に!
風呂場などの水回りのタイルを一度確認してみましょう。表面に傷やひび割れが発生していませんか?
タイルの目地にはシリコン系の充填剤が使用されています。この充填材が経年により劣化すると、少しの刺激でもタイルにひび割れを起こすことがあるのです。
放置していると、益々ひび割れが広がる可能性があり、また、ひび割れから水が侵入しタイルの浮きや剥がれを起こします。それだけでなく、壁に侵入した水が内部の木部まで広がるとカビや腐食の原因となりシロアリを発生させることもあります。
風呂場など水回りに使用されているタイルの傷やひび割れはできるだけ早く補修することをおすすめします。
タイルの小さな傷やひび・欠けのDIY補修方法と材料
タイルの目地の減りやひび割れ、タイル表面の小さな傷・ひび・欠けなどは自分でも補修が可能です。使用する補修剤や方法、補修手順などを以下に解説していきます。
タイル目地の補修方法
セメダインの「スーパーシール」は、タイルの目地補修に必要な道具(マスキングテープ・ヘラ・ノズル・絞り器)がセットになっているため、道具を揃える必要がなく便利なのでおすすめです。
「スーパーシール」を使用した目地補修の手順を以下に解説します。
①補修する目地部分や周囲のゴミや錆、油などの汚れをきれいに除去し、よく乾燥させておく。
➁補修箇所の両側にマスキングテープを貼る(シール剤のはみ出しを防ぐため)。
➂付属のノズルを目地に合わせてカットし、スーパーシールのチューブに取りつける。また絞り器もチューブの尻部に差し込んでセットする。
④絞り器のハンドルを回し、シール剤を絞り出しながら補修箇所に充填する。
⑤シール剤が硬化しないうちに付属のヘラで表面をならす。
⑥マスキングテープを剥がし、24時間はそのままの状態で放置する。
タイル表面の小さな傷(ヘアークラックなど)の補修方法
タイル表面や目地などのヘアークラック程度の小さな傷でも、防水処理は必要です。補修しにくいヘアークラックは、水の浸水やタイルの剥がれ落ち、下地の傷み防止のために専用の充填防水剤を使用して防水処理を行います。
①補修箇所の埃や汚れなどをきれいに除去する。
②ハケを使用して充填剤を塗布する
➂30分~1時間程度置いて、もう一度充填剤を塗布する(2回塗りが標準)。
④乾燥させる(1時間程度)。
タイルのひび割れの補修方法
タイルのひび割れの補修には、セメダインの「バスコークN」で補修してみましょう。
バスコークのカラーは白・アイボリー・灰・黒・透明があり、タイルに近いカラーを選ぶようにします。
以下は補修手順です。
①補修箇所の汚れをきれいに落とし、乾燥させる。
②マスキングテープをタイルひび割れの両側に貼る(ひび割れから3~5mm程度離した両側)。
➂付属のノズルを、タイルの割れ目よりも少し大きくなるようにカットし、チューブの先に取りつける。
④チューブの尻部に絞り器を差し込んで取り付ける。
⑤絞り器のハンドルを回しながら、ノズルをひび割れに押し付けるようにして、しっかり奥まで充填する。
⑥付属のヘラで表面を平にならし、不要なバスコークはかき取る。
⑦マスキングテープを剥がし、そのままの状態で24時間程度放置する。
※ひび割れた部分のタイルを押さえてみて動かないと確認してから行いましょう。タイルが動く(浮いている)場合はタイルを剥がす必要があるため、この補修方法はできません。
パテや接着剤でタイルの欠けを補修
小さなタイルの欠けなら、補修箇所に合わせたパテを使用して自分で補修してみましょう。
補修の手順を以下に解説します。
①補修する(欠けた)部分の汚れをきれいに取り除き乾燥させておく。
②欠けた部分にサンドペーパーをかける(接着力を強化するため)。
➂付属の手袋を着用し、保護シート・保護フィルムを剥がし色むらがなくなるまで練り合わせる(少量使用する場合はカッターで必要量を切る)。
④色むらがなくなったらすぐに補修箇所に埋め込む(パテを練り合わせてから5分以内に作業を終えるように注意)。
⑤埋め込んだパテを指で押して密着させ、水に濡らしたヘラなどで形を整える。
⑥硬化したら(24時間以上おく)、補修部分にサンドペーパーをかけ水性エナメル塗料などで着色する。
※使用中は十分に換気が必要です。残ったパテは保護シールを貼って直射日光が当たらない涼しい場所で保管します。
玄関の石材の補修方法
玄関などに使用されている石材(大理石や御影石など)の欠けの補修は、カラーパウダーなどがセットになっている「石材補修セット」を使用して補修できます。
以下は補修の手順です。
①補修箇所の汚れなどを取り除き、サンドペーパーをかける
②補修箇所の大きさに合わせてパテを切る
➂「硬化剤」と「パテ」が均一に混じるようにパテを練るが、石材の色に合ったカラーパウダーを一緒に練り込みある程度色付けしておく。
④補修箇所に練ったパテを少し多め(やや広め、盛り上げぎみ)に盛る。
⑤パテが硬くなってから、サンドペーパーで丁寧に形成する(指で触って補修箇所とパテの境目がわからないように仕上げる)。
⑥カラーパウダーを密着液で溶き、補修したパテ部分に模様を描く
タイルの剥がれの補修方法
タイルが剥がれてしまった場合は接着剤などを用いて補修を行いましょう
用意するものと補修手順を以下に記します。
【用意するもの】
・ワイヤーブラシ
・タイル接着剤
・目地材
・ウエス ※雑巾などのいらない布やスポンジなどでも代用可
【作業手順】
①ワイヤーブラシで補修箇所を清掃
②補修箇所に接着剤を塗布し、タイルを貼り付ける
③接着剤が乾くまで待つ
④目地材を練り混ぜ、目地部分に塗りこむ
⑤タイル表面についた目地材を拭き取る
⑥目地材を乾燥させて完了
目地材は白やグレーなど色の種類があります。
また、屋外と屋内で用途が分かれている目地材もありますので、材料を選ぶときは製品の用途をよく確認しておきましょう。
タイルの剥がれ補修にはセメントやモルタルを使った方法もありますが、DIYで行う場合は補修材を使用した方が作業は容易です。
補修のメリット
補修のメリットはメンテナンスコストを抑えられることと長く使い続けられることです。
補修はすべてのタイルの張り替えを行うよりも工事範囲は狭くなり、工事期間は短く、修理費用の負担も減らすことができます。
また、部分的に直すことで、これまで使ってきたものを継続して使うことができるため、愛着も抱きやすいでしょう。
すべて直せば全体的に状態は改善されますが、コストや長く使い続けていくということを考慮すると補修の方がメリットはあります。
DIYでタイル補修を行う際の注意点
補修を行う際に注意しておきたいのが、部分的な補修はどうしても古いのと新しいので見た目の違いがわかるということです。
補修はこれまでの摩耗がどうしても残るため、タイルの色や質感の違いが出ます。
タイルを数枚貼り替える場合は色の違いを極力抑えるために、類似する色のタイルを選びますが、それでも違いはわかるでしょう。
できるだけ違和感なく仕上げたいという場合は、既存のタイルと新しく貼るタイルの色合わせを入念に行っておくことをおすすめします。
また、目地の色についても同じことが言えますので注意しましょう。
DIYで補修を行う際は余裕のある作業時間を確保しましょう。
補修作業に慣れていないと、補修範囲が狭いとはいえ思っているよりも時間がかかるものです。
接着剤や目地の乾燥時間も必要なため、きれいに仕上げるには焦りは禁物です。
早く終わらせたいから乾燥時間を設けずに作業を進めてしまうと、タイルや目地の密着性に関わりますので、しっかり乾燥させてから作業を進めることが重要です。
大きなひび割れや欠けは専門業者に依頼!
風呂タイルのひび割れや欠けは、全て自分で補修できるとは限りません。表面上は補修が可能でも、既に水の侵入が内部にまで進行している可能性もあるからです。
どこまでならDIYが可能でどこから専門業者に依頼したらいいのかの判断は難しいところです。
そこで、DIYか専門業者に依頼するかの判断基準や業者に依頼するメリット・費用相場などを紹介します。
DIYか業者に依頼かの判断基準は?
風呂タイルが何枚にも渡って大きくひび割れている場合や、大きく欠けて下地が剥き出しになっている場合、ひび割れたタイルが浮いている場合などは、専門業者に依頼することをおすすめします。
また、比較的小さなひび割れでも、ひび割れに気付きながら長期間(1年以上)放置している場合は、やはり専門業者に依頼した方が安心です。長期間の間に下地まで水が侵入している可能性があります。
さらに、タイルのひび割れた箇所が浮いている場合も、一部分にタイルの浮きがあれば他の箇所にも浮きが発生している可能性が高いです。
その場合は、浮きの発生しているタイルを全て剥がして貼り直す作業が必要になります。
タイルを剥がす作業は、浮いたタイルと浮いていないタイルの境目の目地を上手く切り離すことが大切で、これはかなり難しい作業になります。
下手に行えば、浮いていないタイルまで浮きを発生させる可能性もある為注意してください。
浮いていないと判断したタイルでも、補修後にすぐに浮いてしまったという事例も多く二度手間になりかねません。
このような理由からも、タイルの剥離作業を自分で行うのはあまりおすすめできません。
DIYができる場合とは、タイルの目地のひび割れやタイル1枚分程度の明らかに表面だけの傷やひび割れ、原因がはっきりわかっている(物をぶつけた、落としたなど)最近のひび割れや欠けならばDIYでも問題なく補修可能です。
業者に依頼した方がいい劣化症状については以下のポイントが目安となります。
【業者に依頼した方がいい劣化症状】
・下地のコンクリートまで劣化または損傷している
・広い範囲で割れや欠けなどの損傷がある
・水が入りやすい損傷を数年間放置している
・広範囲でタイルが浮いている
年数が経っているタイルは衝撃で不具合を起こす可能性があります。
無理にDIYで行ったら余計に状態が悪くなってしまったということもありますので、少しでも仕上がりに不安がある場合は業者に依頼することをおすすめします。
リペア業者に依頼するメリット・費用など
「風呂タイルのひび割れなどの小さな工事はどこに依頼すればいいのか?」と悩まれる方は多いと思います。
実は、住宅に修理・修繕が必要なときは全てリペア業者に依頼できます。
リペア業者は修理・修繕のプロなので、リフォーム業者に依頼したときのように、風呂場自体のリフォームやタイルの全面貼り替えなどを勧めることはありません。
補修が必要な箇所だけを確実に修理してくれるため低予算で済みます。
また、素人の目ではわからないタイルの劣化状態や下地の状態をプロの目で見て、最適な補修を行ってくれるために安心が大きいこともメリットといえるでしょう。
タイル補修の費用相場は、補修箇所の数や大きさによって、また業者によっても異なりますが、半日~1日程度の補修で2~4万円程度が相場です。
タイルの貼り替えリフォームとなると費用は10万円~20万円程度、工期も2~3日かかります。もちろんリフォーム期間中は風呂場を使用できません。
補修内容 | 費用相場 |
ひび割れや剥がれなどの部分補修 | 2〜4万円ほど |
タイル部分貼り替えおよび下地補修 | 3万円〜 |
タイル目地の割れ | 2万円〜 |
タイルの貼り替え | 10〜20万円 |
前面貼り替えリフォームが必要にならないためにも、部分的な補修は早い程良い為、
タイルに気になる傷・ひび割れなどがあるときは速やかにリペア業者に相談してみましょう。
上記はタイルではなく、浴槽の補修事例ですが、腕の良いリペア職人であれば、このように損傷があった事がわからないレベルで修復してくれます。
タイル補修の業者選び
メンテナンスの難しさは適切な業者を選ぶことにあります。
劣化症状やメンテナンス内容を把握していても、依頼する業者が優れた技術を持っているか、責任を持って工事を行ってくれるのかなどを判断するのは困難です。
業者選びに失敗しないためにも以下のポイントを参考にして信頼できる業者を選びましょう。
・アフターフォローがしっかりしている
・保証制度が充実している
・詳細な見積もり内訳と丁寧な説明をしてくれる
・実績が豊富にある
中でも見積もりに記載されていることはよくチェックしておくことをおすすめします。
基本的に見積もりに記されている内容で工事は行われるため、できるだけ具体的に内訳が書かれていることが望ましいです。
不明点や要望などは契約前にしっかり伝えて解決しておくことが大切です。
火災保険で修理ができる?
火災保険は火災のみの損傷に補償されると思われるかもしれませんが、風災や雪災、落雷などの自然災害にも対応しています。
補償内容の中には不測かつ突発的な事故による破損または汚損も対象です。
火災保険が降りることで補修にかかる費用の負担を軽減できますので、対象となる場合はぜひ火災保険を利用しましょう。
火災保険の補償対象は加入するプランによって異なりますので、メンテナンス工事をご検討の方は該当するか内容を確認しておきましょう。
タイルや石材をいつまでもきれいに保つ方法
風呂場のタイルは水垢・石鹸カス・皮脂・シャンプーの成分などが付着し汚れとなって何層にも重なり蓄積していきます。汚れた風呂場はカビにとって最適な繁殖場所です。
気が付けば黒カビで目地が真っ黒ということもあります。
カビを発生させないためにも、浴槽だけでなく床や壁のタイル部分も日頃からこまめに掃除を行いましょう(最低でも週に1回程度は必要)。
掃除の利点は風呂場をきれいに保つことだけでなく、タイル部分に目を向けることで、タイルや目地部分のひび割れや劣化をいち早く発見することができます。
以下に風呂場や玄関のタイルをいつまでもきれいに使用するための掃除や手入れの方法を紹介します。
タイル目地の頑固なカビを真っ白に!
タイルの目地部分は汚れが最も溜まりやすくカビも発生しやすい箇所です。
こまめに中性洗剤を使用して掃除することで、目地にしつこい汚れが蓄積することを防げます。
カビが発生した場合は、塩素系漂白剤でカビ取りを行いますが、それでも除去できない頑固なカビには、目地を真っ白にできる優れモノがあります。
それが「カビタッチ」です。
「カビタッチ」はペンタイプで、取れないカビのある目地部分に塗るだけなので簡単です。
表面を覆うようにカビを閉じ込めてしまうため、カビの繁殖も防ぐことができます。
塗布後に漂白剤などを付けて擦ると、塗った部分が剥がれることがあり効果がなくなるため注意しましょう。
タイルの水垢はコレで落とす!
タイルに限らず鏡にもウロコ状になって白く付着しているものが水垢汚れで、
スポンジやブラシでゴシゴシ掃除してもなかなか落ちない厄介な汚れの一つです。
水垢の原因は、水道水に含まれているカルシウムと石鹸カスや皮脂などが混ざって白く固まったもので、落とす方法は2つあります。
アルカリ性の汚れのため酸を使用して汚れを溶かすか、研磨して削り取る方法です。
酸を使用する方法は、以下のような水垢汚れを落とす酸性系の洗剤を使用します。
洗剤の代わりに「クエン酸」や「酢」でも水垢を落とすことができます。
水垢は付着したタイルに直接クエン酸をスプレーしてラップを被せて1~2時間程度置いた後、スポンジなどで擦ります。
削り取る場合は、以下のような商品を使用してみましょう。軽石を水に濡らして、タイルに付着した水垢部分を擦るだけなので簡単です。
玄関タイルの掃除方法
玄関の床タイルの汚れは主に靴に付着した泥などによるものです。表面に凹凸のあるタイルなどは特に泥が入り込んですぐに真っ黒になってしまいます。
普段の掃除は、掃除機で埃や泥を吸い取り、雑巾がけするだけでも汚れの付着は少なくなり、
黒く汚れてしまったタイルはメラミンスポンジを水に塗らして擦るときれいになります。
また、玄関やベランダ専用の洗剤も市販されています。
以下の商品の使用方法は、掃除機でゴミや埃を吸い込んだ後、本品を直接床に撒いてブラシなどで均一に床に塗り広げて擦ります。
汚れた液は乾かないうちに、フロアスクイジーやモップなどで拭き取り、その後はきれいなモップで洗剤分が残らないように水拭きします(2回以上)。
石材の汚れにはコレ!
玄関のアプローチなどのエクステリアに使用されているタイルや石材の汚れには、高圧洗浄機で洗うときれいに落とせます。しかし、水圧が強すぎると目地が傷むことがあるため注意が必要です。
また、以下のような石材専用のクリーナーも市販されています。この商品は御影石や人工大理石の汚れや錆の除去に使用でき、成分は安全な有機酸(食品添加物に使用される)なので安心して使用できます。
〈使用方法〉
①事前に目立たない箇所で、テスト洗浄をして異常がないか確認する。
②植栽やガラスなどが側にある場合は洗浄剤がかからないように養生する。また付着する可能性がある箇所には水をかけておく。
➂洗浄剤を布やハンドモップに含ませ洗浄する部分にムラなく塗布する
④塗布して30秒ほどおいてから洗浄する部分をブラシやたわしで擦り洗いする。
⑤水できれいに洗い流す。
タイルや石材の白華現象には専用洗剤を使用!
エクステリアのタイルや石材が白く汚れているのは、白華現象(エフロレッセンス・エフロとも呼ぶ)によるものです。雨の当たる場所でモルタルやコンクリートを使用している場合は白華現象が起きてしまいます。
白華現象とは、モルタルやコンクリートの中に含まれている水酸化カルシウムが雨によって溶け出し、空気中の炭酸ガスと反応して固まり炭酸カルシウムとなったものです。
雨水の通り道などに発生しやすく、ブロック塀や庭のコンクリートでも見ることが多い現象です。
エフロは硬くこびりついているため、簡単には取ることができません。以下のようなエフロ専用の洗浄剤を使用してみましょう。
〈使用方法〉
①事前に植栽やガラスなどに洗浄液がかからないように養生する。
②布やハンドモップなどに洗浄剤を含ませ、エフロ部分に塗布する。
➂洗浄剤を塗布して30秒程置いてから、ブラシやたわしで洗う。
④最後に目地部分などに洗浄剤が残らないように入念に水洗いする(水洗いができない作業環境の場合は、濡らした布できれいに拭き取る)。
※洗浄剤を使用する前に、できるだけブラシなどでエフロを落としておくと、洗浄剤の使用量が少なくて済むので効率的に洗浄できます。また、事前に目立たない箇所で異常がないか確認することも大切です。
外装タイルのお手入れ
外壁が汚れる原因はホコリや車の排気ガス、雨などのため、普段お手入れする際は水洗いで汚れを落としてあげましょう。
水洗いで落ちない汚れはスポンジなどで軽くこするといいです。
水洗いする際はタイルの欠けや目地の割れなど水の侵入口となる損傷がないか確認してから行うことです。
水の侵入口となる破損がある場合は、そのまま水をかけてしまうと水が入ってしまうため、洗浄する前に補修を行うことをおすすめします。
外壁はコーキングを打っている箇所がありますので、漂白剤の使用はお控えください。
また、中々汚れが落ちないタイルの場合は無理に行うと不具合を起こす可能性がありますので、どうしても気になる汚れがある場合は業者に依頼するか、高圧洗浄をするといいでしょう。
まとめ
風呂場や玄関のタイルに傷やひび割れがあり汚れが付着したままだと、見た目にも悪いし家の劣化を早める危険性もあります。
やはりタイルはピカピカが一番です。日頃からこまめに掃除や手入れをしながら、いつまでもタイルの美しさを維持したいものです。
しかし、ひび割れや欠けなどを見つけたときは、自分でできるかを判断してなるべく早い補修をおすすめします。
自分ではできないと判断した場合は、まずリペア業者に相談してみましょう。損傷が広がらないうちに補修することで費用を抑えることができます。
損傷部分の画像を送るだけで適切なアドバイスや見積もりをもらえるため、見積もり金額に納得してから依頼するようにしましょう。